あなたは仕事や恋愛、そして人生のさまざまな場面で、「もっと自信がもてたらなぁ。。。」「ここぞという勇気があれば、もっといい成果が作れたのに。。。」と、
そんなことを思った経験はありませんか?
そういった状況で、瞬時に自信や勇気をもって、前に進めるスキルがあります。
実践心理学、そして脳の取扱説明書と呼ばれるNLP(神経言語プログラミング)のアンカリングというスキルです。
このアンカリングを実践することによって、仕事や恋愛はもちろん、先述した場面や下記のような人生のさまざまな場面で活用できます。
- 失敗への恐れや不安を解消したい時
- 集中力が必要な時
- ストレスや緊張状態を緩和したい時
- パワフルなやる気や自信が必要な時
- 物事への冷静で柔軟な対処が必要な時 など
もし、あなたが仕事や人間関係をはじめとした人生のさまざま場面で、より高いパフォーマンスを発揮したければ、今回の一流のアスリートたちも実践するアンカリングの記事は役立ちます。
そもそもアンカリングとは何か、そしてその具体的な方法、さらに応用例についてお伝えしていますので、あなたに合ったやり方をみつけ、すぐに活用してください。
著者:足達 大和 全米NLP協会公認・NLPマスタートレーナー |
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当メディアサイトの運営元である「NLP-JAPAN ラーニング・センター」の専属トレーナー。5,600回以上という圧倒的な回数の研修実績を持つ。 NLP-JAPANラーニング・センターとは、日本最大手の「NLP総合スクール」で、NLP業界の世界5大組織と連携。日本で唯一、NLPの基礎から大学院レベルまでの学びを提供している日本最高峰のNLPトレーニング機関。 |
目次
1.アンカリングとは
この章ではアンカリングとは何か、そしてアンカリングの仕組みである「条件付け」についてご説明します。
1-1.アンカリングとは
アンカリングとは、
どんな状況においてもベストな状態を生み出すことができる心理学NLPのスキルの一つです。
アンカリングの「アンカー」とは、どんな波が来てもその場に船を定着させる、船の錨(いかり)のことで、望ましい状態を自分に定着させることで、どんなときでもその状態になれるというところからアンカリングと名づけられました。
スポーツ選手が、より高いパフォーマンスを発揮しやすい「心身の状態」にしていくために用いるポーズやルーティン(一連の動作)などもアンカリングの一つだと言われています。
最もわかりやすい例でお伝えすると、イチローがバッターボックスでとる、あのポーズです。
いくつかの動作を行って、このポーズに整えていくことで、どんな投球にも対応できる心身の状態をつくっています。
この他にも、動作そのものが集中力を高める、当時話題をよんだラグビー五郎丸選手のルーティンもその一つです。
以上のように、どのような状況でも高いパフォーマンスを発揮する「心身の状態」をつくるスキルがアンカリングです。
1-2.アンカリング=条件付け
なぜアンカリングを行うと、どのようなときでもベストな状態を生み出すことができるのでしょうか。
それは、アンカリングの仕組み「条件付け」を説明することで明らかになります。
「条件付け」とは、「刺激」と「反応」がリンクすることで、特定の「刺激」を与えたときに特定の「反応」が起きるようになる学習機能の一つです。
この「条件付け」について最も有名なのが、「パブロフの犬」の話です。
「パブロフの犬」とは、犬に餌をあげるときにベルを鳴らす、という行為を繰り返すことで、ベルを鳴らしただけで、犬がよだれを出すようになるという、条件反射の現象を明らかにした実験のことです。
つまり、こういうことです。
ベルという「刺激」に対して、ヨダレという「反応」がリンクされたことになります。
これは犬だけの話ではなく、私たち人間も同様に「刺激」と「反応」がリンクしています。
例えば、
- お店で「蛍の光」が聞こえてくると、「閉店だ、帰らなきゃ。急がなきゃ」という感覚になる
- 街中で昔懐かしいドラマの主題歌が聞こえると、当時のことを思い出す
- 卒業アルバムで好きだった初恋の人の写真をみつけて、恋の感覚が呼び起こされる
- サザエさんの曲を聞くと、休みが終わる感覚、明日から会社、嫌だなぁという感覚が出てくる
これらは一部ですが、X⇒Y(刺激Xが起きると、Yという反応が起こる)という形で表現できます。以下の図を参考にしてください。
そしてこれらの条件付けは、無意識に形成されることがほとんどです。
しかしNLPのアンカリングでは、この条件付け[X⇒Y]を意図的に形成し、その状況によって、適切な心身の状態をつくることを目的としています。
だからこそ、どんな状況においてもベストな状態を生み出すことができるようになるのです。
