自己効力感とは何か。
仕事や人生の成果に大きな影響を与える、
「自己効力感」についてお伝えしていきます。
カナダの心理学者アルバート・バンデューラが提唱した自己効力感は、仕事や人間関係など、人生のあらゆる分野で影響を及ぼす自己への認知のことです。
これが高いと、成果や結果また達成や成功を手に入れやすく、逆に低いと諦めや無気力といった、望まないネガティブな日々を手に入れる可能性が高まります。
自己効力感とは何か、それを高めるための4つの要因と、具体的な方法7つを厳選してご紹介します。
もし、今よりも仕事や人生のパフォーマンスを上げたい方は、必読です!
著者:足達 大和 全米NLP協会公認・NLPマスタートレーナー |
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当メディアサイトの運営元である「NLP-JAPAN ラーニング・センター」の専属トレーナー。 NLP-JAPANラーニング・センターとは、日本最大手の「NLP総合スクール」で、NLP業界の世界5大組織と連携。日本で唯一、NLPの基礎から大学院レベルまでの学びを提供している日本最高峰のNLPトレーニング機関。 |
目次
1.自己効力感とは?
自己効力感とは、「自分には達成できる」「それは完遂できる」「乗り越えることができる」といった、平たく言えば自信のような感覚です。
心理学者バンデューラが唱えたもので、
それぞれの状況や場面における可能性の認知を指し、「セルフ・エフェカシー(self-efficacy)」とも呼ばれています。
自己効力感が高いと、ある困難な状況において、ポジティブで建設的な行動を起こすことができる可能性が高まります。
その一方で自己効力感が低いと、「どうせできない」「やってもムダ」といった停滞状態を生み出しやすくなります。
1-1.自己肯定感との違い
似た言葉に「自己肯定感」や「自尊心」といった言葉があります。
-
自己効力感
自己効力感は自分の能力に対しての認知のことです。
「自分ならできる」と思える度合いとも言えるかもしれません。
自分が得意な分野なら自己効力感は高く、反対に苦手な分野なら低くなる傾向があります。
状況や取り組む内容によって自己効力感の高低は変わってきます。
-
自己肯定感や自尊心
自己肯定感や自尊心は自分の存在価値への感情として使われる言葉です。
自己効力感とは違い、状況によって高い・低いが変わるのではなく、どんな状況でも自分を認め、肯定してあげられることです。
自分のプラスの面、マイナスの面も含めて自分を肯定できる感情です。
1-2.3種類の自己効力感
少し専門的になりますが、実は自己効力感には3つの種類があります。
自己統制的自己効力感
自分をコントロールする自己効力感のことです。これまでの経験やこれから取り組むことへの見立てによって高い・低いは変わってきます。
一般的に言われる自己効力感はこの意味で使われます。
-
社会的自己効力感
社会や集団生活など、人との関わりにおける自己効力感のことです。
例えば、社会的自己効力感が高ければ、初めての環境で初対面の人と関わる場面でも「この人たちと上手くやっていける」と思える度合いが高いでしょう。
-
学業的自己効力感
学び、学業における自己効力感のことです。
必死に勉強して合格したテストや受験など、学びにおいて良い成果を出せている人は、学業的自己効力感が高い傾向にあります。
小さい頃に学業的自己効力感が高いとその後も勉強や学習において意欲的に取り組むことができます。
1-3.自己効力感が高いとどうなるのか?
