「地獄のように売れ」という言葉は、
私がB2B営業をしていたときの
キャッチフレーズであり、
人のピーク・パフォーマンスを
維持するためのものでした。
上司にそう言われたので、
自分にもチームのメンバーにも
そう言い聞かせていました。
キーポイント
- 優れた営業成績は、優れた営業プロセスを決めることと大いに関係がある
- また、考え抜かれたインセンティブとコミッションのプランが必要である
- 営業のリーダーは、適切な営業施策と顧客リレーションシップ・マネジメント・システムを導入する必要がある
- ただし、適切な内面での姿勢とマインドセットがなければ、どのような要素も成功を保証してはくれない
「地獄のように売れ!」は、私がB2B営業をしていたときのキャッチフレーズであり、ピーク・パフォーマンスを維持するためのものでした。
上司にそう言われたので、自分にもチームのメンバーにもそう言い聞かせていました。
それはうまくいったのかと、皆さんは疑問に思うでしょう。
すべての人に効果があったわけではありません。実際、ほとんどの人にはまったく効果がありませんでした。
それ以来、私はセールス・コーチやセールス・トレーナーとして、何千人ものセールスマンを訓練してきました。
ある時、チームコーチングの場で営業のリーダーたちに、「成功するセールスマンに共通する特徴は何か?」と聞かれたことがありました。
どのように答えようかと頭を悩ませたことを覚えています。
個々の性格は関係ありません。
その人が外向型か、内向型か、両方を適度に持ち合わせているかということでもありません。
その人の性別、年齢、生い立ち、社会的地位、出身校などともまったく関係ありません。
それぞれの営業スタイルでも営業プロセスでもありません。
当時の私が出した結論は、本当に成功しているセールスマンは他よりも自己認識力が高いというものでした。
しかし、その後の私自身の調査によって、この結論も間違っていることがわかりました。
非常に有能で実績のあるセールスマンでも、自己認識の低い人に何人も出会ってきました。
彼らは自分が起こしている奇跡を、行動レベルや習慣レベルで説明することができなかったのです。
そして2011年、私はセールス・エグゼクティブ・カウンシルによる縦断的営業研究に出会いました。
この研究は後に非常に有名となり、彼らの小さな赤い装幀本は、今では多くの営業部長たちの本棚に並んでいます。
この研究は健全で、明確で、しっかりとした根拠に基づいていると私は考えています。
また、勝てる営業スタイルの重要な要素の多くを捉えていると思います。彼らが作り上げた、
「チャレンジャー・セールス」という言葉は、最も成功すると思われる営業スタイルに基づいています。
この営業スタイルは、潜在顧客が考えるビジネス上の問題にセールスマンが挑戦することを可能にする、ビジネスへの豊かな洞察に満ちています。
「チャレンジャー」たちは顧客の考え方をリフレームすることで、顧客に圧力をかけるのではなく、
建設的な緊張感を与えることで意思決定者に解決策を求めるように仕向けることができます。
それでも、セールス・エグゼクティブ・カウンシルの意見の正しさは、80%程度だと思いました。
確かに納得できる研究ではありますが、まだ何かが足りないのです。
チャレンジャー・セールス・モデルを知っていながらも、苦戦している営業幹部や営業職を、私はたくさん見てきました。
彼らは正しい手順を踏み、適切なスキルを身につけていましたが、やはり何かが欠けているのです。
やがて私は、そのプロセスの背後にある人々のマインドセットが問題なのだと気づきました。
このことは、モチベーションの本質に関する最新の発見にもつながっていきました。
ダニエル・ピンクによると、自律性、達成感、目的意識の3つが人間のモチベーションの重要な源泉になることが研究によって示されていると言います。
仕事に目的意識を見出せる人こそが、最高レベルのモチベーションを引き出すことができるのです。
世界的に有名なセラピストであるヴィクトル・フランクルは、
第二次世界大戦で絶滅収容所から生還したユダヤ人たちは皆、人生に意味を見出すことで前に進んでいったことに気づきました。
フランクル自身は、ナチスに没収された自分の本を書き直して出版したいという人生の目的がありました。
ロバート・ディルツと私が行った研究では、マインドセットには異なる3つのレベルがあることがわかりました。
