『サーバント・リーダーシップ』という
リーダーシップをご存知でしょうか?
サーバント・リーダーシップとは
【奉仕する】という考え方に基づいた
リーダーシップのことをいいます。
今までの、
リーダーシップやリーダー像として
多くの方は、
【強い影響力を持ったリーダー】が
指示を出し、
組織を引っ張るという方法を
イメージされていることだと思います。
ではなぜ、時代に新しい
【奉仕するリーダー像】が
注目を浴びているのでしょうか?
この記事では、その理由をはじめ、
サーバントリーダーシップの意味や特徴を
ご紹介していきます。
また、6章では、
サーバント・リーダーシップの考え方を
身につけ、強化して
さらには自分の市場価値も
高めてくれる内容もお伝えします。
ぜひ最後まで
お読みいただけると幸いです。
目次
1.サーバント・リーダーシップとは
サーバント・リーダーシップとは、部下の意見に耳を傾けて、部下の能力や可能性を引き出し、組織の成長や目的を達成していく手法です。
またの名を【支援型リーダーシップ】とも言い、上から指示を出して人を動かす【支配型】のリーダーシップとは真逆の考え方です。
では、ここからはサーバント・リーダーはどの様なリーダーなのか?
サーバント・リーダーの役割や、支配型リーダーとの違いも含めてご紹介します。
1-1.サーバント・リーダーの役割とは
サーバント・リーダーの【サーバント】とは、日本語で「奉仕」や「召使い」を表します。
それに加えて、組織を導くリーダーシップという言葉が組み合わさった言葉で【支援型リーダー】【奉仕型リーダー】と言われています。
奉仕や召使いというと、リーダーシップとはかけ離れたイメージがありますが、
サーバント・リーダーの行う【奉仕】は、メンバーそれぞれがもつ個性や価値観を大切にしつつも、
組織のビジョンや目的を達成するために、最大の成果を引き出すためのアプローチをしていきます。
1-2.サーバント・リーダーは【優しいリーダー】ではない
サーバント・リーダーは【奉仕】するということが軸となるのでサポートするということに徹する、言いなりになるなど誤解される場合もあります。
そして、この【奉仕】は部下のいうことを、何でも聞いてあげる優しいリーダーとは意味合いが違います。
【奉仕を軸にしたリーダーシップ】ですので、
メンバーの能力や可能性を引き出す関わりを積極的に持つことや、必要に応じてメンバーを支えるなどの奉仕する一面に加え
『組織の方向性やビジョン』を示すリーダーの役割も持ち合わせているのが、サーバント・リーダーシップです。
そのため、メンバーが間違った方向に行っているときには、方向性を示すこともあります。
正しい方向に導くために、間違った方向にいっていたら、言いづらいことでもしっかり伝えて軌道修正するということも必要です。
1-3.支配型リーダーシップとの違い
【支配型リーダーシップ】というのは、よくあるトップダウン型の指示系統でリーダーシップをとることをいいます。
トップダウン型の指示系統なので、一方的なコミュニケーションになりやすく、
権限を使って人を動かすやり方になるため、円滑なコミュニケーションは取りにくい場合があり、モチベーションも上がりにくい傾向にあります。
また、目的やビジョンは掲げますが、行動の軸が【自分】にある場合がほとんどです。
【支援型リーダーシップ】と言われるサーバント・リーダーシップは、先にお伝えしている通りコミュニケーションの取り方が違います。
部下の考えに耳を傾け、方向性を示して目的の達成のために必要な支援をしていきます。
それにより、コミュニケーションは円滑になりやすく、部下のモチベーションも上がりやすくなります。
また、サーバント・リーダーの行動の軸は【組織のミッションや価値観】【メンバーへの奉仕】にあります。
このように、同じリーダーシップではありますが【支配型】と【支援型】では、コミュニケーションや目的など、方向性が大きく異なるのです。
2.サーバント・リーダーシップ誕生の背景と注目されている理由
1章では、サーバント・リーダーの役割や、サーバント・リーダーシップが、多くの方がイメージする支配型リーダーとの違いなどを説明しました。
こちらでは、サーバント・リーダーシップが誕生した背景やなぜ、今注目をされているのかをお伝えします。