自己効力感が高いということは、「それはできる」「成し遂げられる」といった認知が高いので、以下の可能性が高まります。
- 人間関係を良好にすることができる
- 業績向上に向けて、チャレンジすることができる
- 目標を達成できる
- トラブルや逆境を乗り越えることができる
- 自分の感情や行動をコントロールすることができる
逆に自己効力感が低いと、
- どうせムリ、とすぐに諦めやすくなる
- モチベーションが上がらず、チャレンジもしない
- 人に責任転嫁して、言い訳が多くなる
- 自分を過剰に責める
- 仕事も勉強もできないと、劣等感を持つ
以上のような傾向になる可能性があります。
つまり機会や人脈に恵まれていても、自己効力感が高いか低いかによって、チャンスをものにできたり、また運をつかむといったことに大きな影響を与える可能性があります。
参照記事はこちら
1-3.自己効力感を決める4つの要因
ここでは、提唱者の心理学者バンデューラによる4つの自己効力感を決める先行要因についてご紹介します。
- 達成経験:過去に目標を達成した経験のことです。
これは過去自分が何を達成したか、自分自身でどんな体験をしたか。何をどれぐらい体験したか、その経験値によって決められるというものです。 - 社会的説得:自分にスキルや能力があることを、言葉で承認や説得されたことです。シンプルに表現すると「ほめられる」ことです。自分の行動や達成を他者から承認されたり、褒められたりする経験です。
- 代理体験:他の誰かの目標達成を観察することによって起きる経験です。スポーツでも勉強でも、ビジネスでも、成功した他者を観察し、疑似的な成功体験によって起きるものです。
- 生理的感情的状態:やる気やモチベーションが生じる生理的感情的状態のことで、身体的管理が大切であると言います。
1-4.具体的な実践例
NLPを指導する筆者自身はもちろん、数多くのクライアントに今回の自己効力感を高める指導をしながら、非常に効果的だった例をご紹介します。
NLP(神経言語プログラミング)とは、卓越性の研究で、各分野で突出した成果を生み出す人たちは何をしているのか、それをパターン化したものです。今回の自己効力感をはじめとする心理学の様々な理論を誰もが活用できるようにしたスキルです。
事例1 業績がアップ
提案できる内容はあっても、それをわかりやすく伝えるスキルがなかった。
2章でお伝えする「学習の5段階」を活用して習得し、
自分のコミュニケーションスキルに自信や確信が生まれた。
具体的な結果として、新規受注だけでなく、リピートオーダーが増えた。
事例2 部下の育成
自分のことはできても、部下の育成やマネジメントへの介入がうまくできなかった。
自己効力感の要因「言語的説得」を応用したメンバー同士の承認の時間を導入。
営業成績で全国トップになれた。
事例3 プレゼンや説得力の向上
努力はするものの、もう一歩のツメの甘さで、提案が通らない。
モデリングを活用し、理想のプレゼンテーションができるようになった。
今では、プレゼンの研修を社内で依頼されるようになり、会社からの評価が上がった。
これらは事例の一部です。
次章では、上記事例の他、数多くの達成や成功を可能にした具体的な方法をお伝えします。
2.厳選!自己効力感を高める7つの方法
ここでは、自己効力感の4つの要因、「達成経験」「社会的説得」「代理体験」「生理的感情的状態」を具体的にどのように活かしていくか、以下の内容になります。
- 過去のポジティブな出来事の書き出し
- イメージの活用(NLPのVAKモデル)
- NLPのモデリング
- NLPのアンカリング
- 「学習の5段階」に沿った具体的スキルの習得
- 適切な目標設定をする
詳しい解説は下記にて掲載いたしましたのでぜひ、ご参照ください。
2-1.過去のポジティブな出来事の書き出し
「達成経験」は、あなたの自己効力感を高める要因の一つです。ここでは、その要因をこれからの未来に引き出すために、過去どんなことを達成してきたか、それをリストで書き出します。
このリストは、誰かと比べる必要はありません。
あなたができた、達成した、また褒められたといった体験を以下のリスト例を参考にしてください。
【リスト例】
- 幼稚園の時に「絵が上手だね」と先生に言われた
- そろばんで○級になれた
- 小学校の時、運動会で一番になった
- 〇〇の資格を取得した
- 分厚い本を読みきった
- 職場の人に挨拶を褒められた
- 家族を旅行に連れて行った
- 「パパ大好き!」「ママ大好き!」と子どもが言ってくれた
- 仕事の目標が達成できた
- トラブルを乗り越えられた
- 新規事業立ち上げに成功した
書き出しながら、思い出し、
思い出しながら、その体験に浸っていく。
こういった書き出したリストを見返すだけでも、あなたの自己効力感を育てるアプローチになり、「この〇〇ができたのなら、☆☆もできる」といった前向きな気持ちや感謝といった肯定的な状態を創り出すことができます。
2-2.イメージの活用(NLPのVAKモデル)
要因の一つである「代理体験」で、あなたの自己効力感をさらに高める秘訣が、VAK(ヴィ・エイ・ケイ)を活用したイメージ法です。
