自己重要感とは、
自分は重要な存在であるという感覚で、
「自分の内面がどれだけ満たされているか」
を決めています。
心のコップに例えると
わかりやすいかもしれません。
心のコップが満たされていないと、
自分のことが認められず
自信が持てなかったり、
不安や苛立ちなどのネガティブな感情を
抱きやすかったりと、
心のバランスを崩しがちです。
一方で、心のコップが満たされていると、
自分に自信を持つことができ、
前向きな姿勢になり、物事を
ポジティブに捉えられるようになります。
この後、『自己重要感』について、
実践心理学NLPの観点を交え、
自己重要感が下がる原因や、
自己重要感を高める方法などをお伝えしていきます。
※実践心理学NLP
NLPとはNeuro Linguistic Programming (神経言語プログラミング)の頭文字をとったものです。
『脳と心の取扱説明書』とも呼ばれ、仕事や人間関係など、人生で起こる問題を解決し、望んでいる結果を手に入れるための実践的な心理学や脳科学をベースにしたスキルや考え方です。
目次
1.自己重要感とは
自己重要感とは、「自分は重要な存在であるという感覚」、「自分は価値のある存在であるという感覚」です。
自己重要感は、自分の幸福感や他者との人間関係に大きな影響を与えます。
そして、自己重要感を高めるには「自己肯定感」と「他者からの承認」の両方が必要です。
私たちは、環境や、行動や振る舞い、能力や才能、大切にしている価値観、自分はどういう人間なのかという感覚など、様々なことに影響を受けながら生きています。
周りからどれだけ認められていても、自分で自分のことを受け入れることができなければ、永続的な幸福感を得ることは難しいかもしれません。
また、どれだけ自分のことが大好きで肯定できていても、周りから認められているという感覚がなければ、孤独を感じながら生きていくことになるかもしれません。
周りの人たちとも良好な人間関係を築きながら、自分の幸福感も高めるために欠かせない自己重要感とはどのようなものなのでしょうか。
1-1.自己重要感の構成要素
自己重要感=自己肯定感+他者からの承認
1つ目の構成要素である自己肯定感には、下記のような3つの特徴があります。
- 自己肯定感が高いと「ありのままの自分で大丈夫」と思える
- 自己肯定感が低いと、ほめられても素直に受け入れられない
- セルフイメージに深く関係している
自己肯定感が高ければ、自分の良いところも悪いところも含めて、「ありのままの自分で大丈夫」という、自分の存在を肯定する感覚を持つことができます。
自己肯定感が低いと、どれだけ優れた結果を出し、社会に評価されて称賛されても、その言葉を素直に受け入れることができません。
自己肯定感は、物事への思い込みやセルフイメージと深く関わっています。
2つ目の構成要素である他者からの承認には、下記のような3つの特徴があります。
- 自分の価値を感じる要因となり得る
- 人間の欲求として当然あるもの
- 承認してくれる人に好意を抱く
他者から肯定的な評価や待遇を受けることで、自分を価値ある存在と感じられます。
社会の中で人と関わって上手に生きていくための人間としての本能であり、承認欲求があるのは当然のことです。
自分の承認欲求を満たしてくれる人に対して、人は好意を抱きやすいものです。
このように、自己重要感の構成要素である「自己肯定感+他者からの承認」には、それぞれ特徴があり、密接に関係しているのです。
【コラム:バランスが大切!】 自己肯定感と他者からの承認は、自己重要感を高めるうえでどちらも重要ですが、どちらか一方だけが高くなりすぎるのは危険です。 これらふたつのバランスが悪い場合、次のような障害が出てくる可能性があります。 【自己肯定感が高く、他人からの承認欲求が低い場合】
【自己肯定感が低く、他人からの承認欲求が高い場合】
つまり、自己肯定感だけが高いと、他人を尊重する姿勢に欠けてしまう可能性があり、他人からの承認欲求が高すぎると、人の評価や機嫌によって自分の人生が左右されかねません。 だからこそ、適度なバランスを取ることがとても重要になってきます。 |
1-2.自己重要感に影響を与えるもの
自己重要感に大きな影響を与えるものは2つあり、自分の持っている「ビリーフ」と、自分に対して抱いている「セルフイメージ」です。
