NLP上級:価値観変化の方法
これまでに価値観の形成について説明してきましたが、
ご自分の価値観を振り返ってみて、
現在の自分にとって望ましくない価値観があるかもしれません。
では、望ましくない価値観をどのようにして変化させればよいのでしょうか。
NLPでは、下記のような方法を提案しています。
1. 効果的な質問
価値観の中には、自分自身の中で凝り固まってしまい、盲点が生まれている事があります。
その為に、ある価値観を盲信的に信じているケースがあります。
例えば「自分が無能である」と感じているクライアントがいるとします。
そのような場合、以下のような質問が効果的でしょう。
クライアント: | 「自分が無能だと感じてしまうのです」 |
セラピスト : | 「誰かにそのように言われたのですか?」 |
クライアント: | 「誰かに言われた訳ではないと思うのですが。。。」 |
セラピスト : | 「それでは、その事を感じているのは自分自身の心のようですね。」 |
「あなたが無能だという事実は見当たらないですよ」 |
この例は、簡易ではありますが、このような質問を繰り返す事によって、
クライアントの価値観を変化させることができます。
2.ビジュアル・スカッシュ
ビジュアル・スカッシュとは、
クライアントの中に、
価値観の葛藤が起こった時に葛藤を起こしている2つの思いをパートとして取り出し、
それらを統合することで、葛藤を解消する方法です。
以下が、その方法です。
- 葛藤をしている2つのパートを選び出し、そのパートをクライアントの手のひらに乗せます。
そして、それがどのようなイメージなのかをたずねます。(重さ、温かさ、色、質感など) - そして、その2つパートのそれぞれの意図を確認します。
「どのような事を教えようとしていますか?」などと、パートに質問をする事が効果的です。
なんども質問を繰り返すことで、それぞれの肯定的意図を探ります。
すると、相反するように見えていたそれぞれのパートが、
実は同じ意図を持っていた事を知る事ができます。 - それぞれのパートにお互いの良いところを聞いてみます。
そして、達成を得る為には、
それぞれのどのようなリソースを利用する事が好ましいかを会話させます。
2つのパートに葛藤する事がお互いにとって、不利益であることを理解させるのです。 - 最後に、それぞれのパートを合わせて、統合を行います。
実際に手のひらを合わせ、2つのイメージが融合していく様をイメージします。
そして、イメージを統合した後に、どのようなイメージが完成されるかを言語化します。 - 最後に、統合によって生まれたイメージを体の中に戻すような感じで、
胸に手をあてイメージが体中をめぐっていく様をイメージします。
3.サブモダリティーの変化
人は、物事を記憶する時に、
サブモダリティーでもって特定のイメージの傾向を持って、記憶します。
例えば、楽しい記憶は明るく、悲しい記憶は暗くなります。
そのため、もし悲しい記憶を変化させたいのであれば、記憶のサブモダリティーを明るく変化させればいいのです。
サブモダリティーは、大きく分けて3つに分ける事ができます。
・視覚的サブモダリティー | 明るさと暗さ、モノクロとカラー、 大きさと小ささ |
・聴覚的サブモダリティー | 音の大きさ、聞こえてくる方向 |
・身体感覚的サブモダリティー | 重さと軽さ、やわらかさや硬さ、暖かさと冷たさ |
自分のポジティブな記憶のサブモダリティーとネガティブな記憶のサブモダリティーを知ることで、
記憶のイメージを自由に変化させることができます。
4.価値基準の確認
価値基準とは、
自分が価値をおいている数々の項目の重要度を確認し、それらの順番を確認することです。
例えば、人生に対する価値基準を調べるとき、
まず最初に「人生において大切なことは何ですか」という質問をします。
そして、「友人」「家族」「達成」「仕事」「お金」というキーワードが出てきたとしましょう。
クライアントに以下の質問を繰り返します。
セラピスト : | 「友人と家族はどちらが大切ですか?」 |
クライアント: | 「家族です」 |
セラピスト : | 「家族と仕事はどちらが大切ですか?」 |
クライアント: | 「家族です」 |
このように、リストにあげられた価値基準を順番に聞いていき、順位づけをします。
そして、決定された価値基準を順番に読み上げ、クライアントに違和感がないか確認します。
価値基準の確認を行うことにより、
自分がどの価値観を一番大切にしているかを知ることができます。
しかし、自分の価値基準の順番は常に一定というわけではなく、
年齢や環境によって変化します。
価値基準の確認を行うと、NLPのワークやセッションを通じて、
自分の価値観がどのように変化したかを知ることができます。