VAKとは、「視覚」「聴覚」「触覚」「味覚」「嗅覚」の五感のことです。
NLPでは、この五感を「視覚」「聴覚」、そして触覚、味覚、嗅覚を含む「身体感覚」の3つに区分しています。
- 視覚(Visual)
- 聴覚(Auditory)
- 身体感覚(Kinesthetic)
これら3つの感覚の頭文字をとって、VAK(ヴィ・エイ・ケイ)と呼んでいます。
達成した時のあなたに何が見えるか(V)、何が聞こえるか(A)、何が体で感じられるか(K)、と3つの媒体からイメージの質を上げ、よりリアルな情報として脳にその体験を処理させます。
以下の質問を参考にし、よりクリアな心で感じられる想像をしてください。
- 達成したら、何が見えるか、誰が見えるか。
- 達成したら、何が聞こえるか、誰がどんな言葉をかけてくれるか、その時に自分の内側でどんな声が聞こえるか。
- 達成したら、体がどんな状態になり、どんな気分で、どんな感情を味わうのか。
【脳は現実とイメージの区別がつかない】
という特徴があります。このVAKの3つの媒体から想像的体験を豊かにすることによって、すでに達成してきたこと、何度もやってきたこととして、脳は情報を処理し、自己効力感を高めることに役立てられます。
2-3.アファメーションの活用
自己効力感を決める要因の一つである「社会的説得」をサポートするために、アファメーションを活用します。
アファメーションとは、なりたい自分にふさわしい文言をつくって、何度も言ったり、見たり、聞いたりすることで、自分自身に健全な「思い込み」をつくります。
ここで、アファメーションの文章の型3つをご紹介します。
①肯定的な表現にする
肯定的とは、目標設定のところでお伝えしたように、あなたが手に入れたいもの、欲しいもの、引き寄せたいものを文章にするということです。
「××ではない自分」ではなく、「〇〇している自分」といった文を作るということです。
【ダメな例】
私は、おどおどしない自分だ。
私は、不健康にならない。
私は、人前でも緊張しないようにする。
【肯定的に表現された例】
私は堂々としている自分になりつつある。
私はより健康になっている。
私は人前でリラックスすることを楽しめている。
事例でわかるように、欲しくない状態ややめたいことを文章にするのではなく、
欲しい状態、なりたい状態が記されていることが重要です。
「白い猫をイメージしないでください」
こういった文章を理解しようとするとき、私たちの脳はそのことを理解しようとして「白い猫」を意識したり、イメージしないと処理できない特徴があります。ですので、
「しない」代わりに「何をしたいか」。
「やめたい」代わりに「どうなりたいか」。
ここを意識して作成してください。
②ビリーフ(思い込み)の型に当てはめる
実践心理学、また脳の取扱説明書と呼ばれるNLP(神経言語プログラミング)では、私たちにプログラミングされている思い込みの文言には、いくつかの型があると考えられています。
NLP(神経言語プログラミング)のトレーナーとして指導してきた筆者が、その中でも、ぜひとも知っておいていただきたい文言の型をここでは2つご紹介します。
一つはX=Y。もう一つはX⇒Yという型です。
■X=Y(XイコールY)
X=Yとは、XとYの関係がイコールである、という型です。例としては、
私は、できる
私の能力は、卓越している
私の話は、人を感動させることができる
というものです。
■X⇒Y(XだからY)
もう一つのX⇒Yは、
「Xだから、Yである」、また「Xすると、Yになる」、という因果関係を表す型です。
私だから、できる
行動すれば、達成できる
自分を大切にするから、人を大切にすることができる
こういった型を活用することで、思い込みはつくりやすくなります。
③許可型を活用する
許可型とは、「私は〇〇してもよい」という形で、自分に許可を出すアプローチのアファメーションです。
思い込みには、自分の中の憲法や法律のようなものもあり、「やっていいこと」「いけないこと」の判断が無意識の中にあります。
「苦しくても、仕事で楽をしてはならない」
「やりたいことがあっても、身分相応でなければならない」
「人に頼ってはいけない、迷惑をかけてはならない」
こういった思い込みが過剰にあると、「新しい何かにチャレンジすること」「何かを目指すこと」「人とつながること」「より良いコミュニケーションを取ること」などが行いにくくなります。
上記の文言を許可する形でつくると、
「私は仕事をもっと楽しんでよい」
「私は理想にチャレンジしてもよい」
「人の力を借りてもよい。私は自分をもっと大切にしてもよい」
というように、許可型のアファメーションを活用することにより、欲しい結果に向けて、小さな一歩を踏み出したり、新しい行動を生み出せるようになります。
以上のようにアファメーションを行うことによって、「やる気を高めたい時」「リラックスしたい時」「ピンチや逆境を打開したい時」といった意識を素早く切り替えたい時にも役立ちます。
また思い込みの力を活用すれば、無意識に自然体で、積極的な思考や行動ができる効果が期待できます。