最初の基本的なレベルが、大局的な明瞭性をつかさどるメタ・マインドセットです。
このレベルの重要な要素のひとつが「目的意識」です。
組織レベルでいうと、明確な強い目的意識を持つ企業は、そうでない企業よりも優れた結果を出します。
個人のレベルでは、目的意識を持つ従業員の売上は37%高く(Shawn Anchor)、病気休暇が66%少なく、
離職率が51%低く(Forbes and Gallup)、イノベーションの高さは300%(HBR)であることが示されています。
高い目的意識を持たないことは、ハイオクガソリンが必要な繊細で高級なエンジンにレギュラーガソリンを入れて走っているようなものです。
遅かれ早かれエンジンはダメージを受けるでしょう。
そして、さらなるポテンシャルがあるはずなのに、いつまでたってもそれが現実化しないことを感じ続けるようになります。
「マインドセットが最も重要」と私たちが言う理由が、おわかりいただけたのではないでしょうか。
最終的に、私の中で点と点が結びついていきました。
「今日、この取引をすることで、顧客の人生はなぜより良くなるのか?」
この質問に答えられないのであれば、営業に行ってはいけません。信憑性が下がります。
この質問への答えを持ち、それを純粋に信じる必要があります。
一般的に言って、自身の商品やソリューションに情熱を持ち、目的意識を持ち、説得力のあるビジョンを見ることで、人は卓越した成果を達成していきます。
マインドセットとは万人に当てはまるものであり、万人に影響を与えます。
あなたが営業アシスタントであろうと、重要なポジションにある顧客担当マネージャーであろうと、最高営業責任者であろうと関係ありません。
2つ目のマクロ・マインドセット・レベルは、全体像に意識を向け、
個人とビジネスのビジョンと目的を行動に移すエコロジカルな方法を身につけるために必要な、精神的鍛錬と実践に関係しています。
卓越したセールスマンは、強力なマクロ・マインドセットを持つことで燃え尽き症候群を回避します。
彼らはフィードバックを求め、困難な状況をリフレームし、拒否するのではなく、学ぶ方法を考えることができます。
最後のミクロ・マインドセット・レベルは、組織内イントラプレナーとしての持続可能な道を築くために必要な具体的行動を生み出します。
優秀なセールスマンは非常に独立心が強く、自分はイントラプレナーだと考え、従業員であっても経営者のように振る舞います。
企業では、果てしない数の重要業績評価指標が作成され、提案が洗練され、いくつもの社員研修が行われても、多くの場合、突破口には至りません。
しかし、マインドセットに焦点を当てることの素晴らしい点は、他のあらゆるモチベーションに勝る内発的モチベーションを生み出すことです。
内発的モチベーションは、困難な状況や、上司が不在のとき、あるいは拒絶に耐えなければならないときにも、それを乗り越える内なる力を生み出します。
私は、農産業で農家などに営業をする人々と仕事をしたことがあります。
また、プライベートバンカーから製薬業界の営業のエキスパート、IT企業のコールセンター、FMCG(日用消費財)のセールスマンまで、あらゆる種類の人々と仕事をしてきました。
今にして思えば、最高の業績を上げているセールスマンに共通していた決め手となる要因は、強いメタ・マインドセットでした。
組織、チーム、そして個々のセールスマンが、適切なマインドセットを持つことができるように支援できるとしたら、この機会を逃す手はありません。
マインドセットの3つのレベルが彼らのゴールと同調するように支援することで、あなたはより多くの契約、より多くの自律性、より多くの満足感、影響力を得ることができます。
それによって、さらなる利益を手にし、営業成績を伸ばすことができるはずです。
しかし、重要なのはその方法を知ることです。
そして私たちには、神経科学と心理学の最新の発見に基づき開発された方法があります。それがマインドセットマップ™です。
この記事は、2023年11月13日にPsychology Todayに掲載されたものです。
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著者より許可をいただき掲載しています。
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