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2024.07.11 人間関係

「許せない」あなたを苦しめる感情の心理学的取り扱い方法3選

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「許せない」という感情は、
誰もが人生の中で抱えたことの
あるものです。

実は、この記事を書いている私も、
「あの人のことだけは一生許せない」
とかつて考えたことのある人間です。

相手に悪意があったことや、
逆に、悪気のない言動に傷つけられたこと、
そして、自分自身を許せないこと。

ときには、その感情に四六時中囚われ、
悩み、苦しむこともあります。

この身近な感情を、
あなた自身の人生のためにどう扱えばいいか、
心理学的な観点からお伝えします。

目次

    1.「許す」「許さない」はあなた自身の自由

    この「許せない」という感情。

    聖人と呼ばれるようなマザー・テレサやマハトマ・ガンジーでも、

    きっと私達と同じように人生の中で感じたことがあるのではないかと思っています。

    ここで先にお伝えしておきたいのは、

    「許す」「許さない」

    この選択は、あなた自身が自由に決めて良いことです。

    許すべき、許さないべきということはありません。

    あなたの感情は、あなた自身のために存在していますから、他者にとやかく言われる筋合いのないことです。

    許さない」と決めるのも、「許したい」と感じるのも、あなたの自由です。

    その上で、もし「恨み」や「許せない」という感情にあなた自身が苦しめられているのであれば、知っておいてほしいことがあります。

    2.「許せない」と感じるときに起きている衝撃的な事実

    下記の言葉を初めて知る方にとっては、かなりインパクトのある内容です。

    心してお読みください。

    "許せない"ということは、

    相手に死ねと言いながら、
    自分自身が毒を飲むことだ。

    -アメリカ・インディアン-

    これはアメリカ・インディアンに伝わる教えです。

    筆者自身も、許したくない相手がいたときにこの言葉を聞いて、ぶん殴られたような衝撃を受けました。

    人を「許せない」という感情を持ち続けることは、健康へ甚大なマイナスの影響を与えるということが脳神経学と医学の観点からも示唆されています。

    恨みは、継続的な怒りを生む感情です。

    医学的にみると、怒りを感じることで自律神経に乱れが生じ、血圧が上がります。

    自律神経の乱れは、頭痛やめまい、倦怠感を引き起こし、さらに悪化が続くとやがては不眠症やうつ状態などの諸症状につながります。

    そして、怒りによる血圧上昇は、心臓病のリスクを5倍以上に引き上げるという研究結果があります。

    突然死を引き起こす心筋梗塞・狭心症などの心臓病について、近年、若年化が進んでいることが問題視されていますが、これらの大きな原因も、怒りやストレスだと言われています。

    また、その他身近な例としては、恨みの感情が免疫機能を著しく低下させるため、感染症にかかりやすくなるといったこと。

    その他、恨みや怒りなどのマイナス感情が強いと、人と比べて身体の痛みが強く出て、完治まで時間がかかるといったこと等も言われています。

    さらには、がん細胞を排除してくれるNK細胞は、怒りや恨みなどのマイナス感情によって活性が低下してしまうことが解明されています。そのため、がん医療においても、この怒りや恨みの感情による影響は注目の的となっています。

    果ては、長年許せない気持ちを持ち続けると、顔には眉間や口元のシワが刻まれ、次第に人相が変わっていきます。

    迷信のように感じるかもしれませんが、なんと「人相が人生を左右する」というテーマも世界では研究されており、長年のマイナス感情が不運を引き寄せてしまって、人生が変わってしまうなどということも...

    頭痛などの小さな症状から、うつや突然死など、人生そのものを変えてしまうほど深刻な影響力。

    それはまさに、毒を飲むほどの悪影響をあなたの心身に及ぼします。

    ここまでが、「許せない」という感情により引き起こされるかもしれない、あなた自身にとっての影響です。

    反対に、許せない相手への影響は?

