ビリーフ
ビリーフ(belief)とは信念、信条、信仰、確信、信じることを意味する言葉です。
つまり、客観的な事実ではなく、自分が信じていることです。
心理学では特に、「信念」、「思い込み」として使われています。
ビリーフ形成
ビリーフは、体験したことを「こういうことだ」と
自分で意味づけして思い込むことで、形成されていきます。
ビリーフ形成には、以下のように様々なものが影響を与えます。
国、地域、社会、家系、両親、先生、友人、童話、アニメ、歌など。
形成される時期としては、幼少期はもちろん、
アイデンティティが構成される10代から20歳頃にも形成され続けます。
大人になってからもビリーフは増えていきますが、
根底にある幼少期の影響は続いています。
ビリーフが形成される例を、具体的にご紹介しましょう。
体験:
5歳のとき、貯金箱のお金を使ってチョコレートを買ったら、親に怒られた。
この体験を以下①や②のように、
「こういうことだ」と意味づけすることで、ビリーフは形成されます。
↓ ↓ ↓
ビリーフ①:
お金は食べたいものを手に入れられるものだ
もし、親から軽く怒られただけで、
日頃から親が「お金があれば好きなものを買えるよね」と言っていたとすると、
このようなビリーフが作られることがあります。
そして、①の「お金は食べたいものを手に入れられるものだ」と決め込んだ場合、
「お金は楽しみをくれるもの」となり、お金はあなたの希望を叶える一つのツールとなります。
ビリーフ②:
お金を自由に使うと怒られる
もし、親から厳しく怒られて、日頃から親が「お金はちゃんと貯めておこうね」と言っていたとすると、このようなビリーフが作られることがあります。
②の「お金を自由に使うと怒られる」と決め込んだ場合、お金を使うことに恐れを感じるなどして、
「お金は恐いもの」となり、お金があっても何故か使うことが苦手になる可能性があります。
このように同じ事実だったとしても、怒られ方や、
日頃の親の口癖などの影響を受けて、子どもの思考で①や②のように、何かを決め込みます。
これがビリーフとなっていきます。
特にビリーフは、幼少期の体験から無意識に形成されている場合も多く、
これらはインプリント(刷り込み)とも呼ばれています。
刷り込みは潜在意識に記憶され、その後の人生にずっと影響を及ぼしていきます。
ビリーフの種類
ビリーフが形成される例として2つのパターンをご紹介しました。
ビリーフは、あくまでも「出来事に意味付けをした結果、
形成された思い込み」に過ぎませんので、ビリーフそのものに良し悪しはありません。
そして、たくさんのビリーフがある中で、私たちの人生に影響があるビリーフは、
大きく分けると以下2つの種類があると言えるでしょう。
自分に制限をかけて、大きな失敗を防ぐようなもの
自分の力づけとなり、行動を促すようなもの
一つは守りのビリーフとも言えるもので、自分が大きな失敗をしたり、
危険な目に遭わないようにする思い込みです。自分の行動を制限する働きがあります。
もう一つは、攻めのビリーフとも言えるもので、自分が行動を起こす際に、
チャレンジしやすくなるような思い込みです。自分の可能性を広げてくれる働きがあります。
ビリーフの作用
ビリーフが作用することによって、同じ出来事であっても、違う反応を示すようになります。
それは、客観的な事実に対して、それぞれのビリーフが意味付けを行うように作用するからです。
以下のように、同じ言葉を聞いた時の、AさんとBさんの違いを見てみましょう。
「部長が〇〇さんのこと呼んでたよ。3時にデスクに行ってね。」
Aさんのケース
「きっと昨日のプレゼンのことで叱られるんだ」
Aさんは、「自分は人よりできない」と思い込んでいるため、
呼び出されたら怒られる、という思考が働いてしまいます。
Bさんのケース
「やっぱり自分は目をかけられているんだ」
Bさんは、「自分はやればできる」と思い込んでいるため、
呼び出されたことを良いこととして意味づけするような思考が働きます。
一見、Aさんのビリーフは悪いビリーフのようですが、Aさんのようなビリーフがあると、人より頑張ろうと思えたり、他者からのフィードバックを素直に聞き、大きな失敗をしないなど良い点もあります。
そして、Bさんのようなビリーフがあると、新しいことにも果敢にチャレンジしたり、自分はできると信じてポジティブな反応を返すなど良い点があります。
どのようなビリーフであっても、自分を何らかの形でサポートしてくれますが、もしAさんのように制限的なビリーフに気づき、「もっと積極的になりたい」、「もっと自信を持ちたい」と思われる場合は、ビリーフを変えていくことも一案です。
ビリーフチェンジ
ビリーフは自分で作り出しているため、自分で変えていくことも可能です。
そして、「自分は人よりできない」のように、セルフイメージに関連するようなビリーフが形成される際は、ネガティブな体験が関係していることが多々あります。
そのため、ビリーフチェンジに取り組む際に、心の傷やトラウマ的な体験を思い出してしまうこともあるため、専門家がいる場所で取り組むことで、安心してビリーフチェンジを行うことができます。
また「自分は人よりできない」のように、シンプルなビリーフの場合は特に、幼少期に作られているケースが多いため潜在意識に隠れていて、簡単には見つけ出すことができないことが多いものです。
心理学NLPには、ビリーフチェンジのプログラムがあり、手順通りに行うことで、
確実にビリーフを変えていくことができます。
結果的に、出来事に対する自分の思考や反応が違うものとなり、
人生に好ましい変化が生じていきます。
そして、ビリーフチェンジで大切にしたいことは、
どんなビリーフであっても、全て自分のために存在していることを忘れないことです。
「自分は人よりできない」というビリーフは、決してよいものとは思えないでしょう。
ですが、それを思い込んだタイミングには、自分に必要な思い込みだったのです。
もしかすると大きな失敗をして恥ずかしい目にあって、「人よりできない」ことを自分にとっての真実にすることで、壊れそうな自分の心を守っていたのかもしれません。
大失敗をして、「できるはずなのに、できない」と思っていると、ずっと苦しい思いが続いてしまうと思いませんか?「人よりできない」と思って諦めることは、その時点の自分には大事な思い込みなのです。
そして、成長過程で徐々にできることが増え、「人よりできない」というビリーフは不要となっていることも多々あります。幼少期には必要であっても、成長するにつれて不要となったビリーフを持ち続けている人がほとんどと言っても過言ではないでしょう。
過去に何があってどんなビリーフを作ったのかは、いくつかの専門的な質問を使うことで探求することができます。
ビリーフチェンジについて、詳しくはNLPマネークリニックで扱っています。
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