人事評価でよく用いられる自己評価。
もしくは、あなたが
マネジメントや人事の方であれば、
「自己評価を導入してくれと言われたが
いまいち活用方法がわからない。」
「自己評価に対して、どのように指導や
フォローしたらよいかわからない。」
このような状態かもしれません。
そこで、この記事では、
自己評価の役割や
メリットなどの基本から、
自己評価の傾向に対する考え方まで、
ご紹介します。
目次
1.自己評価とは?
自己評価とは「自分に対する評価」のことです。
人事評価で使われる場合には、「自己評価」には次の2つの役割があります。
- 自分を評価するための制度・指標
- 人事評価の資料
下記で詳しくお伝えしていきます。
①自分を評価するための制度・指標
自己評価を導入すると、評価対象となる方が、自分の行動や結果について、振り返る機会を設けることができます。
評価項目や基準を共有し、本人が自分自身で、自分の得意・不得意や自分の課題について評価できるようにします。
ポジティブな評価ばかりで過大評価な人もいればあまりにもネガティブで過小評価な人もいます。
自己評価とは自分自身の価値観の現れとも言えるものです。
そのため、人によって偏りが起こるという特徴があります。
②人事評価の資料
人事評価の際に、自己評価の内容を持ち寄ることで、自己評価と上司からの評価をすり合わせやすくなります。
人事評価は評価者が一方的に評価を伝えることも可能です。
しかし、自己評価を用いることで、評価に対する認識のすり合わせができ、納得感やモチベーションの維持・アップに繋がるというメリットがあります。
一方的な評価とならないように、「自己評価」というシステムを用いることは、非常に大切です。
2.自己評価を導入する5つのメリット
自己評価を導入しなくても人事評価を行うことは可能です。
しかし、自己評価を導入する企業は多くあります。
なぜ導入しているのでしょうか。メリットを5つご紹介します。
2-1.認識のすり合わせができる
自己評価は【評価者】と【評価対象者】の認識をすり合わせるうえで、非常に重要な役割を持ちます。
例えば、評価面談を行う時、下記のような状況があったとします。
上司による評価 | 部下の自己評価 |
問題なく、業務を進めていると判断し、高い評価をつけた。 | 実は業務の進め方が分からず苦戦していた。 本当はもっと早く完了できたと判断したため、自己評価を低くつけた。 |
このように、本来であれば評価すべき内容について、「評価されるべきでない」という風に部下が認識している状態です。
この場合、評価対象者が自己表現が苦手で、周囲へ状況や感情が伝わりにくいのかもしれません。
もし、自己評価の制度がなかった場合【評価者】は【評価対象者】の現状に気づき助けてあげることができません。
自己評価があれば救いの手を差し伸べることができる可能性があります。
1人で悩むよりも誰かと悩んだほうが気持ちも軽くなりますし、良い解決案が浮かぶ可能性も上がります。
自己評価を導入することで、表面だけではわからない部分に気づくことができるようになるでしょう。
2-2.評価に対する社員の納得感を高められる
自己評価を導入することで社員の現状を掴むことができるようになります。
自己評価を踏まえお互いに共通の認識を持って評価できることで、評価に対する納得感を高めます。
例えば、上司と部下の評価が違ったときに、自己評価があると比較しながら話を進めることができます。
比較することで足りない部分も明らかになりますし、それを自覚しているのか否かも判断することができます。
理由を明確に伝えられることでより納得感を高めることができるでしょう。
2-3.社員のモチベーションがあがる
自己評価を導入することは、社員のモチベーションを上げることにも繋がります。
上司の一方的な評価に納得できない場合、社員のモチベーションは下がってしまいます。
しかし、評価に自己評価を取り入れると自分の意見も反映され、納得感を得ることができます。
また、自分自身について評価することで前回との変化を感じることができ、成長を実感することができます。
自分自身の変化が見えるようになるため、モチベーションを上げることができるのです。
2-4.社員の自己評価の点数で傾向がわかる
自己評価から、社員それぞれの傾向を知ることもできます。
自己評価が高い人、低い人では面談時などコミュニケーションの取り方が変わってきます。
例えば、自己評価が
・高すぎる社員に対しては