2-1.サーバント・リーダーシップが誕生した背景
『サーバント・リーダーシップ』は、1970年に、アメリカのロバート・K・グリーンリーフ氏が提唱した
「リーダーである人は、まず相手に奉仕し、その後相手を導く物である」
というリーダーシップ哲学です。
ロバート・K・グリーンリーフ氏はAT&T(米国の通信会社)マネジメントセンター所長を務め、マネジメントについて研究を重ねてきた人物です。
1970年、米国ではベトナム戦争の泥沼化やインフレによる不況やウォーターゲート事件などの影響により、混迷を極める状況の中で
国や社会を導く人物達のリーダーシップに対し、若者を中心に不信感を募らせていました。
そのような時代の中で、グリーンリーフ氏は、ヘルマンヘッセの著書『東方巡礼』から、
奉仕に関するアイデアを得て、この『サーバント・リーダーシップ』を提唱したと言われています。
彼はリーダーシップの研究の中で、『サーバント・リーダー』という言葉を生み出し、
1970年に【リーダーとしてのサーバント】というエッセイを発表し、米国における、サーバント・リーダーの認知度を上げました。
サーバント・リーダーシップの考え方は、スティーブン・R・コヴィーをはじめとした多くの賢人から称賛されています。
また、マネジメントの父とも言われているピーター・ドラッカーは、
『私が今まで会った人物の中で最も賢い人』とグリーンリーフ氏を評しています。
2-2.サーバント・リーダーシップが注目されている理由
現代は、急速なビジネス環境や労働環境の変化、また働き方の多様性から、
昨日の常識が今日の非常識となるような、先行きが不透明で予測が困難なVUCA(ブーカ)時代とも言われています。
様々な変化に対応していくことや、不測の事態への対応をしていくためには、
リーダー1人の判断で組織を動かす、トップダウン型のマネジメントだけでは成り立たないことも出てきています。
サーバント・リーダーシップは、部下を支援することにより、
メンバーそれぞれに当事者となってもらい、目的に向かって皆で一丸となり取り組んでもらえるような自発性を促す手法としても注目されています。
また、部下の能力や特性を活かすことにより、モチベーションの向上や組織の活性化にもつながる手法として必要とされる考え方ともいえます。
3.サーバント・リーダーがもつ10の特性
ここまで、サーバント・リーダーについての概要を説明してきました。
では、実際にサーバント・リーダーシップを取り入れて実践していくために、
NPO法人日本サーバント・リーダーシップ協会の10個の特性の定義と共に、心理学的な観点も含めてご紹介します。
3-1.傾聴
リーダーシップを発揮するとなると、発信することが多いイメージがあると思いますが、
部下と話をする時に、大切なことは、一方的に話すのではなくやはり【聴くこと】です。
人は、話を聞いてくれる人、受け止めてくれる人に信頼感を寄せます。
部下との信頼関係を築くためにも、傾聴は必須のスキルといえます。
3-2.共感
傾聴でも触れていますが、人は、自分の話に共感してくれる人に好意や信頼を示す傾向があります。
そして、共感の力が高い人は、相手の立場に立って話を聴くことができるので部下と共に課題に向き合うことができます。
3-3.癒し
リーダーは部下のモチベーションや心身の健康などにも気を配る必要があります。
組織の中で想定外のことが起きた時や、問題が発生したときなどが原因でモチベーションが低下していたり、落ち込んでしまうメンバーが出てくるかもしれません。
そのような時に、寄り添った関わりをすることで、安心感を得ることができます。
それが人によっては癒やしにもつながり、気持ちの切り替えができるようになり、活力を取り戻していくきっかけになります。
3-4.気づき
気づきの力を磨いておくことは、部下を知るためだけでなく自分の在り方や行動を整えるためにも、重要な要素になります。
部下の些細な変化に気がつくことも大切ですが自分自身の在り方も、ビジョンに対して方向性があっているか?を見つめ直すためには、日々の気づきが大切になります。
そこから得た気づきにより、部下の変化により気づくことができ、能力や可能性を引き出すことができるようになります。
また、部下に何かあった時のケアもスピーディーに行うことができます。
