営業の仕事をしていて、スランプにハマったり、
なかなか結果が出せない。
ノルマ未達だけれど、
どうすればいいかわからず気が重い。
このような状態になっていたとしたら、
モチベーションが下がってしまいますよね。
-
「結果を出したいけど、その前にもう
モチベーションが上がらない。」 -
「毎週同じことの繰り返しで
やる気が出なくなってきた。」
そんな状況の中、
どのようにモチベーションを上げて、
そのモチベーションを維持していくかを
心理学のスキルを交えてご紹介していきます。
目次
1.営業のモチベーションを上げる、一番大事なこと
誰にでもスランプや上手くいかない時はありますからモチベーションが下がることがあるのは当たり前です。
そんな時、一番効果的なのは、
「1件、成約すること」
営業であれば、結局のところこれに尽きるのではないでしょうか。
そうは言っても、それが簡単ではないから悩むのですよね。
そこで、まずは1件成約するために大切な3つの方法をご紹介していきます。
1-1.クライアントとの信頼関係を作る(ラポール)
営業に限らず、誰かとコミュニケーションをとる場面では、相手との信頼関係を構築することはとても大切なことです。
そんな基本的なことはわかっているよ。
と思われるかもしれませんが、営業でうまくいかない時などは、成約しなければと焦って、自分のセールストークに意識が向いてしまったり、
そもそも相手が話を聞いてくれる準備ができていないのに話を切り出してしまったり・・・
うまくいっている時には決してやらないような、一方通行のコミュニケーションをとってしまい、信頼構築が十分にできていない可能性があるのです。
クライアントと、実際の商品・サービス紹介に入る前に、まずは信頼関係を築くことが重要なポイントになります。
この信頼関係のことを、心理学で「ラポール」といいます。
ラポールという言葉はフランス語で「架け橋」を意味し、 心理療法の世界では、ラポールスキルは信頼関係を構築する方法として使われています。
信頼関係を築くことができると、
「この人の話は信用できそうだ」
という心理状態を作ることになりますから、その後の紹介がスムーズに行えたり、相手の要求を聞き出しやすくなったりするのです。
さらに信頼を強固にしていくことができると、
「あなたがオススメしてくれるなら間違いない」
と、全幅の信頼を寄せていただけるような存在になることもできるのです。
まずはその基本として、 短い時間で、相手との信頼関係を築くことができる、 NLPという心理学のスキルを下記にご紹介します。
このスキルはすでにご存知の方もいらっしゃるかもしれません。
ただし、このラポールがしっかり築けていることが、成約につながる大前提、最も大事な基本です。
どんな相手とも「自然に」ラポールを築けるように徹底的に磨いていきましょう。
【ラポール(信頼関係)を築く方法例】
・ペーシング
ペーシングとは相手の話し方や状態、呼吸などのペースを合わせるスキルです。
相手との話し方や身振り手振りをこちら側が合わせていくと、相手は無意識に自分と「似ている」という感覚を感じることになります。
心理的な効果の1つに「類似性の法則」と呼ばれるものがありますが、人は自分と共通点がある人に対して、オープンマインドになりやすく、そこから親近感を感じやすいと言われています。
また、良好な関係の二人は同じ動作をする傾向が高くなります。
ペーシングというのは、この類似性の法則を逆手にとって応用させた方法です。
実際に営業の現場では、お相手が話す言語に合わせて話を進めることが効果的です。
普段は社内で専門用語を使って会話しているかもしれませんが、その商品やサービスを初めて知る方へは、相手がわかる言葉で話していくことも大切です。
初歩的なことではありますが、このような細かいところも信頼関係の構築に影響を与えているのです。
・ミラーリング
ミラーリングとは、相手の姿勢やしぐさといった「目に見える動き」を、まさに鏡のように合わせていく、という手法です。
ペーシングと同じように、類似性の法則を活かした手法ですので、深い無意識のレベルで相手と信頼関係を築く方法となります。
合わせるポイント
- ■ 顔(表情)
- ■ 上半身
- ■ 下半身
- ■ 呼吸
ポイントは、相手に「スキルを使われている」と感じさせないように、自然に行うことです。
「猿真似」のようになってしまうのは避けましょう。
・バックトラッキング
バックトラッキングとは、まるでオウム返しのように、相手が使った言葉を時おり反復しながら会話を進めていく手法です。
相手:「この前、すごく美味しいイタリアンを食べてとても幸せだったんだよね。」
自分:「すごく美味しいイタリアンを食べられたんですね。」
ポイントは、相手が言った言葉をそのまま使って会話をしていくことが大切です。
この時、相手が使った言葉を自分で解釈して自分の言葉を使うと、相手に少しぎこちない感覚が生じることもあります。
例えば、
自分:「仕事で活躍するためには挑戦が大切だよね。」
相手:「そうだよね。仕事でチャレンジすることは成功につながるね。」
という会話だと、一見「活躍=成功」、「挑戦=チャレンジ」と見えるかもしれませんが、同じ言葉を使わない事によって、
- 「ちょっと言いたいことと違うな」
- 「私の話、本当に聞いてくれてるのかな」
- 「微妙に合わないな」