    あなたが許せないと恨んでいる、その相手には、あなたが「許さない」ことによってどのような影響があるのでしょう。

    腹立たしく感じると思うのですが、相手はのうのうと生きている場合がほとんどです。

    あなたが苦しんでいることすら知らない、気にも留めない場合だってあります。

    あなたが今「許せない」という感情を抱えているのは、あなたにとっての重大なきっかけがあったはずです。

    ひどいことをされた、言われた。心無い言動に心の深いところが傷ついた。軽はずみの行動でかけがえのないものを奪われた。

    つらく苦しい経験があったことと思います。

    ではどうして、そんな経験をされたあなたが今も苦しみ続けて、相手は平気にしているんでしょう。

    あなただけが、ずっと毒を飲み続ける状態

    この理不尽極まりないことが、あなたの中にある「許せない」という感情が引き起こしてしまうことなんです。

    追い打ちをかけるようですが、さらにわかりやすくお伝えします。

    「許せない」と感じるときに、あなたはその相手のことを思い出しています。

    そして、「不幸になってしまえ!」「天涯孤独になれ!」「ぐしゃっと潰れろ!」などと念じたとします。

    そうすることで、実際に不幸で孤独になって潰れるのは、相手本人でしょうか?

    そうではなく、あなた自身の内面です。

    人を「許せない」と感じるときに、人は自分の内側に相手そっくりな幻影を作り出し、それをタコ殴りにします。ボコボコに殴られているのも、殴っているのも、どちらもあなた自身です。

    それどころか、許したくない相手の幻影と24時間365日寝ても覚めても一緒にいることになります。

    もし頻繁に思い出してしまうのなら、美味しいご飯を食べていても、遊園地にいても、好きな人といても、いつでもどこでも、恨めしい相手の幻影とぴったり一緒です。

    私も人を恨んだ身ですから、このことをお伝えするのは大変気味の悪い思いがするものです。

    しかし、これが「許せない」と感じるときに起きていることなんです。

    だからと言って、この「許せない」という感情自体が悪者というわけではありません。

    全ての感情は、その人自身を守り、助けるために存在します。

    ではこの「許せない」という感情は、何のために存在しているのか?

    あなた自身を解放するための第一歩として、この感情の正体を探りましょう。

    3.「許せない」の正体

    私は、この「許せない」と言う感情が存在するのは、何か大切なものがあった証拠だと思っています。

    例えば、あなたにとって大切な本があったとします。

    小さい頃もらった絵本、自分のお金で買った小説、いまや絶版となったプレミア本など、人により、持っているものは様々です。

    サイン入りだったり、大切な誰かからプレゼントされたものだったりと、唯一無二のものもあるでしょう。

    その本のページが、ある日破り取られてしまった。

    相手に悪気のない事故だったかもしれませんし、故意だったかもしれません。

    いずれにせよ結果として、手元にはページが足りなくなった本が残ります。

    欠けてしまった本を見るたびに、大切な本を破られてしまったことを思い出します。

    ひどく傷つき落胆し、ときには怒りを覚えます。

    すると湧き上がるのがこの感情です。

    「許せない

    これは例え話ですが、「大切な本」とは、人それぞれが心の内に持っているものです。

    人にはそれぞれの大切なものがあります。

    人や物、生き物、場所、価値観、正義感、考え方やマナーなど、大切なものは一人ひとり異なり、その人自身にとってのかけがえのないものです。

    こうした大切なものを傷つけられた、壊されたと感じたとき、「恨み」や「許せない」という感情が湧き上がります。

    「最低なことを言われた」「マナーを破るなんてあり得ない」「あいつのせいであの人が傷ついた」

    そしてもし、自分で自分を恨んでいる場合には、「取り返しのつかないことをしてしまった」

    など、様々な「許せない」という感情があります。

    この裏には、必ず「大切なもの」が隠れています。

    手元にあるページの欠けた本は、あなたにとって大切なものがあった証拠です。

    「許せない」という感情。

    これは、今は損なわれてしまったかもしれない「あなたにとって大切なもの」が存在していたことを証明するためにある。

    こう考えると、決して悪いだけの感情ではなくなるはずです。

    あとはこの感情を、自分自身でどう扱っていくかです。

    破れたページの幻想を恨めしく見つめ続けるのか。

    それとも、かつて本が教えてくれたことに支えられて、内容や思い出を語り継いで生きるのか。

    状況によっては、新しい本を探すという選択肢もあります。

    もし今現在、怒りや悲しみが湧いてきて、あなたを苦しめているとしたら、どうすればいいでしょう。

    そのためには、「許せない」という感情の扱い方を変えていく必要があります。

    4.どう扱えばいい?

