もしあなたが、心のどこかで
今に満足できず、もっと幸せを
実感したいなら。
今が決して不幸というわけではないけど、
- 「自分の人生をより良くしたい」
- 「もっと充実させたい」
人としての当然の
気持ちをもつあなたであれば、
ここでご紹介する記事は、
確実に幸せになるヒントになると
確信しています。
というのは、
科学的に実証された幸せ
についての内容だからです。
この記事では、
自己啓発の大家の言葉や
成功者たちの考え方を
紹介したものではなく、
人気の心理学NLPを中心に、
世界各国の人たちを対象にした
膨大な研究をもとに、
科学的に解明されてきた
「幸せ」の具体的な概念や考え方、
また日々を充実させ、
幸せを実感できる心理学をベースにした
具体的な方法をご紹介しています。
もちろんライターの私自身も
体験済みの内容です。
- 多くの研究や調査に裏付けられた「幸せ」とは何か?
- 「幸せ」を決定づける要因とは何か?
- すぐにでも始められる小さな一歩は何か?
この記事で、
そのヒントを手に入れてください。
著者:足達 大和 全米NLP協会公認・NLPマスタートレーナー |
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当サイトの運営元である「NLP-JAPAN ラーニング・センター」の専属トレーナー。5,600回以上という圧倒的な回数の研修実績を持つ。 NLP-JAPANラーニング・センターとは、日本最大手の「NLP総合スクール」で、NLP業界の世界5大組織と連携。日本で唯一、NLPの基礎から大学院レベルまでの学びを提供している日本最高峰のNLPトレーニング機関。 |
目次
1.幸せとは?
幸せとは、一般的には「その人にとって不満がなく、望ましい状態」のことを指します。
また、心理学では「well-being(ウェルビーイング)」と呼ばれ、持続的により良い状態になることとして、言われている考え方です。
幸せとは、空想のお花畑のような世界でもなく、南の島で優雅に過ごしていることでもありません。
またお金がある、健康であるといったことでもない、そんな調査結果がでています。
まずは、ポジティブ心理学で語られている幸せの5つの柱、「PERMA」をご紹介します。
※「PERMA」とは、下記5つの柱の頭文字から来ています。
P:Positive emotion「ポジティブ感情」
「喜び」「感謝」「安らぎ」「愉快」「愛」「希望」のポジティブな感情をもつこと
E:Engagement「エンゲージメント」
没頭、没入できる体験をすること
R:Relationship「人間関係」
特に家族などの親密な人たちとの関係を大切にすること
M:Meaning「人生における意味や意義ある活動」
人生に意味や意義、目的を見出して行動すること
A:Accomplishment (Achievement)「達成、完遂、マスター」
最初は達成(Achievement)の意味だけが取り上げられていましたが、近年では何かを習得し向上させることも加味され、このキーワードが使われています。
PERMAは、ポジティブ心理学の父と呼ばれるセリングマンがまとめた概念で、一つ一つの主張には膨大な研究や調査といった科学的背景があります。
この内容を以下の章では、持続的なよりよい状態になる方法をご紹介しますので、ぜひご覧ください。
※補足として代表的な研究者の主張をご紹介します。
◼「幸せとは、ポジティブ感情である」 ※ポジティブ感情研究の第一人者「バーバラ・L・フレデリクソン博士」 |
ポジティブ感情とは、「愛、喜び、笑い、感謝」といった肯定的な感情です。 これらのポジティブ感情をもつことで、幸せになると言います。 「ポジティブ感情」研究の第一人者と言われるフレドリックが唱えるポジティブ感情は 「喜び」「感謝」「安らぎ」「興味」「誇り」「愉快」「鼓舞」「畏敬」「愛」「希望」の10個の感情です。 |
◼「幸せとは、遊びの感覚で夢中になれるものがあること」 ※フロー理論の提供者であり、心理学者の「ミハイ・チクセントミハイ博士」 |
有名な理論で「フロー理論」と呼ばれているものがあります。 時間を忘れて夢中になったり、何かに集中できていて、そのことすら気づいていない没頭の状態のことです。 「フロー」、近い感覚としてはアスリートたちの「ゾーン」と呼ばれる感覚です。 つまり、「幸せになりたければ、何かに没頭できたり、夢中になることができる何かを見つける」こと。 そして、それ自体を楽しめるような何かを発見して取り組むことと言います。 |
◼「幸せにおいて、他者は大切である」 ※心理学者の「クリストファー・ピーターソン博士」 |