そして、気づきの力を高めておくことで、自分の在り方も見直すことができます。
3-5.説得
部下とのコミュニケーションで大切なことは【お互いが納得できるコミュニケーションを取れているかどうか】です。
一方通行のコミュニケーションでは、サーバント・リーダーシップにおける説得とは言えません。
立場を使って意見を押し通すのではなく、部下との話し合いを通じて双方の意見が一致できるような着地に持っていけるような関わり方が必要です。
3-6.概念化
サーバント・リーダーに必要な概念化は、組織のビジョンや価値観、長期的な目的などをしっかりと理解し、
その本質を捉えた上で部下に分かりやすく伝えるための力のことをいいます。
この、概念化の能力が高いことで、リーダーが示したいビジョンや方向性も、部下に合わせた伝え方ができる様になり、
組織が掲げた目的やビジョンに向かって、一丸となって進んでいけるようになります。
3-7.先見力・予見力
今まで培ってきた経験や現在の状況を見て、先々起こることを予測する力も大切な要素です。
この力は、サーバント・リーダーに限らず必要な力ではあります。
そして先見力・予見力を身につけることは、急速に変化する時代に中で、問題が起きた時でも、素早く最善な判断ができるようになるために重要な鍵を握っています。
3-8.執事役
執事役は【大切な物を任せても信頼できると思われるような人を指す】と言われています。
あなたに執事がいるとすると、どんな執事が有能だと思いますか?
おそらく【絶対的な安心感のある人】だと思います。
そして、執事本人のことよりも、まず主人であるあなたの利益を一番に考えてくれる人だと思います。
組織の目的やビジョンに向かって、一歩引いた立ち位置で、部下の望む方向性に導き、能力や可能性を引き出す。
そして、それを相手の利益のために真摯に取り組む。
そのようなスタンスでいることも、サーバント・リーダーには必要な要素です。
3-9.人々の成長に関わる
繰り返しになりますが、サーバント・リーダーは、【部下の能力や可能性を引き出して、パフォーマンスを上げる】ことが役割です。
そして、部下の成長に深く関わりをもち、支援していくことが大切です。
部下が成長していくことで、組織の活性化や目的やビジョンの達成にも大きな力を与えてくれます。
1人1人の部下の個性や能力、可能性を理解して、それぞれの成長を支援することにコミットできることも重要な資質の1つと言えます。
3-10.コミュニティ創り
メンバー1人1人が、それぞれの能力を活かして、最大限のパフォーマンスを発揮できるコミュニティを作ることもサーバント・リーダーの役割の1つです。
そして、メンバーそれぞれが自身の特性を理解して、協力し合いながら成長していけるコミュニティをつくることが大切です。
サーバント・リーダーがそれぞれのメンバーを支援していくことでメンバーの主体性も生まれ、自分の考えを安心して実行に移すことができるようになります。
また、生き生きとした、働きやすい環境を創り上げることもできます。
ここまで、サーバント・リーダーシップがもつ特性をお伝えしてきました。
では実際に、サーバント・リーダーシップを実践するにあたって、メリット、デメリットになることを、ここからご紹介していきます。
4.サーバント・リーダーシップのメリット
こちらでは、サーバント・リーダーシップを実践することにより、組織に与える3つのメリットをご紹介します。
4-1.メンバーが主体的に行動できるようになる
メンバーそれぞれの能力や可能性を引き出すアプローチをしていくため、【自分を必要としてもらえている】という感覚が芽生えていきます。
それにより、もっとチームに貢献したいという意欲が高まるようになります。
- 自分を必要としてもらえている
- 大切にしてもらえている
と感じることを『自己重要感』といいます。
部下の自己重要感が満たされる事で、それぞれが主体的に動ける様になり組織の活性にも影響を与える事でしょう。
4-2.メンバーのモチベーションが高まる
4-1でも触れたように、メンバーが主体的に行動できる様になり、さらにはより良いステップを踏める様に支援をすることで、
部下はさらに頑張ろうというモチベーションにつながります。