これらは、自己肯定感と、自分が他者からの承認をどのように受け取るかに影響しています。
1つ目のビリーフとは、自分が真実だと信じている信念や思い込みのことです。
これらのビリーフ(信念や思い込み)の中には、自分が望むものを手に入れることを阻んでいるものがあります。
例 |
|
特徴 | 「真実である」と思い込んでいるため、自分ではなかなか気づくことができない |
2つ目のセルフイメージとは、「自分はこういう人間である」という、自分が自分に対して抱いているイメージのことです。
セルフイメージにも、自分を制限してしまうようなものがあります。
例 |
|
特徴 | 意識的にも無意識でも、私たちは自分のセルフイメージと一致するような行動や選択をしていく |
そして、私たちを制限してしまうビリーフやセルフイメージは、自己重要感の構成要素である「自己肯定感と他者からの承認」に大きな影響を及ぼす可能性があるのです。
(例)
【ビジネスの場面】
- ビリーフ
- セルフイメージ
「自分の力だけで成功しなければ本物の成功とは呼べない」
「自分は賢くない」
このようなビリーフとセルフイメージを持っている場合、、、
他人からの援助やサポートを受ける度に「自分一人でできないということは、やはり自分には能力が足りないということだ」と思ってしまい、自己肯定感がどんどん下がります。
そのため、そのビジネスで成功し、周りからどれだけ称賛されたとしても、達成感や満足感を十分に味わえなくなる可能性があります。
そして、これを繰り返すことで自己肯定感が低くなると同時に、他者からの承認を素直に受け入れることができなくなります。
結果的に、自己重要感を感じられないという悪循環が起こるのです。
【恋愛の場面】
- ビリーフ
- セルフイメージ
「若くてかわいい子/イケメンでお金持ちが選ばれる」
「自分はかわいくない/不細工で貧乏」
このようなビリーフとセルフイメージを持っている場合、、、
自己肯定感が低くなることは容易に想像できると思います。
そして、素敵な人にアプローチされても、「相手にとって自分は相応しくない」などの感情や、「からかわれているのではないか?」と相手を疑う気持ちなどを抱いてしまう可能性があります。
その結果、他者からの承認に値する「相手の好意」を素直に受け取れなかったり、喜べなかったり、引け目を感じてしまい、自分から素敵なパートナーを遠ざけることになってしまうかもしれません。
ビリーフやセルフイメージは、子どもの頃に繰り返し言われたことや、これまでの人生の経験や体験、他者を見て学んだことから自分の中で築き上げてきたものです。
つまり、自分がこれまでの人生で身につけてきた固定観念や先入観とも呼ぶことができ、あなたを含め、すべての人にとって「常に真実とは限らない」ということを覚えておいてください。
もしも、自分の持つビリーフやセルフイメージが、何かの妨げになっているかもしれないと心当たりがある方は、人生のどこかの時点で、内面の改善に取り組まれると良いかもしれません。
【コラム:メジャーリーガー大谷翔平選手】 若くして大リーグで大活躍している大谷翔平選手。 彼が飛躍し続けている秘訣は何なのでしょうか。 ここで、大谷選手に影響を与えたとされる、花巻東高校の佐々木洋監督の言葉をご紹介します。 「先入観は可能を不可能にする」 『これはきっと~だろう、~に違いない』という先入観(ビリーフ)を持たないことで、全てが可能と考える。 生徒の可能性を無限大に広げさせてくれる素敵な言葉ですね。 この考え方が、自分が望んでいる結果を後押ししてくれるセルフイメージやビリーフを持つことに繋がり、大谷選手が若くして結果を出している理由の一つなのだと思います。 みなさんも、これまで自分の中で当たり前と思っていたことに対し、「それは本当に真実なのか?」「誰にとっても真実なのか?」「今の私にとっても真実なのか?」という問いかけをすることで、自分を制限しているようなビリーフやセルフイメージに気づくことでしょう。 |
2.幸福感を高める『鍵』となる自分の自己重要感
人生で何らかの変化を起こしたい時、自己重要感は幸福感を高める選択をする上で、重要な鍵となります。