他者との関わりやつながりは、人生の幸福度に大きな影響を及ぼすことを伝えています。 人との関係に生まれる愛や許し、また感謝についての研究も加味され、能動的、かつ建設的に人と話すことが大切だとされています。 ハーバード大学の心理学で最も長い研究と言われるその内容は、 「人が幸せを感じるためには愛が必要である」、もっと具体的に表現すると、「心から支えられていると感じられている人間関係である」と結論づけています。 |
◼「人間が欲しているのは、幸福ではなく、幸福になる理由である」 ※精神科医・心理学者の「ヴィクトール・フランクル博士」 |
幸せになりたければ、人生の意味や意義、そして目的が必要だということです。 「何をしたいか」「夢はなにか」という自己実現的な考え方ではなく、
人生でどんな幸福を手に入れたいかという視点ではなく、この人生に求められていることは何か、人生に意味や意義を見出すことで幸せになるという考え方です。 |
幸せについてより広く知りたい場合は、以下の記事がオススメです。
幸せな人に共通することや、幸せになれない原因について解説した記事はこちら。
↓
幸せな人の特徴と、幸せになれない4つの原因
幸せな人生を送るために、必須の考え方を知りたい方はこちら。
↓
幸せな人生とは?知らないと損をする大切なこととは?
2.幸せになるには|「意図的な行動」の重要性
「裕福か、貧乏か」「健康か、病気がちか」「器量がいいか、人並みか」「既婚者か、離婚経験者か」などの生活環境や状況による違いは、「幸福度のわずか10%しか占めない」
という話があります。これは実に興味深い結果です。
なぜなら私たちは、
- もっとお金があれば・・・
- 今よりも仕事で結果を出せば・・・
- 彼氏/彼女ができれば・・・
- 自分に魅力があれば・・・
- 健康であれば・・・
もっと幸せになれるはずというように考え、いろんなものを欲しています。
あるいは、「幸せになるには◯◯が必要」というように、幸せに条件をつけているケースもあります。
この点に関して、さまざまな角度からの研究によれば、それらは図にある「環境の要因」で、幸せの10%に過ぎないということです。
ちなみに「遺伝による設定値」とは、例えば体重のようなもので、やせたり太ったりしても、何もしなければ元に戻るような設定値を意味する考え方です。
興味深いのは、変えられない遺伝的なものではなく、また富や美やパートナーといった変えられる部分を変えたとしても、10%しか影響が出ないということです。
そして最も重要なポイントは、
「自分でコントロールできる "意図的な行動" の40%をどれだけ活かしていけるか」
が幸せの鍵である、と研究者の一人であるソニア・リュボミアスキーは主張しています。
そうすることで、最も幸福な人のパターンとして挙げられるのが以下のような特徴です。
- 多くの時間を家族や友人と過ごし、その人間関係を大切にして楽しんでいる
- 誰に対しても感謝を表すことが苦にならない
- 同僚や通りすがりの人にもまっさきに手を差し伸べることが多い
- 未来を考える時は、楽観的である
- 毎週、毎日のように体を動かす習慣ができている
- 人生の喜びを満喫し、「今」に生きようとしている
- 生涯にわたる夢や目標に全力を傾けている
- 困難に直面したときに対処する態度や強さをもっている
これらの特徴は自己啓発の大家でもなく、何かの成功者の言葉でもなく、膨大な研究から生まれた科学的裏付けがある調査結果であると、先述のソニア教授は言います。
そして以下のことを主張しています。
「始めたばかりで新しい行動や習慣がまだ自然なものに感じられない時には、最も力を注がなければなりません。
〈中略〉
もっと幸福になりたいなら、スポーツをするように取り組まなければならない」
※出典:
幸せがずっと続く12の行動習慣 ,ソニア・リュボミアスキー(著),日本実業出版社
例えば、筋トレのように「幸せになる力も鍛えていくことが必要である」ということです。
そして意図的に取り組まなければ、そこにある幸せすら気づけなくなるということでしょう。
では変えられる40%へのアプローチとしてどういった方法があるのか、次の章で具体的な方法をご紹介します。
3.幸せになるための具体的な4つの方法
幸せになるには何をしたらいいのか。
ここではポジティブ心理学でいわれている方法をさらに活かせる実践心理学、NLP(神経言語プログラミング)の観点を盛り込んでご紹介しています。
NLP(神経言語プログラミング)とは、卓越性の研究のことで、
各分野でうまくいっている人たちが何をしているのか、それを再現性が生まれるように構築されたスキルや考え方です。
主に
- 「他者とのコミュニケーション」