サーバント・リーダーは部下の能力や可能性を引き出すことと同時に、モチベーションを高めて維持していくための支援も必要です。
4-3.コミュニケーションが円滑になる
人は、自己重要感が満たされることで、相手への信頼度も増します。
そして、相手への信頼度が増すことにより、よりオープンな会話ができるようになります。
サーバント・リーダーシップに大切なことは、相手を尊重したコミュニケーションを取ることで【オープンな会話ができること】でもあります。
オープンな会話ができることにより、部下の考えていることや望む方向性などをしっかりキャッチできるようになるからです。
それができるようになると、組織全体のコミュニケーションにもいい影響を与えていきます。
5.サーバント・リーダーシップのデメリット
何事にもメリットもあれば、デメリットもあります。
こちらでは、サーバント・リーダーシップを実践するにあたってデメリットになりうることをご紹介します。
5-1.意思決定や方向性の調整や決定に時間を要する
サーバント・リーダーシップでは、組織の目的やビジョンを達成するために【部下との関わり】が大切になります。
その関わりの中で、トップダウンの指示ではないため気づきを促していくことや、
メンバーと話し合いを通して、双方の合致する点を見つけることに時間を要してしまいます。
場合によっては、一刻を争う場面での決定も必要になるかもしれません。
そのようなときには、トップダウン型のリーダーシップを発揮した方が良いという場合もあります。
5-2.やり方が合わず脱落するメンバーが出る場合もある
サーバント・リーダーシップは、メンバーそれぞれの個性や可能性を引き出す手法ですが、
中には、トップダウンで指示を出した方が、スムーズに動けてパフォーマンスが高くなるメンバーもいます。
どんな方法でも【万人にピッタリ合致する】ものを見つけることは不可能に近いです。
サーバント・リーダーシップにこだわり過ぎてしまうことでメンバーのパフォーマンスが落ちてしまうのは本末転倒です。
そして、メンバーの適正に合わせた関わり方で接していくことも、ある意味サーバントリーダーシップになります。
6.サーバント・リーダーシップ力を高める3つの鍵
サーバント・リーダーシップを実践していくにあたって、2章でお伝えした、10個の特性を自分のものにした上で、
より、あなたのリーダーシップ力を発揮するための3つのスキルをご紹介します。
このスキルや能力をもっていることで、あなたのリーダーとしての価値だけでなくあなたの市場価値も、ぐんと高めていけるスキルをお伝えしていきます。
6-1.コミュニケーション能力
仕事を進めていく上で、よいパフォーマンスを発揮することや、メンバーのモチベーションを高めていくためには、
【質の高いコミュニケーション】をとることは必須です。
そして、コミュニケーションのなかでも大切なのは、サーバント・リーダーシップで最も大切とも言える【信頼関係】です。
人は、自分の望んでいることを望むタイミングで引き出してくれる人を信頼し、好意を寄せていきます。
相手の気持ちを汲み取るためには、人の心理を知っておくことが大切です。
トップダウンでないからこそ、相手の心を掴み、信頼を勝ち取れるコミュニケーション能力を高めておくことは、
サーバント・リーダーには必須のスキルともいえるでしょう。
6-2.コーチング
サーバント・リーダーシップで大切な要素の1つとして、【部下の気づき】を促すことがあります。
部下の能力や可能性を引き出す、モチベーションを向上させる、気づきを促すために効果的な関わり方に『コーチング』があります。
コーチングは、メンバーに【気づき】を促すために必要なアプローチを、アドバイスすることなく、自然と促すことができます。
コーチングを学ぶことで、リーダーとしてのあなたの適用範囲が広がり、組織の活性化にもお役立ていただけることでしょう。
6-3.洞察力
メンバーに奉仕するというスタンスで接するサーバント・リーダーシップでは、
【メンバーの本当の思い】に気づく力や、チームに起きている現状などの本質を見抜くことが非常に大切です。
一口に奉仕すると言っても、相手の望む事に対して奉仕しないことには、双方にメリットはありません。
