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プレゼンはセールスの仕事に限らず、
自分の考えや提案を
上司や組織に採用してもらう全ての
ビジネスパーソンに必須のスキルです。

ある人は説得力や
影響力を高めたいと思っていたり、

ある人は短い時間でより即効性のある
スキルを習得したいと考えていたり、

初心者の方の中にはメンタル面の克服が
課題になったりしている人もいるでしょう。

ただ、どうやったらいいか、
また何から手をつけていいか
わからない方が多いのも事実です。

そんな声にお応えすべく、
今回の記事を作成しました。

筆者は企業研修をはじめ、公的機関、
大学の授業や教員を対象にした講演会、

また個人を対象にしたセミナーや
海外でのプレゼンなど、
5,600回を超える
プレゼンテーションの現場を体験してきました。

私自身、人気の心理学NLPの
マスタートレーナーとして
たくさんの方々に話し方を
ご指導させていただいています。

そこでこの記事では、
その経験でわかっている鉄板の
プレゼンテーションスキルを
余すことなくご紹介しています。

ここでご紹介しているプレゼンの秘訣を
知った上で過ごす仕事の成果と、
知らずに過ごす10年後の成果とでは、

収入や社会的地位だけでなく、
仕事のやりがいや面白さも
まったく異なるはずです。

この記事を読んでいるあなたに役立つよう
まずはセールスや説明会、
会議での意見発表や研修講師、

またイベントでのスピーチと
さまざまな場面で活用できる概念と技法を
「7つのP」と称してご紹介しています。

そしてプレゼン前に知っておきたい
2つのポイントからはじまり、

プレゼンの説得力を増す
ロジカルな構成法と、
用途に応じてすぐに活用できる
プレゼンフレームを9つ載せました。

また同じ内容でも、
聞き手がうなるプレゼンと
イマイチな印象を与えるプレゼンの
違いをつくるのが「話し方」です。

話し方や伝え方については、
心理学や脳科学に基づく技法はもちろん、

筆者の5,600回以上の
プレゼン経験から発見できた、
ちょっとした知恵や知見もお伝えしています。

このほかプロが活用する、
プレゼンを支える3つの視点と、
初心者の方向けに緊張や過度なあがりの
克服についてもご紹介しています。

プレゼンの冒頭での効果的なつかみ方、
好印象を与える質疑応答のセオリーなど、
一度学べば一生役に立つスキルです。

今回の記事であなたのプレゼン力を飛躍的に向上させてください。

著者:足達 大和
全米NLP協会公認・NLPマスタートレーナー

当サイトの運営元である「NLP-JAPAN ラーニング・センター」の専属トレーナー。5,600回以上という圧倒的な回数の研修実績を持つ。

NLP-JAPANラーニング・センターとは、日本最大手の「NLP総合スクール」で、NLP業界の世界5大組織と連携。日本で唯一、NLPの基礎から大学院レベルまでの学びを提供している日本最高峰のNLPトレーニング機関。

1.プレゼンテーションに必要な7つのP

プレゼンと一言で言っても、さまざまな種類があります。

ここでご紹介する【7つのP】とは、あなたがプレゼンをするときに全体像として捉えておきたい7つの視点です。

この【7つのP】を知ることで、お客様のところで提案やセールス、社内プレゼン、結婚式やパーティなどでのスピーチ、あなたが講師として行う研修など、

ここでご紹介する視点は、いろいろな場面であなたをサポートしてくれます。

その視点とは以下の7つです。

  1. Purpose:目的。あなたのプレゼンのゴールは何か
  2. People:聞き手は誰か。聞き手の関心はどこにあるのか
  3. Program:構成。何を話すか、そしてどの順番で話すか
  4. Presentation skill:伝えたいことをどのように表現するか
  5. Place:場、環境。プレゼンが成功する土台は整っているか
  6. Pit-in:ピットイン。より質を高めるプレゼン以外の時間の活用
  7. Personality:プレゼンの価値を唯一無二のものに高めるのはあなた自身

これからの各章でそれぞれのポイントをお伝えしていきます。

最初に準備段階として必要なPurposeとPeopleについてお伝えします。

そして骨子となるProgram(何を話すか、どの順番で話すか)という構成と
実践的な「話し方、伝え方」のPresentation skillについてお伝えします。