- 「自分とのコミュニケーション」
- 「ネガティブな感情や問題の克服」
- 「セルフイメージ/目標達成能力の向上」
などに効果的な手法です。
一言でお伝えすると、NLPは「現在の状態」を「望ましい状態」にしていくための心理学であり、スキルです。
例えば、
- プレゼンスキルを今より向上させたい
- 人間関係を今より良好にしたい
- 今あるコンプレックスを克服して、自信がもてる自分になりたい
と、いろんな「現在の状態」を「より望ましい状態」にしていくことの助けとなります。
ですので、「現在の状態」を【より幸せな状態】にしていくことへの威力を発揮します。
また工夫次第では、先にご紹介した「最も幸福な人のパターン」が形成できるようになるスキルとしても活用できます。
いろんな問題や課題解決ができるNLPですが、これまで長年研修やグループコーチングで指導してきた現場のクライアントの生の声を反映し、
「幸せ」に対して、「効果があった」「幸せの実感を手にした」という方法に絞って紹介しますので、ぜひご活用ください。
3-1.問いの力を活用する
幸せになりたいのであれば、幸せに焦点をもつことが大切です。
そこで「問いの力」を活用します。
1章でご紹介した「PERMA」を強化したければ、それぞれにおいて問いの力を活用します。
例えば、
- 今、感謝したいことは何ですか
- また、感謝できることは何ですか
と質問されれば、その人は感謝ができる何かに意識が向きますね。
「昨日の朝食は何を食べましたか」と聞かれて、「3日前に食べたランチ」を思い出す人はいません。
つまり問いは、その人の脳の情報を枠組み、焦点を当てるときのパワフルなツールになります。
この問いの力を意図的に活用し、幸せやポジティブな状態が自然と出てくるようにするための効果的な質問を活用します。
例えば次のような質問です。
- 今、感謝できることは何だろう
- 今、大切にしたいことは何だろう
- 今、やすらぎや安心を感じられることは何だろう
- 今、私にとって大切な人、私を大切にしてくれている人は誰だろう
- 今、幸せを感じるために、今からできることは何だろう
不幸な人は、どれだけ恵まれていても「ない」ものに目を向けていて、幸せな人は「ない」ものではなく、「ある」ものに目を向けて生きている人と言われます。
また不幸な人は、人からしてくれなかったことを数えて生き、幸せな人は、人からして頂いたことを数えて生きている人だと言われます。
この例は「感謝」という、PERMAのP(ポジティブ感情)についての問いですが、この他の項目にも活用できます。
P:Positive emotion「ポジティブ感情」 |
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E:Engagement「エンゲージメント」 |
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R:Relationship「人間関係」 |
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M:Meaning「人生における意味や意義ある活動」 |
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A:Accomplishment (Achievement)「達成、完遂、マスター」 |
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この問いの活用は、自分の認知を幸せの要素にフォーカスさせる最もシンプルで効果的な手法です。
3-2.自分の価値観を明確にする
1章でご紹介した「PERMAのE(没頭や没入)」と「M(人生の意味や目的)」に関する部分に役立つのが、NLPでは【価値観のワーク】と呼ばれているものです。
価値観とは、あなたにとって大切なことです。そして意味や意義があることです。
NLPでは「挑戦」「成長」「優しさ」「つながり」「勇気」「学び」といった短い言葉で表されるあなたを動かすキーワードと言います。
人は大切なことを大切にできる時、充実感や満たされた気持ちを感じることができる。
ご経験がある方も多いと思いますが、どうでもいいことに時間や労力をとられてしまうと、手に入るものは「疲弊」や「怒り」、また「虚無感」といったものです。
「自分にとって大切なことは何か?」まずはそこを明確にして、それを実感できる活動を始めていくことです。
手順としては以下になります。
- 価値観を導出する
- 優先順位をつける
- 上位から3つか5つぐらいの価値観を実感できる活動をはじめる