といった感情や気持ちを生み出してしまう可能性があります。
- 事実、感情を繰り返す
- 相手の言ったことを要約する
これを徹底していきましょう。
1-2.クライアントの価値基準を知る
人が商品やサービスを、買う・買わないを決める際には、「価値基準(判断基準)」が存在します。
営業やセールスのシーンで、この価値基準を満たした提案をされると「買わずにはいられない」状態を作り出すことが可能になります。
つまり、相手がどのような価値基準を持っているのかを把握できたら、成約に繋げやすくなるのです。
NLPでは価値を「バリュー」と呼び、バリューの導出という方法によってこの判断基準、価値基準(バリュー)を知ることができます。
以下に、バリューの導出の例をあげてみましょう。
- 〇〇さんが商談(営業の仕事)で大切にしていることってなんですか。
- 他にも、大切にしていることってありますか。
と、雑談の中に上記のような質問を入れていきます。
相手からは、以下のような答えが返ってくるかもしれません。
- コストを最大限に抑えること
- 長く安心できること
- スピード
- 顧客の満足度
- 信頼していただくこと
- リピートしていただくこと
これらは、業種や業界、ついている役職によっても違いますし、人によっても異なってくるので返答が様々あるでしょう。
だからこそ、相手の価値観を把握することがとても大事です。
これらの価値基準(バリュー)を知ったうえで、その価値基準を満たす言葉を使って実際に商品やサービスの紹介や提案を行っていくのです。
では反対に、相手の価値基準を無視してしまうとどうなるでしょうか。
普段起きてしまっているすれ違いには、下記のような事例がよくあるのです。
相手の価値基準が何かを知らず、商品の見た目や、作業効率を推したいと考えて伝えても、なんだか反応がいまいちでした。
なぜかというと、相手はサービスや商品を選ぶ際に「長く安心して使える事」を大切にしており、見た目や作業効率はそこまで重視していませんでした。
ここで、成約につながりづらい大きな原因は、相手の価値基準に沿っていないセールスポイントばかりを推してしまい、さほど興味のない、刺さらない話をしてしまっているからです。
そこで、相手の価値基準である「長く安心して使える事」を知ることができていたら、そこを推すことが可能になりますね。
相手の価値基準を知り、それに合わせた提案をすることは営業では不可欠。
むしろ、これを知らずに営業をしていると、時間や労力ばかりかかって結果に繋がらないという、苦しい状態が続くことでしょう。
1-3.売れているセールスマンを徹底的に真似する
「徹底的に」真似する対象をまずは選ぶことから始めましょう。
どの会社でも、社内トップのセールスマンがいると思います。
そうした人の中から、この人のようになりたい、この人のような結果を出したいと思える人を決めていきます。
そして、対象が決まったら次はその人を「徹底的に真似」していきます。 これは、見た目や服装を・・という表面的なものだけを指すのではありません。
自分が望んでいる結果をすでに出している人と同じ状態・結果を実現するために、その人の行動のパターンだったり動きだったり、あるいは信念を徹底的に真似ることで同じような結果を得ようとすることをNLPでは「モデリング」といいます。
どのようにペーシングしているのか、価値基準を引き出しているのか、など、 先ほどご紹介したスキルを優秀な営業マンがどのように行っているのかも、しっかり観察して真似することから始めると良いでしょう。
モデリングを重ねることによって、その対象の方と同じようにできるような感覚をつかむことが可能になり、実際に成果が出ることにつながります。
では、効果的なモデリングの具体的な手順をお伝えします。
- 具体的な目標を設定する。
- モデリングする人を設定する。
- その人の着ぐるみを着たように実際にその人が見えているもの、聞こえているもの、 感じている感情を十分に体感していく。 そして体を実際にモデルのように動かしていく。
- 一度リラックスする。
- 改めてそのモデルに入ったときの感じを思い起こす。
これを繰り返すことで、見えてくる世界は何か、姿勢、表情や呼吸はどのような感じか、どのような信念を持っているのかということがだんだん自分にインストールされてきます。
モデリングを繰り返すことによって、自分が目指したい自分を手に入れることができます。
2.部下の営業のモチベーションをあげるための方法
ここからは、営業の部下やチームをもつ立場にいらっしゃる方へ、部下のモチベーションを上げていく方法を厳選してご紹介していきます。
営業の仕事は、売れない状態がずっと続いてしまうとメンタルダウンにつながってしまうこともあり得ます。
部下の心理面をよく把握し、それを対処していくスキルを持つことが上司、リーダーとして必須になってくるでしょう。
ここからは、部下の営業のモチベーションを上げるために、何をするべきなのか3つお伝えしていきます。
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2-1.部下が何をモチベーションで働いているのかを探る
部下のモチベーションになる「価値基準を知る」ことはとても役に立つでしょう。
部下とあなたは全く同じモチベーションで動いているわけではありません。