そしてプレゼンのクオリティを支えるPlace、Pit-in、Personalityの3つのPの流れで、お伝えしていきます。

この記事は、私が企画・監修・運営を務める『NLP話し方・プレゼンテーション心理学講座』でお話ししている内容の一部を交えてお届けします。

ご興味をお持ちの方はこちらから
NLP話し方・プレゼンテーション心理学講座

2.準備段階でPurpose 、Peopleを考えることがプレゼンの出来を左右する

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当日だけがプレゼンではなく、依頼があった時点であなたのプレゼンは始まっています。

あなたのプレゼンがブレることなく、聞き手にわかりやすく伝えるために、これからお伝えする2つの【P】を確認してください。

2-1.Purpose 目的。あなたのプレゼンのゴールは何か

最初の「P」はPurpose、目的の「P」です。

あなたのプレゼンの目的は何か、ゴールは何かを明確にすることが大事です。

  • 聞き手に何を知ってほしいのか
  • 聞き手に何を感じてもらい、何を考えてほしいのか
  • 聞き手にどんな行動をしてもらいたいのか

プレゼンの目的は、あなたにとって意味があることが重要です。

あなたのサービスやアイデアを採用してもらうことかもしれませんし、ただ純粋に好感をもってもらうことや信用を高めることかもしれません。

また相手に喜んでもらうことなど、どうなったらあなたのプレゼンが成功したと言えるのか、明確にしてください。

2-2.People 聞き手は誰か。聞き手の関心はどこにあるのか

もう一つの「P」はPeople、聞き手の「P」です。

「あなたがメッセージを届ける聞き手は、どんな人なのか」を知らないまま内容を用意すると、

せっかく準備したプレゼンが自己満足に終わってしまい、あなたの評価が上がるどころか、逆に下げてしまう場合があります。

  • 聞き手の問題や悩みは何か
  • 聞き手があなたのプレゼンに何を求めているか
  • プレゼンが終わり、聞き手は何を持って帰りたいのか

こういったところを想定してください。

マーケティングの世界では、「ペルソナ」という概念があります。

商品やサービスを提供するターゲットを特定し、そのターゲットの生活パターンや価値観、そして悩みや課題などを想定し、

どんな商品が求められるのか、どんなネーミングだと反応が起きるのか、などを考えていくことです。

プレゼンも同様に、聞き手がどのようなライフスタイルで、どのような思考や行動の傾向を持つのか、

そしてストレスや理想などを持つのか、以下の項目を参考にして、ぜひ見出してください。

  • 性別
  • 年齢
  • 収入(どんな生活水準で生活しているか。法人の場合業界の規模や市場占有率など)
  • 家族構成(未婚・既婚・子どもがいる/いない)
  • 住まい(賃貸・一戸建て・親と同居・二世帯など)/ 地域
  • 仕事内容
  • 役職や立場(経営者・管理職・正社員・アルバイトなど)
  • 経歴や学歴
  • 趣味
  • 知識レベル(プレゼンの内容にどこまで精通しているか、馴染みがあるか)
  • 聞き手の目的、関心や興味、望み、聞き手のメリットは何か
  • 聞き手があなたのプレゼンで持ち帰りたいものは何か
  • 聞き手の参加態度はどのようなものになりそうか
  • 聞き手はお互いをよく知っているか
  • 聞き手は自分の意思で参加しているのか、参加させられているのか
  • 聞き手集団のキーパーソン(あなたの評価に影響を与えるのは聞き手か、主催者か)

3.プレゼンの核となる構成とロジック、そしてフレーム

ここではプレゼン内容のP(Program)、プログラムについてお伝えします。

全体像を把握し、それぞれのステップでどんな構成が必要か、またロジカルなプレゼン内容にするにはどういった点が必要か、

そしてすぐに活用できるプレゼンフレームをご紹介していきます。

3-1.プレゼン全体の構成を把握する

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セールス、企業説明会、研修、会議とプレゼンにはさまざまな種類がありますが、どんなプレゼンにおいても以下の3つの構成で成り立ちます。

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冒頭にあたる「イントロダクション」、そしてコンテンツにあたる「ボディ」、

そして最後に聞き手にどんな行動をしてほしいのかを伝える「クロージング」の3つの構成です。

ボディのコンテンツのみを「構成」と考えてしまうところですが、

あなたのプレゼンがしっかりと届くためのお膳立てとなるイントロダクション、

そしてまとめとなるクロージングの全体的な流れを、まずは視野に入れてください。

3-2.イントロダクションの構成

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イントロダクションの目的は、あなたと聞き手との間にラポール(安心や親和を含む信頼関係)を築くこと、