価値観の導出については、以下の質問を活用してください。
- この人生で大切にしたいのは何か
- この人生でなくてはならないものは何か
- この人生で避けたいもの、いらないものは何か(答えの対極があなたの価値観です)
これらの質問でキーワードとなる価値観を見出し、それらに優先順位をつけます。
この価値観を活動に移すときは、新しいことだけでなく、すでに行っている活動の意味を十分に感じながら取り組むこともできます。
まずは優先順位の上位3つから5つを徹底的に意識して体験できるようにしてください。
また結婚や昇進、育児や介護とそれぞれのステージを体験して、成長していく私たちですので、
一年に一回は、この価値観の見直しをしながら、その都度、自分の人生で大切なことを見直していくことをおすすめします。
3-3.目標を設定する
「PERMAのA(達成や習得)」と関連性がある方法です。
目標を達成すること、また達成するプロセスの中に様々な発見や価値が生まれることはよく言われていることですが、
人生で意味がある活動や価値ある目標を達成するプロセスで大切なことが目標の設定です。
そこで目標の設定に必要な目標の条件について、NLPの「アウトカムフレーム」をご紹介します。
アウトカムとは、NLP的目標の意味で、欲しい結果のことです。
以下に6つのポイントをご紹介します。
①肯定的な表現
したいことを書き出します。
注意点としては、「病気にならない」「貧乏にならない」といった「したくない」表現ではなく、「健康になる」「豊かになる」といった肯定的な表現です。
②自分ができることにフォーカスする
「子供を大学に合格させる」という場合、合格に向けて努力するのは子供ですから、
そのために「勉強費用を100万準備する」というのが、自分ができることにフォーカスした目標です。
「売上1.5倍」といった目標を掲げる場合は、買うのはお客様ですから、
そのために「訪問数を含めアプローチを2倍にする」というのが、自分ができることにフォーカスした目標です。
③達成した証拠を五感で表現する
どうなったら達成したと言えるのか、その証拠をNLPでは、五感で描写することを提唱しています。
つまり、この問いに対する答えを言葉や文章で表します。
- 達成したあなたは何を見るのか
- 達成したあなたは何を聞くのか
- 達成したあなたが触れるものは何か、感じるものは何か
例えば、「念願の資格を取得する」ということを例に、五感の表現をしてみましょう。
■ 「見えるもの」は、
合格通知や認定書、家族の笑顔などです。
■ 「聞こえるもの」は、
周囲からのお祝いの言葉や自分の内側から聞こえる「やった!」という喜びの言葉などです。
■ 「触れるもの、感じるもの」は、
資格の認定書、応援してくれた周囲の人たちの握手の感覚、達成感、充実感、周囲への感謝、次を目指すやる気などです。
このように、達成したら「見えるもの」は何か、「聞こえるもの」は何か、「触れて」「感じられるもの」は何かを表現します。
④期限や数字を入れた具体的なものにする
これはあなたの心の中にある想いを現実的なものにするシンプルかつ必須の項目です。
- いつまでに
- 何を
- 誰と
- どれぐらいやるのか(数値化)
この項目を明確にすることが重要です。
⑤メタアウトカムを設定する
「メタ」とは、それを超えたという意味の言葉です。
つまりメタアウトカムとは、アウトカムを超えた目的のことでもあり、目標を達成することで、得られるもののことです。
具体的には以下の質問を活用します。
- どんな価値が手に入るのか
- どんな成長が訪れるのか
- どんな可能性が生まれるのか
- どんなベネフィットが生まれるのか
- 自分も含め、誰が幸せになるのか
こういった目標達成を超えた部分をみつけ、メタアウトカムを特定することです。
⑥第三者の観点を持つ
エコロジー的観点とは、要はバランスのことです。
NLPでは、周囲とのバランスのことを「エコロジー」と表現しています。
例えば仕事の目標を達成したものの、家族はバラバラ、体はボロボロといった状態をつくってしまっては意味がありません。
あなたとあなたの周囲の両方にWin-Winの関係が生まれることが大切です。
Win-Winの例として以下を参考にしてください。
- 自分と家族とのWin-Win
- 自分と職場とのWin-Win
- 自分と社会とのWin-Win
- 自分と世界とのWin-Win
- 自分と自分(心や体や成長)とのWin-Win
他の目標の立て方にはない、NLPならではのユニークな観点です。
以上をまとめると以下のようになります。
目標を立てる時の質問
- 肯定的な表現:何をしたいか、欲しいもの、欲しい状態は何か?
