「思考停止」とは、
自分の頭で考えることを
やめてしまう状態のこと。
人からの指示や、
今までの習慣通りに
動くことはできても
自分の頭で考えて行動したり、
意見や
アイディアを出したりすることは苦手
と言う人も多いのではないでしょうか。
「親や周りの人から言われた通り
ずっと真面目に過ごしてきた」
「誰かから否定されてばかりで
過度のストレス状態が続いている」
など、
思考停止に陥ってしまう理由は
いくつかありますが、
その状態から抜け出せずにいると、
環境の変化が激しい今の時代において、
適応することが難しくなってしまいます。
そこで、この記事では
思考停止の状態について知り
抜け出せる力を身につけるため
NLP心理学のトレーナー資格を持つ
筆者が
心理学や脳科学の観点から、
思考停止の意味と特徴、
そして原因と直し方3選を
解説します。
目次
1.思考停止とはどういう状態?
思考停止とは、自分の頭で考えることをやめてしまった状態のこと。
人からの指示や、今までの習慣通りに動くことはできても、
自分で「思うこと」「考えること」を放棄してしまい、新しいアイディア出しや自分での判断ができない状態のことを指します。
特徴としては、受け身で指示を待つばかりの人、ルールや周りの意見を鵜呑みにして自分の考えを出さない人などが挙げられます。
具体的には、次のような状態です。
- 人からの指示がなければタスクをこなせない。
- 「あなたの意見は?」と尋ねられてもなかなか答えられない。
- 毎回だれかの意見を求めなければ、適切な判断ができない。
- マニュアル通りにしか動けず、応用が苦手。
- お決まりのフレーズは、「毎日同じことの繰り返しだ」。
この思考停止状態のやっかいなところは、学校の勉強ができるかできないかは関係ないという点です。
成績優秀だった人でも、陥る危険性は十分にあります。
というのも、学校の勉強では、ほとんどが「決まった答えのある問題」を扱います。
答えがあらかじめ用意されている問題なら、スラスラ解ける。
しかし、例えば論文や創作活動などの「決まった答えがない問題」を前にしたとたん、頭がフリーズして手が止まってしまう...
学校では「決まった答えのある問題」の割合が多いのに対して、社会では「決まった答えがない問題」ばかりが待ち受けています。
こうして、学校での成績は良かったのに、社会では「使えない人」認定されてしまうようなケースが多くあります。
他にも、強いストレスを受け続けることで思考停止に陥ることも。
親や周囲から「ああしなさい、こうしなさい」と言われ続け、自分の考えや気持ちは受け入れてもらえず、
誰かの敷いたレール通りに生きてきた人の多くは、思考停止状態となってしまう場合があります。
また、社会に出てからも、上司からきつく接され、意見を受け入れてもらえない状態が続くと、思考停止して言いなり状態となってしまう場合もあります。
こうした思考停止の状態は、どのように引き起こされてしまうのでしょう。
次は、思考停止に陥ってしまう原因と具体例について、脳神経の働きをもとに読み解いていきます。
2.思考停止してしまう原因と具体例
誰しも他人事ではない、思考停止の状態。
この思考停止は、脳が持っている特徴が大きく影響しています。
あなたの周りの人や、あなた自身が思考停止に陥ったとき、正しく知っておくことで対処できるようになります。
原因と具体例を見ていきましょう。
2-1.思考停止の原因
人の脳は、慣れているものに対して快適さを感じるようにできています。
反対に、まだ慣れていないものには、不快だと感じるような仕組みをしています。
これは、生物が生き残っていくために身につけた性質です。
自然界には、天敵となる存在がたくさんいて、うまくかわさないと生き延びることができません。
例えば、ある動物が、のどが渇いたときに小さな池を見つけたとします。
そっと水を飲んでみると、天敵に見つからず安全に過ごすことができました。
何度か訪れても天敵が現れることはなく、「のどが渇いたら、その池に水を飲みに行く」ということに慣れていきます。
しかしあるとき暑い日が続いて、池の水のほとんどが枯れかかってしまいました。