また、「心身の状態」とは、単なる気分や感情といったものではなく、文字通り身体的な状態も含みます。NLPではこれを【ステート】と呼んでいます。
先にご紹介したイチローを想像するとわかりますが、パフォーマンスを発揮しようとするとき、競技に集中している状態や投球に反応できる状態は、感情そのものではありません。
「心身の状態」そのものを【ステート】と呼ぶのです。
1-3.アンカリングの効果
アンカリングを活用することによって、以下のような具体的な効果を手に入れることができます。
- プレゼンの時の緊張状態を緩和し、やる気にあふれるステートをつくる
- 会議で発言を求められた時の不安を解消し、自信をもって意見を言えるステートがつくれる
- 打ち合わせの時にカッとなる怒りをゆるめ、遊び心のような柔軟なステートをつくる
- ミスをした時に、笑いの感覚を呼び起こし、気持ちを切り替えて仕事に励むステートにする
- 告白、プロポーズなど、勇気が必要な場面で、瞬時に勇気をだせるステートをその場で生み出す
- 資格試験などの勉強がはかどらない時、集中して取り組める状態に変える
- 満員電車などのイライラ時に、リラックスした余裕のある状態をつくる
- どんなことがあっても「必ず達成する」という決意のステートを生み出すことができる
- ただシンプルに「感謝」や「愛されている」というぬくもりや温かさを感じたい時に
次の章では、あなた自身に望ましいステートをアンカリングする具体的な手順をお伝えします。
2.アンカリング形成の基本的な手順
手順に入る前に決めておくべきことがあります。
それは、
どんな刺激(X)で、どんなステート(Y)をリンクさせたいか。
ということです。
では手順です。
今回は「右手をあげて拳をつくるポーズ」という「X」と、「やる気」のステート「Y」の例をつかって、手順をお伝えしていきます。
3章にはその効果的なポイントをご紹介していますので、最低でもそこまでは読み終えてから、実践してください。
※読みながら実践しないでください。
まずは手順の全体の流れを確認してください。
手順
- つくりたいステートを選びます。
例:やる気 - 過去にとても「やる気」になったときのことを見つけます。
例:学生時代の部活動の試合前や発表前。
採用された会社の初出社日、昇格した初日。
恋人や家族、大切な人に「頑張ってね!」「期待しています!」など、言われた時。 - その時のことを思い出し、当時の自分のなかに入り、見ていた光景や聞いていた音(誰かの声や自分の声など)、体の感覚を感じていきます。
深く感じられる状態に入ったら、そのポーズをとります。 - ピークを超えて、ステートが落ち始めたら、すぐにそのポーズを解きます。
- 軽く体をゆすって、そこで感じている「やる気」のステートを解放します。
- 2から4を数回繰り返し、ポーズをとったら、そのやる気の感覚が湧き起こってくるかをチェックします。
- 実際にそのポーズをとって、やる気が湧き起こってくるようなら、アンカリングの完成です。
3.アンカリングを成功させるための6つのポイント
ここではアンカリングを成功させるために効果的なポイントについて6つお伝えします。
3-1.そのステートにふさわしい、できるだけ明確で、パワフルな体験を活用する
ある出来事を思い出すときは、可能な限り、純粋なステートになる出来事を選びます。
例えば、初めて恋人ができたときのことを思い出そうとする際に、喜びだけではなく、別れた寂しさを思い出すのであれば、その出来事は外してください。
また、パワフルな体験が必要です。パワフルとは、強烈で、印象の強い出来事を意味します。
3-2.自分の視点で思い出す
自分の視点で、その出来事を再現し、深く体験することです。
当時の状態を思い出すときには、あなたの視点で思い出します。
例えば、「崖からの景色」を思い出す場合、自分の姿が映っている下記のような映像ではありません。
自分の視点だと、完全に主観の状態となるので、下記のような映像になります。
あなたの視点で、あなたが見ていたもの、聞いていたもの、感じていた体の感覚を思い出す、ということが重要です。
あたかもそこにいて、その時を体験しているように臨場感が出てくるまで、体の姿勢やその時の呼吸、動作を実際にとっても大丈夫です。
その時の特有の匂いなどがあれば、五感をフルに活用してその出来事にひたります。
3-3.刺激の独自性(ユニークさ)
刺激とは、先のスポーツの例でいえば、「ポーズ」のことです。
イチロー選手や五郎丸選手のポーズは、特徴的で、独自性に優れているので、アンカリングに向いているポーズと言えます。
日常でよくやっているポーズではなく、呼び起こしたいステートがしっかり出てくるように独自のポーズを使います。
例えば、片方の手で、片方の手首を握る
指を別の手で握る
この他にも、「耳たぶを引っ張る」や「小指の爪の両端をつまむ」など。