- 自分へのフォーカス:達成のために、自分がコントロールできるものは何か?
- 五感で表現する:達成した自分が見るもの、聞くもの、触れて感じるものは?
- 具体的:いつまでに、何を、誰と、どれぐらい(数値化)やるのか?
- メタアウトカム:達成するとどんなメリットや可能性が生まれるのか?
- エコロジー的観点:周囲とのWin-Winのためにやることは何か?
このアウトカムフレームは、PERMAすべての要素に活用できます。
例えば、PERMAのR(人間関係)の強化では、
- 「誰とどんな活動をしていきたいか」
- 「誰に対してどんなことをしていきたいか」
といった「問いの力」を活かし、でてきた答えをこのアウトカムフレームで整えていきます。
メタアウトカムについて詳しく解説している記事はこちら
↓
目標達成を簡単にする『メタアウトカム』内容・活用例を徹底解説!
3-4.アンカリング
「PERMAのP(ポジティブ感情)」に関する方法です。
「問いの力」もそうですが、幸せのポジティブ感情で、どんな感情を感じたいかを決め、その感情を【アンカリング】していくというやり方です。
アンカリングとは簡単にお伝えすると、「条件付け」のことです。
心理学では「パブロフの犬」の話が有名です。
エサを与える時に、ベルを鳴らし、これを何回も繰り返すと、ベルを鳴らしただけでヨダレが出てしまうというものです。
つまりこういうことです。
これは私たち人間にもあり、例をあげると以下のようなこともその一つです。
- お店で「蛍の光」が聞こえてくると、「閉店だ、帰らなきゃ。急がなきゃ」という感覚になる
- 街中であるドラマの主題歌が流れると、当時の思い出がよみがえる
- 卒業アルバムで好きだった初恋の人の写真をみつけて、恋の感覚が呼び起こされる
- サザエさんの曲を聞くと、休みが終わる感覚、明日から会社、嫌だなぁという感覚がでてくる
つまり、
と、なります。
アンカリングは、このことを意図的に活用し、感じたい幸せな状態(反応Y)を先に決めて、その状態を呼び起こすトリガー(刺激X)を設定していきます。
わかりやすい例でお伝えすると、誰もが一度は見たことがある、イチローのバッターボックスでのあのポーズです。
このポーズがトリガーとなって、「集中した状態」をつくっているわけです。
このことをあなたの幸せな状態づくりとして役立てることが可能です。
まずは、「安心」「大切にされている」「感謝」といった、幸せを感じるほしい感情を過去の体験から思い出し、スイッチとなるトリガーを設定します。
シンプルな手順は以下の3つです。
- 過去の経験で「安心」や「感謝」などを体験した出来事を思い出す
- その体験の中に入り、見ていたもの、聞こえていたもの、触れて感じていたものなど五感で十分に体験をする
- その状態を体験しているときに、トリガーとなるポーズをする
このやり方は、ポーズをトリガーにしたやり方ですが、他にも以下のような方法もあります。
- 思い出の音楽をトリガーにする
- 愛しい人や大切な人の動画や写真をトリガーにする
- 思い出の物を握ることをトリガーにする
生理的反応を活用した幸せの感じ方、それが「NLPのアンカリング」です。
私の場合ですが、例えば家族で食事をしているときによくアンカリングを設定します。
子どもたちがごはんをモリモリと食べているときに幸せを感じ、その時にトリガー(幸せのスイッチ)として、左の親指を右手でギュッと握りしめます。
これらを繰り返していくと必要な時に親指を握れば、その状態に浸れるようになれます。
アンカリングについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
↓
最高の状態を作り出す!誰でもできるNLPのアンカリングとは
3-5.リフレーミング
幸せの研究は、ただポジティブなものだけを見て、ネガティブなものを見ないようにしたり、フタをすることではありません。
人は生きていれば、挫折や失敗といった不遇な状況に出逢います。
その起こった不遇な状況にどのように対処するか、それが幸せの力の一つです。
そんな時に役に立つのがNLPのリフレーミングです。
「リ、フレーム」、つまり枠組みを変えるということです。
枠組み(フレーム)は、想像以上に私たちの認識に影響を与えます。
例えば、次の絵を見てください。
これは「魚」の絵ですが、次のように枠組みを変えると、
「追いかけている魚」の絵になります。
さらに枠を広げてみると、
今度は、「逃げている魚」の意味も現れてきます。
※参考文献 Encyclopedia of Systemic Neuro-Linguistic Programming and NLP New Coding By Robert Dilts and Judith DeLozier.