のどを十分に潤すためには、他の水場を探さなければなりません。
しかし、新しい土地にはどんな天敵がいるかわからず、知らない場所へ踏み出すことは命の危険を感じます。
そうして、今までの池では満足できる量の水がなくても、「いつもの場所に行く」という慣れた行動をなかなか変えられないようになります。
- 慣れた行動=安全
- 慣れていない行動=危険
こうした方程式が、私達の脳には刷り込まれているのです。
特に、今まで大きな不自由なく過ごしてきた人は、安全な池が確保され続けた状態と言えます。
今までの習慣通り過ごすことや、ある特定の人の指示通り動くことで、安全な生活を送ってこれた状況です。
この場合、リスクを冒して、慣れないことをする必要がないため、自分で新しいことを考えたり行動したりする力が鍛えられていません。
また、強いストレスを抱えた人の場合も同様です。
自分の意見を親や上司へ言った際に、否定され、ひどく当たられ続けると、
「自分の頭で考えること」=「危険でストレスを生む行為」という方程式が、無意識にすりこまれてしまいます。
このように、脳が自分自身を守るために持っている機能の影響により、思考停止状態は引き起こされます。
では、思考停止してしまっている人や、思考停止状態になりやすい人は、どんな人なのでしょう。
次に、具体例をご紹介します。
2-2.思考停止の具体例
「思考停止」と言えど、まったく何も考えずに生きていけるわけではありません。
思考停止状態と呼ばれる人は、新しい考えを出したり、自発的に動いたりすることが苦手な傾向を持っていることが特徴です。
具体的に、思考停止してしまっている人がどんな状態にあるのでしょう。
NLPという実践心理学では、脳科学に基づいて、その人が使う言葉から、思考や行動パターンを分析できる方法があります。
思考停止状態にある人の行動パターンと、使う言葉の傾向について、表で解説します。
能動的に思考できている状態 | 思考停止している状態 |
すぐ行動に移せる ■口癖: |
リスクを考えてばかりで動けない
■口癖: |
新しい方法や、より良くする方法を試せる
■口癖: |
今までと同じ方法しか取れない
■口癖: |
自分で判断できる
■口癖: |
人からの意見がないと判断できない
■口癖: |
それぞれのパターンは、どちらが良い・悪いということはありません。
思考停止している状態として挙げた内容でも、状況次第では必要となることです。
例えば、行動を起こす前に、よく考えること、コロコロやり方を変えずに継続すること、人の意見を取り入れることなど、すべて重要なものです。
しかし、こうした要素が重なっていき、強くなりすぎてしまうと、思考停止状態に陥ってしまうことがあります。
そうした場合は、強くなりすぎた状態をゆるめていくことが必要です。
また、上記の傾向を持っている人は、今は大丈夫でもなにかのきっかけで、思考停止状態に陥りやすい人とも言えます。
それでは、あなたや、あなたの身近な人が思考停止状態に陥ってしまったとき、どうやって抜け出せば良いのでしょう。
すぐ試せて、変化を実感できるような思考停止の直し方3選をご紹介します。
3.思考停止から抜け出すには?直し方3選
思考停止から抜け出すには、思考停止の傾向とは、真逆の傾向を高めていくことが重要です。
今は慣れてしまっている傾向を見つめ直し、少しずつ、逆の傾向を試して慣れていくことで、
次第に自分の頭で考えて行動できるようになります。
ここでは、すぐ試せるおすすめの方法3選をお伝えします。
3-1.口癖を変えてみる
最初に紹介するのは、今までと逆の傾向の言葉を意識的に口に出してみる方法です。
2章の表で紹介した「能動的に思考できている状態」の口癖を使ってみましょう。
口癖は、自分で思っている以上に、その人自身の傾向や考えていることが現れています。
そして、口に出す言葉を変えると、脳の反応も変わり始めます。
思考停止状態にある人は、いつもの口癖が出そうなタイミングで、逆の言葉を口に出してみることを意識してください。
最初は慣れていませんので、違和感を感じることもあると思います。
それでも、何度も口癖を置き換えていくうちに、逆の傾向に慣れてきます。