人それぞれ性格や好きなもの嫌いなものが違うということは当たり前のことですが、同じく、モチベーションの出し方や頑張り方も違いますね。
ここに、価値基準が満たされているかどうかが、仕事のモチベーションにものすごく関わってくる。満たされていないと退職とかにもつながっていく。的なことを入れるといいと思います。
そしてそれを日々の声がけや、フィードバックに活かすことができます。
部下と1対1で話せる機会を作り、部下に、仕事ではどんなことをしたいのか、何にモチベーションを感じるのか聞いてみます。
部下の仕事に対する価値基準が何かを明確にして、その情報をもとに部下へフィードバックを行ったり、応援したいときにはその価値基準の言葉を用いて声かけをすることができます。
このように、部下の価値基準を把握して活用することは、モチベーションアップを可能にします。
たとえば、「人の役に立つこと」が価値基準となっている部下に対して下記のような伝え方ができますね。
- 「この前、君がこの前受注してくれた会社の担当者の方が、君の話を聞いて自社に取り入れてみたら、◯◯さんのおかげで、◎%のコストダウンに繋がったってお話を聞いたよ!」
- 「部長にも、最近の君の頑張りを伝えたら沢山お褒めの言葉をいただいたよ。」
また、「達成感」が価値基準となっている部下に対しては、下記のようなアプローチが出来ます。
- ノルマに対しての達成度をグラフでわかりやすいように出す
- ノルマクリアしている、成績上位のメンバーを表彰する
上記のように、一人一人がどのようなモチベーションを持っているのか、どうしたらモチベーションが上がりやすいのか話を聞くことから始めてみましょう。
2-2.営業力強化のためにロールプレイングを行う
部下の営業はどのような流れなのか、立ち居振る舞いはどうなのか、ヒアリングはしっかりできているのか、信頼関係をお相手と築けているのか・・・ ロールプレイングを行って、一緒に振り返ることがおすすめです。
より効果的な方法は、ロールプレイングをしているところを動画で撮影し、部下とその場で一緒に見ることです。
上司であるあなたは、部下が実際に営業の場でどのような話し方をしているのかわかるだけでなく、部下は自分を客観的に捉えることができます。売れているセールスマンとの違いや、自分のイメージと実際とのギャップを見つけることができるかもしれません。
その一つ一つをどのようにしていくのか、そしてそれをまたロールプレイングしていくことが営業力を強化することにつながります。
部下が、自分の改善点がわかれば、次回の営業のタイミングで「次はこれを意識しよう」と前向きな姿勢になるかもしれませんね。
2-3.もし自信をなくしてしまっている部下がいたら「AS IF FRAME」を使う
『AS IF FRAME(アズイフフレーム)』とは、創造的な考え方を持つ事ができて、他者にも自分にも使うことのできるNLPの質問のテクニックです。
「もしも~だったら」という言葉を使って質問することにより、現在の自分の思考の枠組み(先入観や思い込み)を取り外し、別の角度や視点で物事を考え、捉え、イメージすることができます。
心理的なストレスや障壁を低くしたり、取り除いていくことで、思考のフォーカスを変えることを可能にするテクニックです。
営業職の部下との面談でこのAS IF FRAMEを応用した事例を、下記の状況を仮定してお伝えします。
部下
- 今月の稼働日が10日で目標に対して結果がまだまだ足りていない
- あと10日でどうしたらいいかわからずモチベーションが下がっている
このような状況で、上司であるあなたは部下にどのような言葉をかけるでしょうか。
AS IF FRAMEを使うと、下記のような会話ができるかもしれません。
上司(自分)
「ここまでの結果は一旦置いておこう。あなたがもしトップ営業マンだとしたら、どのような気持ちかな?」
部下
「すごく嬉しい気持ちで仕事に向き合えますね。堂々とできるというか。」
上司(自分)
「嬉しいよね、堂々とっていうと、体で表現したらどんな感じかな。」
部下
「姿勢がすごく伸びていて、肩とかもちゃんと開いてますね。話し方も堂々としてますし、声も大きいし、笑顔も眩しい感じがしますね。」
上司(自分)
「すごくいいね。そしたら残りの10日間、まずはその感じで営業にいってみよう。」
このように、部下に「もし自分がトップ営業マンだったらどうするのか」という仮定の自分を想像してもらい、それをモデリングして営業に行ってもらうように促すことができます。
営業から帰ってきた部下に対して今日の成果はどうだったのか、詳細に聞いてフォローアップしていきましょう。
- 何が決め手だったのか
- 何が原因で成約に至らなかったのか
これを一つ一つ部下が自分の言葉で表して、次回からどのようにするかヒアリングしていくことがとても効果的です。
まとめ
モチベーションが下がってしまうことは人間誰しも起こりうることです。 まずは、相手と信頼関係を構築したり、そのうえで相手の価値基準に合わせたトークをすることが大切です。
また、自分がなりたい姿にモデリングすることは、自分はもちろんですが、部下のモチベーションアップにも生かすことができるのでぜひ活用してみてください。
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