つまり、枠組み(フレーム)は、私たちの認識に影響を与え、ひいては感情や気分に影響を与えます。
これはライターである私が社会人一年目に経験した話ですが、当時の上司に貯金についてのアドバイスをもらいました。
上司:「今のうちに貯金を始めたほうがいいぞ。給料の2割はやったほうがいいな」
私:「それはキツイですね」
という会話でした。
そのあと少し間をおいて上司が次のようにアドバイスしてくれました。
上司:「じゃ給料の8割で生活を目指すとしたら、できそうか?」
私:「それならできそうです!」
今思うと「なんて単純な新人なんだ」と思います。
しかし、引いてみるとわかりますが、実はどちらも同じことです。
このように枠組み次第で「できない」と思い込んでいることも、「できそうなこと」に変化させることができます。
またあなたが病気で手術を受けなければならなかったとき、次のように医師に説明されたらどちらの手術に同意しますか?
- A:この手術は死亡率が10%の手術です
- B:この手術は生存率が90%の手術です
これも引いてみればわかりますが、どちらも同じ率の手術です。
もしあなたの担当医がAの説明をしたとき、おそらく不安でいっぱいになることでしょう。
逆にBの説明があれば、少し安心した状態になることも想像がつくと思います。
このようにフレームは、「不安」を「安心」という状態に誘うことができます。
物事は中立で、その物事にどう意味づけをするのか、それがその人の心理的枠組み、つまりフレームです。
リフレーミングは以下の図のようにこれまでお伝えしてきた「不安」や一見挫折した状態から、
あらたな選択肢に気づき、理想に向かって有効な意味付けが生まれる状態にしていくことを目的としたスキルです。
失敗や挫折を感じた時、まずはシンプルに以下のような質問を活用して、その状態をリフレーミングしていくことをおすすめします。
- このことから未来の幸せのために学べることは何か
- これが自分を幸せにするための機会だとしたら、どう意味づけしたら幸せに近づくか
- このことはより幸せになるための「何」を始めていく機会だろうか
- 近い未来の幸せな自分から見た時、今の自分にどんなアドバイスができるか
- 「ない」幸せではなく、「ある」幸せに目を向けたら、私はどんな幸せを手に入れているだろうか
以下の記事では、実際の場面でリフレーミングをどのように活用していくのか、事例を元にご紹介しています。
↓
リフレーミングで世界が変わる|効果、実践方法、事例を詳しく解説!
4.幸せは人それぞれである
人の数だけ幸せがあります。
その手掛かりになるのが、幸せの研究と呼ばれるポジティブ心理学のPERMAです。
「ポジティブ感情」「没頭できる何か」「人間関係」「人生の意義や意味」「習得や達成体験」です。
これらを築き、幸せな状態を手にいれるためには、意図的な行動と練習が必要です。
その具体的な方法としてヒントになるのが、NLPの「問いの力」「価値観のワーク」「アウトカムフレーム」「アンカリング」「リフレーミング」です。
これらの具体的な手法で、ぜひ「ないもの」ではなく「あるもの」に目を向け、自分の幸せを自ら築いていく視点を手に入れてください。
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