このように独自のポーズ(刺激)を活用します。
ポーズ(刺激)はどのようなものでも大丈夫ですが、大切なことは、独特のポーズ(刺激)であることです。よくやるポーズ(刺激)では、特定の反応とリンクしません。
3-4.タイミング
その時を思い出し、感情や気分といったものが高まり始めたら、ポーズを始めます。
そして、ここが重要なポイントですが、思い出し始めてから、ステートはずっと上がりっぱなしではありません。
ピークを過ぎたなと思ったら、すぐにそのポーズを解いてください。
※図のように【落ち始めるピーク直前】と思ったらすぐにポーズを解きます。
落ちているところで、そのポーズをとったままでいると、アンカリングを発火するときに、落ちている状態から湧き起こってきます。
ですので、ピーク時のタイミングを見計らってアンカリングを完成させてください。
3-5.健康状態を整えて実践する
アンカリングは、生理的反応を利用していきますので、健康状態を整えてから始めてください。
風邪気味であったり、睡眠不足の状態で、アンカリングの設定を行ってもうまくリンクできません。
3-6.繰り返す
反復は力です。
アンカリングはたった一回で効果を発揮することは少なく、何度も何度も繰り返すことによって、強化されます。
4.「刺激」の応用例
これまでご紹介してきたのは、「手首を握る」「指を握る」という身体的な刺激を与えて「やる気」という反応をつくる例でしたが、ここでは身体的なアプローチ以外にも刺激はあります。
身の回りにある「ツール」やパブロフの犬のように「音情報」の2つの分野でつくることができます。
4-1.ツールによる刺激
例としては、写真、旅先で拾った貝殻や石など、その時の思い出になるものです。
家族の写真でしたら、「幸せ」「感謝」、家族のためにといった「決意」などをアンカリングするツールになります。
貝殻の写真や実物で、「自由」や「リラックス」したステートをアンカリングしたり、楽しかった旅行にもう一度いくといった「決意」をアンカリングすることができます。
こういった石であれば、フォルムも含めて「平安」や「やすらぎ」といったステートのアンカリングに活用できます。
4-2.音情報による刺激
例としては、お気に入りの音楽や歌、誰かの声、自分の声などです。
ある曲を聞くとやる気が出てくる、前向きになれる、青春時代を思い出すというような経験があるかと思います。
このように、曲を含む音情報は「刺激」として、望ましいステートをつくるのに効果的なのです。
例としては下記のようなものが挙げられます。
●音楽を聞いてコンディション(ステート)を整える
フィギュアスケートの羽生結弦選手が試合前に音楽を聴いて、気持ちを高める姿をご存知の方も多いかと思います。
●家族や恋人といった、大切な誰かの音声メッセージ(または動画メッセージ)
これらの音情報の「刺激」を使って、望む「ステート」とリンクさせていきます。
今回の記事は、基本的なアンカリングについての内容ですが、これらを活用することで、私たちの仕事や人生の様々な場面で望ましいステートを生み出していくことができます。
※以下は今回のNLPの基本的なアンカリングを土台として生み出された、応用アンカリングの種類です。参考までにご紹介しておきます。
- ポジティブないくつかのステートを積み重ねていく【スタッキング・アンカー】
- ネガティブな状態を破壊し、フラットな状態にしていく【コラプシング・アンカー】
- ポジティブなステートのパワーを増していく【スライディング・アンカー】
- 場と映像を活用した【サークル・オブ・エクセレンス】
- ネガティブな状態とポジティブな状態がかけ離れているときに活用する【チェイニング・アンカー】
5.まとめ
アンカリングは、私たちが本来もっている「条件付け」を意図的に活用するスキルです。
まず、どんな時にどんなステートがほしいのか、そのステートを特定します。そのステートの体験を過去や未来で探し、その状態に十分にひたります。そこで特有のユニークな刺激でリンクさせてください。
何度も練習することで、いつでも必要な時に欲しいステートを呼び起こすことができます。
当メディアサイトを運営するNLP-JAPANラーニング・センターでは、アンカリングをはじめとし、心理学NLPの学びを提供する講座運営も行っております。
今回お伝えしたアンカリングは、「どんな状況においてもベストな状態を生み出すことができるようにする」スキルでしたが、心理学NLPには、
- セルフイメージの向上
- 目標達成能力を高める
- 心理的マイナス面の解消
- 思考や行動パターンを理解し、変化させる
- より良好な対人関係を実現できるコミュニケーションスキル
というような人生全般に役立つスキルが多数存在します。
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