2-4.NLPのモデリング
NLPのモデリングとは、バンデューラが提唱した代理体験をもとに、具体的なスキルとして開発された自己効力感を高める方法です。
シンプルに言えば、理想となる人を「真似る」ことです。
真似る分野としては、目で見える「外的情報」と、見えない「内的情報」があります。
ただ単に真似ようとしても、それは猿まねのように滑稽になってしまう場合がありますので、そのモデルがどのような考えで、何を信じ、何を大切にしているか、といった内的情報を取り入れることが、重要なポイントになります。
具体的には以下のステップで取り組みます。
※わかりやすいように、「プレゼンテーション」の例でご紹介していきます。
①欲しい結果を決める
欲しい結果は何か、得たいと思う成果を設定してください。
②モデルを特定する
得たい成果を手にしている人、出せる人など、モデルを決めます。
モデルは他の誰か、またはパフォーマンスを発揮していた過去の自分でもOKです。
【モデルの例】松岡修造の熱意 所ジョージの自然体 明石家さんまのユーモアなど
③目の前にスクリーンをイメージし、その中でどのようにモデルが取り組んでいるかを描き、観察する
パフォーマンスを発揮したい場面をモデルがやっている映像を想像する。
そのモデルの表情や身振りや声のトーン、呼吸などを思い浮かべ、よく観察する。
(この時にそのモデルの特徴をメモしたり、言葉にしておくと効果的です)
④モデルの中に、入り込む
スクリーンの中のモデルに、着ぐるみを着るように入り込む。そして実際に体を観察した通りに動かしてみる。
⑤モデルの視点で、五感を確認する
モデルの中に入り、以下の質問項目をチェックする。
その場面で見えているものは何か。
そこで聞こえている音、声はどんなものか。
(周囲の音や声、または自分の中で聞こえている自分の声)
そこで感じている体の感覚はどんな感じか。
呼吸はどんな感じか。
⑥モデルの中に入り込んだ状態で、4つのことをチェックする
モデルの中に入り、以下の質問項目をチェックする。
行動レベル:どんな行動をしているか、必要になるか
能力レベル:どのような手順か、必要な能力は何か、持っている可能性は何か
ビリーフとバリュー:信じていることは何か、大切にしていることは何か
使命や役割:自分の使命、社会における自分の役割は何か
※実際に体を動かしながらやるのがポイントです。
各項目の答えを考えるというより、ふっと浮かんでくる、また降りてくるという感覚を大切にしてください。
⑦スクリーンに自分の姿を映し出す
モデルから出て、イメージの中のスクリーンに、今度はモデルがやっていた通りに「自分がやっている姿」を映し出し、観察する。
⑧チェックする
もう一度、そのモデルの中に入り、違和感がないかチェックする。
※違和感を持った場合は、モデルを変えたり、イメージの中の動きを変えてみることで、効果的なモデリングができます。
しっかりとなりきることがポイントです。そうすることで、その人の思考や感情、フォーカス(意識を向けているところ)、信念や価値観などを感じることができます。
⑨繰り返す
チェック項目の内容を何度も、何度も体に定着させてください。
こういったモデリングを活用することによって、短時間でモデルの成功体験を自分にインストールすることができます。
※モデリングの詳細記事はこちらをご覧ください。
2-5.NLPのアンカリング
要因の一つに「生理的感情的状態」があります。これは一時的ではあっても、それを意図的に活用できる方法がNLPのアンカリングです。
アンカリングとは、五感からの情報をきっかけに、特定の感情や反応が引き出される
プロセスを作り出すことです。
簡単に言うと「条件付け」のことで、望ましい状態を決め、その状態を起こすためのスイッチをつくるようなものです。
アンカリングは、感情体験が強ければ強いほど、強力なアンカーがかかります。
感情体験があまり強くない場合は、繰り返しアンカリングを行うことで、
アンカーを設定することもできます。
やる気や自信、パワフルといった望ましい状態を決め、その状態が生まれる刺激をつくるためのステップを以下にご紹介します。
- リソースフルな状態(やる気や自信といった肯定的な状態)を思い出す。
- リソースフルな状態を当事者の視点で「何が見え(視覚)、何が聞こえ(聴覚)、
何を感じられるか(体感覚)」を観察し、体験する。 - 強い感情を感じる直前で、腕に触れるなどアンカリングの動作を行い、感情がピークに達した時点でアンカリングを外す。
- 一度体を動かしながらブレイクし、気分をリセットする。
- 何度か1~4を繰り返し、アンカーを強化する。
- アンカリングの動作を行うことで、リソースフルな状態が呼び起こされるか、
アンカーをテストする。
※参照サイト
このアンカリングは、自己効力感を高めるだけでなく、人前で話す時や集中したい時などにも効果的です。
2-6.「学習の5段階」に沿った具体的スキルの習得
「学習の5段階」とは、人が何かを習得する時に役立つモデルです。
各レベルを参考に、自分が今現在、位置している段階を特定して、その段階にふさわしい学習をしていきます。