    扱い方をお伝えしていく上で、「許すということ」を実際に経験された方の話をご紹介します。

    「許せない」という感情は、主に下記3つに対して向けられることが多いものです。

    1. 他人
    2. 身近な人(身内、家族)
    3. 自分自身

    それぞれ、3人の方の事例をお伝えさせていただきます。

    4-1.他人を許せない場合

    Aさんは、10代の頃に慢性的な性的暴行を受けました。

    そのことが心的外傷(トラウマ)となり、相手から離れた後も、不眠症と解離性障害に長年苦しみ続けることとなりました。

    そうして過ごすうちに、ふと「どうして私が苦しみ続けなければならないんだろう」という感情を抱きます。

    それまでは「許してしまうと、相手のしたことを受け入れてしまう」と考え、「許してはいけない」という思いを持ち続けていました。

    しかし、自分だけを苦しめる感情を持ち続けることに意味があるんだろうかと悩むうちに、「人は許しても、その行動は許さなくていい」という考え方と出会いました。

    手放して自分を幸せにしたい。

    それをきっかけに、恨みを手放すことを決め、心理学を学ぶことでトラウマと感情を手放すことができました。

    4-2.身近な人(身内、家族)を許せない場合

    Bさんは、子供のときに、お母さんからとても厳しく当たられていました。

    18歳のとき、「こんな最低な母親になるもんか」と誓い、大学では心理学を専攻しました。

    その3年後、結婚して、男の子を授かります。

    日ごとやんちゃさを増す男の子を前に、本で読んだ子育ての知識はまったく役に立たないのに、夫は家では何もしてくれない。

    毎日疲れ果て、それでも掃除洗濯や食事の準備に加えて、ほんの5分でも目を離すと怪我をしてしまうような子供を育て上げなければならない。

    そうして精神的に追い詰められたとき、無意識で子供に厳しくなっている自分に気づき、ハッとします。

    恨んでいた母親と同じことをしてしまったことに、ひどく後悔の念を感じたその夜、ふと、ある考えが浮かびました。

    「私の母親も、こんなに追い詰められてたんじゃないか」

    心理学の考え方に「人は、そのときその人の最善を尽くしている」というものがあります。

    学んだすぐは、昔母親が最善を尽くしていたなんて到底受け入れられなかったそうですが、自分自身がその立場になった時、初めて言葉の意味がわかったそうです。

    最善を尽くしていても、方法を知らない。能力が足りない。その結果、大きくやり方を間違ってしまう。

    このことに気づいてから、恨み続けた母親を少しずつ許していくことができました。

    4-3.自分を許せない場合

    Cさんのお話です。

    Cさんは、あることをきっかけに、大切な方を失ってしまうという経験をされました。

    自分の取った何気ない行動のせいで失ってしまったんだと強く強く後悔し、

    「あのときこうしなければ」「自分自身のせいだ」「自分は幸せになってはいけない」

    と何年もの間、自分自身を憎み、毎日毎日責め続けたそうです。

    あるときふいに、ネット上で「すべてのことには、肯定的な意図がある」という言葉が目に留まります。

    自分自身がしたことなんて、肯定的に見てはいけない。絶対自分を許してはいけない。

    そうかき消しましたが、頭の片隅に言葉が残り続けます。

    長い長い間、あの人を失った後のことだけをずっと見続けてきた。

    でも失う前には、自分は何を思い、何を考えていたのか。

    かつての行動の一つひとつも、本当はただ大切にしたい、かけがえのない相手だという一心だった。

    気づいた後でも、自分を許すということには大きな抵抗がありました。

    しかし自分を恨んで縮こまって生きていて、一体何になるんだ。

    こうすることで、あの人や今周りにいてくれる人たちのためになることが一つでもあるのか。

    そう考え、どれだけ許しがたくても、自分を許していくことを決めたそうです。

    救済を得るためではない、今周りにいる人たちに対して自分ができることを探し、エネルギーを注ぐためでした。

    上記のAさん、Bさん、Cさんの話の中にあった考え方。