「能動的に思考できている状態」の口癖に慣れてくると、思考停止状態が少しずつ和らいでいきます。
3-2.ポジティブな問いを活用する
毎朝起きたタイミングで、次の質問を自分に投げかけてみる方法です。
「今日はどんないいことがある?」
こうすることの意味を説明します。
2章で紹介した脳の特徴として、「慣れていることに快適さを感じる」というものがありました。
この特徴以外に、もう1つ脳の特徴を挙げると、「質問をされると、答えが見つかるまで自動的に探し続ける」という性質があります。
思考停止している人は、質問を投げかけていないか、
もしくは「どうして変化のない毎日なんだろう」などといったマイナスの質問を無意識で投げかけているかのどちらかです。
質問を投げかけなければ、脳は働きません。
そして、マイナスの質問を投げかけると、脳はそのマイナスの状況を現実化する方法ばかりを探してきてしまいます。
そこで、先ほどご紹介した質問を投げかけることが有効となります。
プラスの質問を投げかけてみることで、脳はその答えを見つけるために動きだします。
これは無意識の反応ですので、朝投げかけておくと、自分でも気づかないうちに思考が働くようになっていきます。
3-3.「新しいチャレンジ」を習慣化してみる
今までやったことのない、新しいことにチャレンジしてみる方法です。
まずは大きな変化でなくても、小さなことの積み重ねで大丈夫です。
1日1つ、小さいけれどやったことのないことにチャレンジしましょう。
- コンビニで買ったことのない商品を買ってみる
- 家までの帰り道で、あえて別のルートを試してみる
- 入ったことのないお店に入ってみる
- 右足から階段を下りる癖があるなら、左足から下りてみる
- パソコンのデスクトップや、スマートフォンの待ち受け画面を変えてみる
こんなことで大丈夫です。
まずは、ささいなチャレンジに慣れていきましょう。
そして、慣れてきたら、1ヶ月に1回か、最低でも半年に1回は少し大きなことにチャレンジしてみましょう。
- ビジネススキルや習い事など、新しい学びを始めてみる
- タイプの違う人と友達になってみる
- 新しい資格や免許を取ってみる
- 行ったことのない国へ行ってみる
- 富士山に登るなどの挑戦をしてみる
目的は、新しいことにチャレンジできる状態に慣れていくことです。
慣れてしまえば、どんなことに対しても、一歩踏み出すことのハードルが下がっていきます。
筆者は、この「新しいことチャレンジ」をする中で、心理学NLPと出会い、トレーナー資格まで取得しました。
他にも、ダイビングライセンスや中型バイクの免許取得、エジプト一人旅などを試してみています。
どの経験も、今まで凝り固まっていた思考や行動を大きく変えてくれるものとなりました。
本気で変えていくためには、心理学を学ぶこともおすすめです。
この記事の中で紹介した思考・行動パターンの分析や、質問の活用方法については、実践心理学NLPの内容です。
NLPは脳科学に基づいており、目標達成や問題解決、無意識を上手く活用する方法、心理的なマイナス面の改善など、
仕事や人間関係、人生を豊かにするための効果的なスキルが豊富にあります。
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自分一人では、自分自身の傾向になかなか気づきづらいものですから、状況によっては誰かと一緒に学ぶことも重要です。
最後に
あなた自身や、あなたの身近な人が思考停止に陥ってしまったら、とたんに人生は色褪せて無意味に感じてしまう。
そんなときもあると思います。
この記事でお伝えしたように、思考停止状態とは、脳が自分自身を守るために引き起こす反応ですから、正しく知って対処することが重要です。
疲れているときや、ストレスを抱えているときには、どうしても陥りがちな状態ですので、
時折この記事を読み返し、チェックしてみてください。
そして、もし思考停止状態に陥ってしまっているなと感じたら、
おすすめの抜け出す方法3選のうち、できることから始めていきましょう。
そうすることで、自分の頭と心を使って自分の人生を生きる感覚を取り戻していけることと思います。
(参照元)