「自信を持って仕事に当たってくれていて、とても助かってるよ。
今、チームとして○○が弱いから、そういった力も伸ばしていって欲しいと考えています。」
・低すぎる社員に対しては
「物事に対して深く反省できるのは、強みだと思います。
そして次にどんな行動をするかが重要になってくるので、それについても考えてみましょう。
あとは物事について、プラスとマイナスの両面から見れるようになると、さらに良いと思います。」
など
それぞれのタイプに合ったアプローチが必要です。
極論、「自己評価」の活かし方次第で、本来のパフォーマンスがほとんど引き出されない可能性もあれば、最大限に発揮させていくことも可能なのです。
これは、自己評価をする当事者においても、面談で判断材料としてみる上司の立場においても言えることです。
2-5.社員自身で現状把握や振り返りができる
自己評価を行うことで自分の現状を把握することができたり、今までの振り返りをすることができます。
日々過ごしているとなんとなく時間が過ぎてしまったり、日々の業務に追われるだけになったりしてしまう可能性があります。
自己評価をする機会があることで
- 今はどこで躓いているのか
- ここまでの期間で何ができるようになったのか
- 自分にとっての課題は何か
など
自分について理解を深めることができます。
次の行動や方向性を明確にするためにも、自己評価は有効と言えます。
自己評価の仕組みがなかった場合、自分を振り返るきっかけが生まれないため、主体性が育まれなくなってしまう恐れがあります。
自己評価という制度は、社員が目的や行動指針を明確にするよう促すために効果的です。
3.自己評価が高い人の特徴
自己評価が高い人にはいくつかの共通点があります。
そして、自己評価が高いことは、一見メリットが多いように見えます。
しかし仕事をしたり、評価をするうえで、実はデメリットとなる部分も存在するのです。
自己評価が高い人の特徴について、メリット・デメリットを含めて5つご紹介します。
3-1.自信家
自己評価が高い人の特徴として、自信家であるケースがあります。
実際に結果を出していて自信を持っている場合には問題はありませんが、
「結果を出さず根拠のない自信ばかりを持っている」などの
意識の高さに行動が伴っていないようなタイプの自信家であった場合、注意が必要です。
例えば、何かを依頼されたときに
なんでもかんでも「できます!」「やります!」と言ってしまっていると、
結局完遂することができず、周囲に迷惑をかけるなどの問題に発展する可能性もあります。
この場合、正しい自己評価ができるようにアプローチしていく必要があります。
3-2.立ち直りが早い
自己評価が高い人は、立ち直りが早い傾向があります。
この特徴を持つ人の中でも2つのパターンに分類できます。
- 物事を正確に捉えた上でポジティブに捉えることができる。
- 物事の本質を捉えずにポジティブに捉えてしまっている。または、他責にしている
前者であれば、物事を正しく振り返った上でネガティブに捉えることなく次に繋げることができます。
後者は、物事を正しく振り返ることなく、運が悪かっただけなどと次に繋がらないような捉え方をしてしまう可能性があります。
一概にどちらのパターンが悪いということは言えませんが、後者の思考パターンを持つ方には注意が必要です。
できるだけ正確に振り返りができるように促していきましょう。
3-3.プライドが高い
自己評価が高い人の特徴として、プライドが高い傾向があります。
自分のプライドを守るために他責にして、自分の非を認めることができなかったり、自分の正しさばかり主張し、臨機応変に動くことができなかったりします。
このような場合、周囲から敬遠される可能性すらあります。
社会人として周囲と良好な関係を築くことができないのは致命的です。
そうなる前に対策が必要です。
他者の優れたところを考えられるように
「最近、周囲の人がしていることを真似したい、取り入れたい!と思ったことはある?」
などの問いかけをしてみることをオススメします。
成長のための行動を、自分自身で考えてもらうことが重要です。
3-4.自己アピールがうまい
自己評価が高い人は、自己アピールがうまい場合があります。
自己アピールがうまいことは、世の中を生きていく上でとても必要な能力です。
- 自分の魅力や強みに気づくことができている
- 他者に自己を魅力的にに伝え売り込む術を知っている
このような能力に長けていると言えます。