環境を変えてみたり、行動を変えてみたり、新しい資格を取ってみたりと、人生をより良くしようと試みる際、自分の自己重要感の程度によって、同じ出来事に対する解釈の仕方が変わってくるからです。
そして、この解釈の仕方が、その後の行動や選択肢にも影響を及ぼします。
それならば、自己重要感が高い方が、人生をより楽しく幸せに歩んでいけるということに気づいた方も多いのではないでしょうか?具体的な事例を見ていきましょう。
2-1.自分の自己重要感を高める重要性
これまでご紹介しました特徴や事例から、自己重要感が高い人の方が、物事を自分にとってより肯定的に解釈することができて、人生の幸福感を感じやすいということは想像しやすいと思います。
同じ出来事に対して、自己重要感が高い人と低い人の反応にはどのような違いがあるのか、そしてその反応の違いが、その後どのような可能性に導いていくのか、いくつかの例を紹介します。
例①:リストラにあったとき
(※AさんとBさんの会社での評価は同じくらいです)
自己重要感の低いAさん
- 「仕事が出来ないからクビになったんだ」
- 「こんな自分じゃどこも雇ってもらえない」
- 「私なんて仕事を選ぶ立場にない」
- 「とにかく働き口を探さないと。
相手の出した条件が私の価値なんだから仕方ない。」 - 以前より悪い雇用条件を受け入れ、やりたくない仕事を我慢してやる
↓
↓
↓
自己重要感の高いBさん
- 「不景気で会社も大変なんだな。」
- 「もっと自分の能力を活かせる仕事に就く良いチャンスだ。」
- 「せっかくなら、やってみたかった仕事に挑戦してみよう。」
- 「自分は価値のあるものを提供できるから、
良い給与をもらうのが当たり前。」 - 興味のある仕事を、自分が納得できる条件で始める
↓
↓
↓
例②:仕事で大きなチャンスが来たとき
(※AさんとBさんの会社での評価は同じくらいです)
自己重要感の低いAさん
- 「どうしよう・・・私には無理・・・
私なんて相応しくない・・・
きっと周りの人も迷惑に思うだろう・・・」 - チャンスを断る
- 成長しない
- チャンスをもらえる機会が減っていく
↓
↓
↓
自己重要感の高いBさん
- 「やったー!これまで努力してきて良かった!
周りの人たちも認めてくれているということだ。
私こそ、このポジションに相応しい。」 - チャンスを受け取る
- 経験や実績を積み、さらに実力がつく
- さらにチャンスが舞い込む
↓
↓
↓
上記の例で示したように、たとえ実力や会社での評価が同じだったとしても、本人の自己重要感の感じ方によって、出来事に対する反応や、その後の選択や行動が異なるものです。
自己重要感が高い方が、物事を自分にとってプラスに捉えることができ、人生の幸福度を高めてくれます。
自己重要感が高いことのメリット、低いことのデメリットには次のようなこともあります。
自己重要感が高いメリット |
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自己重要感が低いデメリット |
|
このように、自分の自己重要感は人生の幸福感に影響を与えるため、自己重要感を高める大切さに気づいていただけたことでしょう。
2-2.自己重要感チェックリスト
ここまでくると、自分はどれくらい自己重要感を感じているのか気になっている人も多いのではないでしょうか?
次の簡単なチェックリストを使って、現時点での自己重要感を確認してみましょう。
自分の長所を5つ以上思いつかない |
失敗した時に「自分はダメなやつ」と責め、失敗する自分を受け入れられない |
できたことよりも、できなかったことを探してしまう |
何かネガティブな出来事が起きた時、自分が悪いと真っ先に思ってしまう |
人から褒められた時に素直に喜べない |
人は人、自分は自分と割り切れない |
SNSの「いいね」の数やコメントに感情を左右される |
チャンスが訪れた時、怖くてなかなか挑戦できない |
「どうせ私/僕なんて...」という発言をよくしている |
周りの人から大切に扱われていると感じない |
会社から正当な評価を得ていないと感じている |
自分のことなんて誰も気にしていないと感じている |
自分は他人や社会に貢献できていないと感じている |
感謝できることがぱっと5つ以上思い浮かばない |
素直に他人を認めることができない |
いかがでしょうか?