    • 「相手のことは許しても、その行動は許さなくていい」

    • 「人は、そのときその人の最善を尽くしている」

    • 「すべてのことには、肯定的な意図がある」

    これら3つを読み解くことが、あなた自身を苦しみから解放する鍵となります。

    5.手放したいと思ったとき、それを叶える方法

    許すことは、「ゆるめる」ことから始まります。

    許せないとは、自分の中に作り出した相手の幻影を、ぎゅうぎゅうに固く握りしめている状態です。

    いきなりぱっと手放すのが困難であれば、少しずつ、握っている力をゆるめていけばいいのです。

    実のところ、ここまで読み進めてくださったあなたの中では、記事を読む前と今とで、ほんの少しでも変化が起きているのではないかと思います。

    ここからさらに、ゆるめるためにどうすればいいのか。

    そこで助けとなるのが、この3つの考え方です。

    1. 人は許しても、その行動は許さなくていい
    2. 人は、そのときその人の最善を尽くしている
    3. すべての行動には、肯定的意図がある

    1つずつ読み解いていきます。

    5-1.人は許しても、その行動は許さなくていい

    誰かを許すことと向き合うときに、抵抗が起きる大きな要因の1つが、「許してしまったら、その人がしたことを容認してしまうことになるんじゃないか」という考えです。

    はっきりお伝えしますが、行動には断固としてNOと言っていいんです。

    あなた自身が解放されるために、許す対象は「その人の存在」であって、「そのときの行動」は受け入れる必要がありません。

    ルールや法律は、そのために存在します。

    その上で、行動とその人自身を切り分けて捉えていくこと。

    最初は行動も人もイコールで考えてしまって、別のものだと捉えることは容易でないかもしれません。

    まずは、「あの人が許せない」という表現から「あの行動は許せない」に置き換えてみてください。

    相手の存在そのものは、変えたり消したりすることができませんが、日々人の行動は変化しますし、もし今後似た場面に直面した際、こちらから相手へNOと伝える方法もあります。

    変えられないものを見続けていると、望ましい成果が得られず苦しみが続きます。

    今後変えていける部分へと焦点を推移させることが、張り詰めた力をゆるめて、あなた自身を解放させていくためにとても重要なことです。

    5-2.人は、そのときその人の最善を尽くしている

    このことは、特にあなたの身近な人や、あなた自身を許したいときに重要な考え方です。

    私が初めてこの言葉を聞いたときは、「何をバカなこと言ってんだ」と感じました。

    人がいつでも最善を尽くしていたら、もっと良い世の中になってるはず。

    そもそも常に最善を尽くせる人なんてそうそういない。

    しかし、この「最善を尽くす」ということは「常に全力を出す」ということとは異なります。

    人は、自分自身が持っている選択肢の中からしか行動を選ぶことはできません。

    そしてその選択肢とは、その人自身の経験や能力、思考などに基づいています。

    虐待されて育った人が、親になってから自分の子供へも虐待してしまう事例が多いことは、近年知られてきています。

    行動はNOなので、虐待すること自体はもちろん擁護しないのですが、他の選択肢を持っていなかった人もいます。

    自分が虐待されて育った人が「子供を愛したい」と考えたとしても、「子供を愛する」ということのやり方がわからず、自分がされたことと同じ行動を取ってしまうことがあります。

    人は、一度習慣になってしまったことを変える場合に、大きなエネルギーを必要とします。

    たとえ望ましくないと感じる行動でも、慣れていることを行うにはエネルギーが少なくて済みます。

    ここで必要なのは、人自身を責めることではなく、他の選択肢を増やすことです。

    5-3.すべての行動には、肯定的意図がある

    これはどういうことかというと、一見するとネガティブな行動でも、その本質には、「何かを得たい」「望ましい状態になりたい」というようなポジティブな意図があるということです。