ここで5つの各レベルを紹介します。
- 無意識的無能(知らないから、できない)
あなたはあることに関して何も知らず、知らないということさえも知らない状態です。
このレベルでは、まずは何を知らなければならないか、それを知る必要があります。 - 意識的無能(知っていても、できない)
あなたはあることに関して知識を得ましたが、それを実践することはできない状態です。
どんなに簡単なことでも、慣れていなければできません。逆に言うと、どんなに難しいことでも慣れてくれば簡単です。ここでは「慣らしていくこと」を目的にすることが重要です。 - 意識的有能(考えるとできる)
あなたはあることに関してある程度できるようになってきましたが、まだ習慣化されておらず、それを行うためにはある程度の集中力が必要な状態です。このレベルであれば数をこなしていきましょう。
- 無意識的有能(考えなくてもできる)
あなたは意識しなくても自動的にあることを実践することができている状態です。この段階が「できる」状態です。
- 無意識的有能に意識的有能(どこからでも教えられる)
あなたが無意識的に行っていることを、意識して人に教えることができる状態です。
この5段階をあなたの現状に照らし合わせることによって、何をすればいいのかが変わってきます。知ることが大切なのか、やることが大切なのか、数が大切なのか。あなたの「できる」を育てる指標にしてください。
2-7.適切な目標設定をする
新たな目標を設定して達成に向けてチャレンジすることは、あなたの自己効力感を高めていくことに役立ちます。
その際に気を付けたいのが、目標設定そのものについてのポイントです。
ここでは、NLPの「アウトカムフレーム」と呼ばれる目標設定の手法をご紹介します。
いくつかのポイントがありますが、中でも重要な4つについてのご紹介です。
①肯定的で、自分がコントロールできる目標にすること
アファメーションのところでもご紹介したように、肯定的というのは、「△△しない、ならない」という否定的表現ではなく、「◎◎する、になる」という表現になっているということです。
「オドオドしない自分になる」「失敗しない自分になる」、これらは否定的表現です。
「自信を持った自分になる」「達成する自分になる」、これらが肯定的表現です。
次に自分がコントロールできる表現にすることが重要です。
例えば、「子どもが受験に合格すること」といったものが悪い例です。
合格するのは子どもなので、
- 合格するために参考書や塾や模擬テスト代の費用を100万貯める
- 頭と体にいい夜食を10品作れるようにする
このように自分がコントロールできる領域を目標として設定します。
※NLPを学ばれた方でセールスの方が、売上の目標達成を掲げていましたが、購入するのはお客様なので、自分ができることとして「訪問数を1.5倍にする」と目標を立てたところ、見事に目標を達成されました。結果として、自己効力感が高まり、その後も記録を更新中だそうです。
②達成した証拠をつくる
イメージの活用でもご紹介しましたが、達成した証をVAKの五感で表現します。
あなたが目標を達成した時に何が見えるか、何が聞こえるか、何に触れ何を感じられるか、と五感で達成した証拠をつくります。
③具体的にする(5W1H)
いつまでに、どこで、何を、誰と、どれぐらいを明確に特定します。
これが曖昧だと心理的にも、脳の機能から見ても、具体的な行動が生まれません。
④周囲への影響をチェックする
何かを始める時、何かを減らしたり、増やしたりする必要があるので、周囲への影響を考慮することが重要です。
例えば「起業する」と設定したときには、家族との時間や睡眠時間などに影響が出てきますから、どれぐらいの影響が出てくるのか、そこを事前にチェックすることです。
以下の質問を参考にしてください。
- それをやると得るものは何か?
- それをやると失うものは何か?
- それをやらないと得られるものは何か?
- それをやらないと失うものは何か?
周囲に対してWin-Winの目標を設定していきます。
目標が高すぎたりすると、達成できないときに逆に自己効力感を下げてしまうため、効果的ではありません。また低すぎても、退屈や倦怠を感じ、自己効力感を高める要因にはなりません。
この4つのポイントを事前に考慮することによって、建設的な目標設定ができ、ひいてはあなたの自己効力感を高める要因になっていきます。
3.まとめ
自己効力感とは、「それは達成できる」という自分に対する認知のことです。
この自己効力感が高い人ほど、様々なことにチャレンジし、ピンチを乗り越え、達成の喜びを手にすることができる重要な要素です。
この記事では、自己効力感を高めるための提唱者のバンデューラが提唱する5つの要因を、さらに具体的にしたNLPの手法を踏まえながら取り組める7つの方法を厳選してご紹介しました。
ぜひ取り組めるところから始めてみてください!
また、自己効力感の高め方について更に詳しくご紹介している記事もございますのでご参照ください。
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