いくつチェックがつきましたか?
チェックがついた数が多ければ多いほど、自己重要感が低いということになりますので、次でご紹介する、自己重要感を高める方法へ進みましょう。
コラム:自己重要感が満たされなくなる原因7選!
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2-3.自分の自己重要感を高める方法
現時点で自己重要感が低かったという方、大丈夫です!
なぜなら、自己重要感は自分で高めていくことができるからです。
ここでは、脳の構造を利用した2つの簡単で具体的な方法をご紹介します。
脳の構造上、私たちは自分が意識的、または無意識のうちに焦点を当てているものを現実世界で見つけやすくなっています。
ですから、ネガティブなものばかりに焦点を当てていると、ネガティブなものに気づきやすくなり、ポジティブなものに焦点を当てていると、ポジティブなものに気づきやすくなるというわけです。
次の2つの方法は、このような脳の構造を利用して自己重要感を高めるサポートをしてくれます。
- 1つ目
【自分の良いところノートを作る】
思いつく限り、ノートに書き出してみましょう。 |
このノートは他の人に見せるわけではないので、遠慮せずに何でも書き出してみてください。
ここで覚えておいてほしいことが3つあります。
- 世間の基準を気にする必要はない
- 他の誰かと比べる必要はない
- どんな些細なことでも構わない
他人にとってはどうか、他人がどう感じるかは全く関係ありません。
重要なのは、自分がどう感じているかです。
多ければ多いほど自己重要感を高めるのに役立ちますが、何個以上書いたから良いという明確な基準はありません。
そして、良いところがあるのに、自分ではただ気づいていないだけというケースも多いのです。
1つでも2つでも増やしていけるように、【自分の良いところノート】を日々更新していきましょう。
- 2つ目
【感謝しているものをリストアップする】
思いつく限り、リストに書き出してみましょう。 |
ここで覚えておいてほしいことはこちらです。
『どんなに些細に感じることでも含める』
些細に感じることの中には、私たちが日頃「当たり前に得られるもの・できること」として捉え、感謝の対象にしていないことが沢山あるかもしれません。
例えば、安全な寝床があること、ご飯を食べられることなどは、大災害が起きたり、病気になったりしたら、「当たり前に得られるもの・できること」ではなくなってしまうかもしれません。
自分のこれまでの人生や今の生活を振り返り、感謝できることをすべて書き出してみましょう。
この方法も、定期的に行い感謝リストを更新していくことをお勧めします。
上記で紹介した2つの方法は、今「ある」ものに私たちの意識を向けてくれます。
「ない」ものに意識を向けると、脳は「ない」ものを探し、見つけ続けます。その結果、欠如感が生まれ、不安や焦り、不満など、自己重要感の低下に繋がっていきます。
ですから、「ある」ものに焦点を当て、感謝することで心のコップが満たされ、自己重要感を高めることに役立つのです。
「『ある』ものに意識を向ける」ことを含め、自己重要感を高めるポイントには次のようなものがあります。
【自己重要感を高めるポイント5つ】
- 「ない」ものではなく、「ある」ものに意識を向ける
- ネガティブなことを言う人、ネガティブな感情にさせてくる人とは距離を取る
- 大きな目標を一気に狙うのではなく、小さな目標に分けて、ひとつひとつ達成し成功体験を積み重ねる
- 失敗ではなく「学びを得た貴重な機会」と捉える
- 自分自身にかけている声を意識的にポジティブな発言に変える
実践心理学NLPでは、今回ご紹介した方法のような、脳の構造を利用して自己重要感を高める様々な方法を学ぶことができます。
自己重要感を高めることで、自分が本当に望んでいる状態へさらに進みやすくなることから、学生から経営者やアスリートの方まで、沢山の方がNLPを学ばれています。
3.より良い人間関係の『鍵』となる他者の自己重要感
幸せな人生を送るうえで欠かせないのが、良好な人間関係です。
人は、何らかの形で他者と関わりながら生きているので、良好な人間関係は、私たちの幸せに直結しています。
そして、良好な人間関係に欠かせないのが、信頼や良いコミュニケーションです。
あなたも、このようなことに心当たりはないでしょうか?