自分が信じていることに対して話す場合、自然と伝え方が強くなり、上司へ印象付けることができます。
しかし、アピールの内容が根拠のないことだったり、アピールしていることと実際の行動が異なっていたりしているとしたら問題です。
どちらのパターンなのかを見分けアプローチを考えることが必要です。
3-5.他の人を見下す傾向がある
自己評価が高すぎになっている場合には、他の人は自分より劣っていると思い込み、人を見下してしまう場合もあります。
自分の主観で物事を判断し、正確な判断や把握ができない状態にあると言えます。
この傾向を持っていると何か問題が起きたときに
「あいつの能力がないから問題がおきた」
などと他責ににしてしまう可能性も出てきますので注意が必要です。
原因を正しく判断できるように、まずは自分の考えが含まれない、事実を聞いてみると良いでしょう。
4.自己評価が低い人の特徴
自己評価が高い人と同様に、自己評価が低い人にもメリット・デメリットがあります。
それらをふまえて、特徴を5つご紹介します。
4-1.自信がなく、ネガティブ
自己評価が低い人の特徴として自分に自信がなく、ネガティブな場合があります。
周囲から見ると、自信を持っても良いくらいの能力値を持っているにも関わらず、自分ではポジティブに捉えることができなかったり、
「どうせ」が口癖になってしまっていて、ネガティブな方向に考える癖がついてしまったりしがちです。
ネガティブな思考パターンが身についてしまっている場合、周囲が褒めても本人に大きな影響を与えることは難しいです。
なぜなら、人はネガティブな方に、より思考が引っ張られてしまう生き物だからです。
本人が自信を持って、ポジティブな思考ができるように促すことが必要です。
4-2.褒められても素直に受け入れられない
自己評価が低い人は褒められても、素直に受け入れられないという特徴があります。
自分の中で納得がいかない限り、褒められても素直に「ありがとうございます」ということができず、
「でも」、「いや」という否定の言葉が出てきてしまう場合が多くあります。
その結果、自己評価の低さに繋がっています。
また、自分を客観視することが苦手な可能性があります。
主観で捉えるのではなく客観的に見て
- 自分がどこに位置しているのか
- できていることは何か
- 足りない要素は何か
などを判断していくことが必要と言えます。
4-3.自己主張が苦手
自己評価が低い人の特徴として、自己主張が苦手な場合があります。
4-1でお伝えした通り、自己評価が低い人は自分に自信が持てないため、自分の発言にも自信を持つことができません。
また、自分の発言により周囲にどう思われるのかというネガティブな思考が出てくるため、積極的に自己主張をすることができなくなっています。
自分自身の見られ方に敏感な場合も多く、目立つことを避けたり、自主的に判断して動くことを苦手としています。
意識的に話す機会を与えてあげることも必要でしょう。
4-4.自己否定しがち
自己評価が低い人は、自己否定しがちになってしまう傾向があります。
自己否定してしまう方は、それぞれにそうなってしまった背景をお持ちです。
全員が全員そうであるというわけではありませんが、
- 幼少期にあまり褒められずに育った
- 過去に自尊心を傷つけられるような体験をした
- 他者と比較される世の中で育った
などの原因があります。
過去の体験から自分に対して、否定的な感情を抱くようになってしまっています。
肯定的なことを一緒に探したり、考えられるように促していく必要があります。
4-5.切り替えが苦手
自己評価が低いと、切り替えが苦手な傾向があります。
何かミスをしてしまった際、事の大小や解決状況に関わらず、ミスを引きずってしまうことがあります。
切り替えができないことで本来の力を発揮することができない、
落ち込んでいることで周囲の空気も良くない方へ流されてしまう、このような恐れがあります。
マイナス面だけでなくプラス面にも目を向け、次の行動や目標をたてられるように促しましょう。
まとめ
いかがでしたしょうか。
「自己評価」の活用は、組織をより活性化させていくために重要なシステムです。
社員の成長と、それぞれに合わせた適切なマネジメントやフィードバックは、企業の土台をより盤石にしていくことにつながります。
この記事でご紹介した内容がご参考になれば幸いです。
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