物事の本質を見抜く洞察力を鍛えることは、あなたのリーダーとしての手腕だけでなく、リーダーシップの幅も広げてくれます。
また、洞察力を鍛えることにより、相手の求めているものがわかる様になり、相手の立場に立ったコミュニケーションも取れる様になります。
ここまで、サーバント・リーダーシップにとって大切な能力をお伝えしました。
コミュニケーションや気づきを促す力、物事の本質を見抜く力は、組織内のみならず、人との関わりの中で必要な大切な力です。
そして、これらの力を高めて深めていくためには、人の心理を学び、継続した実践が効果的です。
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7.サーバント・リーダーシップの導入事例
ここまでサーバント・リーダーシップについて実践における大切なことなどをご紹介してきました。
最後に、実際にサーバント・リーダーシップを導入している事例を3つご紹介します。
7-1.スターバックスコーヒー
アメリカに本店があり、日本全国に1900店舗以上を展開しているスターバックスコーヒーは、サーバント・リーダーシップを導入している企業のひとつです。
スターバックスコーヒーの成功の秘訣とも言えるのが【人を大切にする文化】です。
1人1人を尊重し、大切にするという文化を継続してできたビジョンが従業員の方から出た
「人々の心に活力と栄養を与えるブランドとして世界で最も知られ、尊敬される企業になる」
このように、従業員の意見に耳を傾けて組織の目的を達成していくサーバント・リーダーシップの方法により、
トップダウン型の関わり方では出すことができなかった、大きなビジョンを手に入れ、
スターバックスコーヒーは誰もが知る、世界的に有名なコーヒーチェーンに成長しました。
7-2.旭山動物園
「行動展示」という展示方法で有名になった、北海道の旭山動物園の前園長の小菅正夫さんのお話しをご紹介します。
閉園寸前の状態から、上野動物園を抜いて日本一の入園者数を記録したその背景にある【行動展示】が作られた背景には、小菅氏の組織づくりに秘密があります。
小菅氏は、「理想の動物園」というビジョンについて話し合いを行い、その中で、【全員が自分が今できることをやる】という方針を掲げます。
マーケティングや組織改革の知識がなく、できることをするしかないという状況の中で、
小菅氏の人の長所を活かそうとする姿勢が職員一人一人の才能を引き出すこととなり、
話す事が苦手だった職員が始めた、動物の説明の際に、餌を食べる瞬間をわかりやすく見せるという手法が、今の【行動展示】という発想につながりました。
小菅氏の『人への成長の関与』や『コミュニティ創り』の手腕はまさにサーバント・リーダーシップそのものと言えます。
7-3.ロート製薬
目薬などで有名なロート製薬も、サーバント・リーダーシップを導入して18期連続の増収を達成しています。
ロート製薬では【日常のコミュニケーション改革】が増収の大きな要因の1つだったそうです。
ある支社では、役員や上席の席を部屋の奥ではなく社長も含め通路側の席に席替えをしました。
これにより、普段話しかけづらい社長や役員、上席に対しても普通に歩いていて目が合うので気軽に報告をしたり相談ができるようになったそうです。
また、社長以下の肩書を呼ばず【さん】で統一するということも実施されています。
これにより、肩書きに甘えて部下の成長を止めてしまうということを防ぐ効果や上司側も立場で納得させるコミュニケーションができなくなったことで
双方のコミュニケーションに変化ができ、部下の成長にもつながったそうです。
これらの事を実践したことにより年間5個しか出せなかった新製品が年間200個出せるようになったそうです。
■あなたらしいリーダーシップをとるために
ここまで、サーバント・リーダーシップの考え方や特性、そして、あなたのリーダーシップ力をより高める方法などをご紹介してきましたがいかがでしたでしょうか。
今回ご紹介した内容の中には、サーバント・リーダーになるためだけでなく、あなたの人生、仕事や人間関係にも活用していただける内容もお伝えしました。
サーバント・リーダーシップという、もしかすると耳慣れない考え方だったかと思いますが
あなたのリーダーシップの取り方、考え方を広げてくれる手助けになりますと嬉しく思います。
※参考文献