- 自分の話をいつも楽しそうに聞いてくれる相手とは、一緒にいて心地がよい
- 自分のダメなところ見せた時に、理解し受けとめてくれた相手に対し信頼感が増した
- 権威ともよばれる地位の高い人が気さくに話しかけてくれて、その人のファンになった
自分の行動や能力などの限定的なものだけではなく「自分自身そのものが認められている・受け入れられている」という感覚は自己重要感を高めるうえで、非常にパワフルなものです。
人は誰しも、自分のことを受け入れてくれる人や認めてくれる人に対して、嫌な気持ちはしないし、そんな相手のことを信頼しやすくなるものです。
つまり、良好な人間関係においても自己重要感は『鍵』となります。
3-1.他者の自己重要感を高める重要性
他者とより良い人間関係を築くうえで欠かせないのが、相手の自己重要感を高めることです。
偉大な心理学者ジーグムント・フロイトをはじめ、様々な心理学者たちが、人間のあらゆる行動の動機のとして、他人から認められたいという欲求を挙げています。
他人からの承認を求めることは、社会で人と関わりながら生きる人間としての本能です。
そして、人は自分の承認欲求を満たしてくれる人、つまり自分の自己重要感を高めてくれる人に好意を抱き、心を開いて信頼する傾向があります。
これは、相手を自分に置き換えて考えると想像しやすいと思います。
例)
どちらの相手に心を開きやすいですか?
- 自分の良いところを積極的に伝えてくれる人
- 自分の悪いところばかり指摘してくる人
グループの中でどちらの相手に親近感を抱きやすいでしょうか?
- 「~さんはどう思う?」と自分の意見を聞いてくれる人
- 自分の存在を無視するような人
自分を認めてくれる人や、『自分は価値のある人間なんだ』と思わせてくれる人に対して信頼感を抱く人が多いのではないでしょうか?
そして、良好な人間関係において信頼は必要不可欠です。
良好な人間関係にはコミュニケーション能力も必要ですが、「コミュニケーション能力が高い=お話上手」ではありません。
コミュニケーション能力が高い人は、相手の信頼を得る能力が高い人です。
相手の自己重要感を高め、信頼を勝ち取り、スムーズな人間関係を築いていきましょう。
3-2.他者の自己重要感を高める方法
他者の自己重要感を高める重要性を感じられた方、次は他者の自己重要感を高める方法に取り組んでみましょう。
ここでは、人間心理に働きかける方法をご紹介していきます。
最初に押さえておきたいのは、『相手の存在を認め、敬意をもって接すること』です。
名著「人を動かす(著:カーネギー)」の中に、セオドア・ルーズヴェルト大統領の逸話が記されています。
ルーズヴェルト大統領の使用人だったジェイムズ・エモイスという方が『使用人の目から見たセオドア・ルーズヴェルト』という本を書いており、次のような一節をご紹介します。
ある日のこと、私の妻が大統領にウズラはどんな鳥かと尋ねた。
妻はウズラを見たことがなかったのである。
大統領はウズラとはこういう鳥だと、噛んで含めるように教えてくれた。
それから暫くすると、私たちの家に電話がかかってきた・・・(略)・・・
相手方は大統領ご自身だった。
今ちょうどそちらの窓にウズラが一羽きているから、窓からのぞけば見えるだろう、とわざわざ電話で知らせてくれたのだ・・・(略)・・・
雇い人たちは、こういう主人なら好きにならざるをえないだろう。
雇い人でなくても、誰でも好きになるはずだ。
このように、立場がどうであれ、人は自分の存在を認め、敬意をもって接してくれる相手を信頼しやすいものです。
他にも、他者の自己重要感を高める方法と聞くと、次のようなことを思い浮かべるのではないでしょうか?