    許すこと」と向き合うときに、下記2つの視点が手助けとなります。

    • 「許せない」という感情自体の肯定的意図
    • 許せない相手がとった行動の肯定的意図

    相手に恨みを抱いたまま、その行動の肯定的意図を探るのはしんどいですから、まずは「許せない」と感じるあなた自身の感情を読み解きましょう。

    そう感じる肯定的意図は何なのか。

    3章で「大切な本の話」をしましたが、あなたにとっての大切な本がなんだったのか気づくと思います。

    そして、その本が「あなたにどんなすてきな感情や状態をもたらしてくれるものだったのか」ということを探りましょう。

    幸福感、安心感、自由、安らぎ、達成感、充実感など、人によって様々なものがあります。

    本当は、その感情や状態を得たいために、あなたの「許せない」という感情は存在していました。

    まずはそのことを受け止めて、今まで許せないでいた自分自身のことも承認してください

    そしてもし、許したい相手が身近な人や自分自身であれば、行動の肯定的意図にも目を向けてみます。

    結果として取った行動は、望ましいものではなかった。

    それでも、行動の本質には肯定的意図があります。

    以上が、誰かを許したいと感じたときに助けとなる3つの考え方です。

    これら3つはすべて、心理学NLPに基づく考え方です。

    心理学NLPには、「自分自身とのコミュニケーション」「他者とのコミュニケーション」をよりよくするための考え方やスキルがたくさんあります。

    思考や感情に囚われ、振り回されていると感じるときに、自分自身の内面をどう扱っていくのか。

    また、他者との関わりのなかで悩み苦しんでいるときに、どう対処していくのか。

    こうした問題は、人に相談するだけでは根本的解決に至らないことも多いでしょう。

    あなた自身が解決できる力を身につけることで、今後の人生の強い支えとなっていきます。

    ご興味をお持ちの方は、下記から10万720人以上の方がダウンロードしている無料レポートをご覧いただくか、毎回30~50名の方が参加されている人気の体験講座がありますのでぜひご参加ください。

    また、強い感情を手放したいと感じている場合、許しを専門的に扱う『感情の負債解消セラピスト/カウンセラー養成講座』がお役に立てると思います。長年抱えていた感情ほど、手放せばあなたの人生に大きな変容をもたらします。

    ここまで読んでくださったみなさんには、ゆるめた後の支えとして、もう1つだけ心理学の考え方をお伝えします。

    「意識が向いているところにエネルギーは流れていく」

    この言葉の通り、意識を向けた方向に、エネルギーは流れます。

    許せなかったエネルギーは、とても頑丈で強力なものだったはずですから、その意識の向かう先をプラスに変えることができれば、次はあなたにとっての大きな力となります。

    熱いものに触れてしまったら、「熱い」と反射的に手を引っ込める。

    それと同じように、つらいことが起きたら、反射的に「許せない」と感じる。

    どちらも至って普通の生理現象です。

    生きるために必要な、当然の反応です。

    だからこそ、大きく深呼吸をしたその後で、この感情を自分でどう扱うかが大切なんです。

    つらい状況の中で、人は孤独感を感じやすくなるもの。

    周りの人は幸せそうに見えるから、きっとこんな思いをしているのは自分だけだ」

    ときにはこんなふうに感じることだってあると思います。

    それでも私の経験上、深い思いやりがあって、一見悩みなんてないような強くて優しい人は、過去に想像がつかないほど壮絶な状況を乗り越えられた方ばかりでした。

    そしてその方々は、自分の力で乗り越えた後に、たくさん素敵な経験にも出会われていました。

    どんな人でも、良いことと悪いこと、どちらも経験しています。

    だからこそ、そこから何を学び、何を得ていくのか。

    今日まで許せない相手に向けていたエネルギーを、明日からは、どこへ向けていくのか。

    許した後、あなたはどんな素敵なものを得て、どんなことを達成していくのでしょう。

    6.最後に

    以上、許せないという感情の扱い方についてお伝えしました。

    許せないという感情が、人へもたらす恐ろしいことと、その感情自体の正体。

    そして、手放したいと思ったときの考え方について。

    繰り返しになりますが、許すとは、「ゆるめる」ことから始まります。

    ネタバラシをすると、4章の事例の1つは、筆者自身の経験談です。

    昔は、感情を手放せる日が来るとは想像がつきませんでした。

    私自身、許すことの重要性とパワーを身をもって実感し、今では「許すこと、ゆるめること」の探求を続けています。

    少しずつで大丈夫ですので、あなた自身のために、感情とどう向き合っていくのか。

    今後も、一緒に探求していきましょう。

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