- 相手の話を熱心に聞く
- 相手を褒める、称賛する
- 相手のために何かをやってあげる
- 相手を丁重に扱う
- 相手に合わせる
もちろんどれも有効な方法です。
しかし、相手に信頼されたいがために、相手に合わせてばかり・・・となってしまうと、自分が疲弊してしまい、自分の幸福感を高めるのが難しくなってしまうかもしれません。
そこで、『相手の存在を認め、敬意をもって接すること』から始めてみてくださいね。
そして実践心理学NLPでは、会話をしながら相手の心を開きやすくする具体的なテクニックはもちろんのこと、相手に合わせながらも自分の望む方向へ会話を導いていくといったスキルやテクニックも学ぶことができます。
コーチの方や経営者の方、講師やセールスマンなど、様々な業種の方々がこれらのスキルやテクニックを学ばれ活用されています。
4. 役立つ「ニューロ・ロジカル・レベル」という考え方
ここでは、自分の自己重要感と他者の自己重要感を高めるうえで役立つニューロ・ロジカル・レベルという考え方を紹介します。
ニューロ・ロジカル・レベルとは、NLP分野の権威であるロバート・ディルツ氏によって体系化されたもので、人の変化を以下のレベルに分けて考えます。
上のレベル(アイデンティティ、ビリーフと価値観)は自分では自覚しにくいもので、下のレベル(能力、行動、環境)は自覚しやすいものです。
ですから、私たちは何かを変化させたい時、まずは環境や行動を変えたり、能力を身に着けようとすることが多いと思います。
もちろん、それでも効果はありますが、その変化を妨げるようなビリーフやセルフイメージを持っている場合、いずれ限界がやってきて、永続的な変化にはならないものです。
その一方で、上のレベル(セルフイメージやビリーフ)を変容させると、その下のレベルもそれに合わせるように自動的に変わっていきます。そして、その変化は永続的に続きます。
それでは、セルフイメージやビリーフを書き換えるにはどのようにしたらいいのか、この具体的な方法などをNLPでは学ぶことができます。
さらに、ニューロ・ロジカル・レベルの考え方は他者とのコミュニケーションでも非常に役立ちます。
例えば人を褒める時は、アイデンティティやビリーフ・価値観のレベルで伝え、叱る時には環境や行動レベルで伝えます。
何かを手伝ってくれて褒める時 |
|
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約束の時間に遅れてきて叱る時 |
|
|
褒められた相手は、自分のことを全面的に認めてくれていると感じ、叱られた相手は、その人自身を否定されたと感じることなく、具体的に何を変える必要があるのかがわかります。
NLPを学ぶと、このようなニューロ・ロジカル・レベルの考え方をはじめ、自分自身の変容のためにも、他者とのコミュニケーションにも役立つ様々な考え方を身に着けることができます。
まとめ
自己重要感にはこのように2つの構成要素があることがわかりました。
自己重要感=自己肯定感+他者からの承認
そして自己重要感は、人生の幸福度を高めるために必要な、自分の幸せや他者との良好な人間関係の鍵となります。
いま、自己重要感が低いと感じている方でも、自分で高めていくことが可能です。
自己重要感は私たちの選択や行動に影響を与えるので、より良い選択や行動ができるように、自己重要感を高めて幸せな人生を歩みましょう。
【追伸】
記事の中でご紹介させていただいた心理学NLPは、自分と他者に対して自己重要感を高めるスキルの他にも、目標達成・問題解決のスキル、自信やセルフイメージの向上、マイナス面の解消など、人生とビジネスで使える学びが豊富にあります。
その効果の高さから、経営者をはじめ、会社員、コーチ、コンサル、カウンセラー、教授、弁護士、主婦、学生の方など、幅広い方に学ばれています。
NLPについてご興味をお持ちの方は、下記をご覧ください。
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