そして聞き手にこれから始めるプレゼン内容に関心を持ってもらい、参加意識を高める2つのステップが必要です。

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聞き手が初対面であれば、簡単に自己紹介をすることをオススメします。

以下にラポール形成を目的にした使えるトピックの一覧をご紹介します。

もちろんあなたの持ち時間があると思いますので、ポイントは全部話すことではなく、

聞き手も体験していそうなトピックを選び、共感ゾーンを作っていくことが狙いです。

  1. 休暇でのこと
  2. 家族(子どもとの体験談、親との体験談、配偶者との体験談、兄弟との体験談)
  3. 駆け出し時代
  4. 犬、猫、インコ、金魚や熱帯魚などのペットやその他の動物
  5. 近所の人たちとの体験
  6. 趣味について
  7. 自分の仕事について
  8. 幼いころの夢
  9. 最近見たテレビや映画、よく聞く音楽
  10. 今だから笑える失敗体験 / 今でも誇りに思える成功体験

聞き手に安心感を与えた後は、プレゼンに意識を集中させていくことが狙いとなります。

そのプレゼンの状況にもよりますが、以下の項目から適切だと思えるものを選んで取り組んでください。

・いきなり結論を伝える

例:「これからお伝えする内容を実践していただければ、◯◯になります」

・質問する

例:「今回のプレゼン内容で、皆さんには何が得られると思いますか」

・インパクトある現実 数字による問題提起

例:「本題に入る前に、まずはこのデータをご覧ください。この数字は私たちに何を意味するのか・・・」

・引用
あなたがプレゼンするテーマに関連した物語を紹介して始めます。

例えば顧客の前でプレゼンを始めるのであれば、以下のような伝え方です。

「今日はいい天気ですね。こういう天気だとあるお客様のことを思い出します。そのお客様にお会いしたのは今から3年前のことで・・・」

と語り、そのお客様があなたの提案を採用してうまくいった成功事例を話し、本題に入ります。

3-3.ボディの構成

あなたの目的と聞き手の興味や関心ごとを理解できれば、あなたが伝えたいメッセージを整理し、

どんな内容をどの順番で話すかを考える必要があります。つまり、構成です。

まずは4Mat(フォーマット)と呼ばれる世界で最も活用されている枠組みをお伝えします。

そして特にビジネスの場面で必要とされる、ロジカルに伝わるプレゼンの枠組みをご紹介し、落とし込むだけで活用できる実践的なフレームを9つお伝えします。

3-3-1.世界基準の4Mat(フォーマット)でプレゼン内容を準備する

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ここでご紹介するのは、プレゼンの4Mat(フォーマット)と呼ばれる考え方です。

4Matとは、心理学者ユングの類型論に基づき、バーニス・マッカーシーが実用化した、人が何に関心をもつのか、そのタイプを4つに分けたものです。

その4つとは、WHYタイプ、WHATタイプ、HOWタイプ、IFタイプの4つです。

どのタイプが、あなたのプレゼンのどこに価値を見出して関心を持ち始めるのか、そのことをまとめたものです。一つひとつ見ていきましょう。

■ 理由やベネフィットを知りたいWHYタイプ

なぜ、そのことを知る必要があるのか、知るとどんなベネフィットが手に入るのか、このことに関心をもつ人がいます。

プレゼンを聞く意義や、あなたのプレゼン内容でどんないい影響が出るのかを知りたい人たちです。

あなたのプレゼンに、ぜひこのWHYタイプを取り入れるように準備してください。

以下のようなセリフを活用することで、このタイプの人を刺激することができます。

  • 「なぜ、この話を皆さんにお伝えしたいかというと・・・」
  • 「このお話は皆さんにとって必要です。なぜなら・・・」
  • 「これからの話は、知らなかったでは済まされない重要なことになります」
  • 「今回のテーマは皆さんにどのような意味をもち、関係してくるのか、そこからお話しします」
  • 「このお話を聞けば、皆さんは◯◯になります」「◯◯になれます」

■ 情報そのものを知りたいWHATタイプ

このタイプの人は、情報そのものに価値を感じる人です。

いろいろな知識に対して貪欲なタイプの方で、分析し、熟考することで、学びの実感を手に入れる方です。

あなたが話す内容としては、以下の項目を盛り込むことで、このタイプの方は満足していきます。

  • 事実
  • 数値、データ
  • 背景
  • 歴史
  • 正確な固有名詞など

■ やり方や手順を知ってすぐ試したいHOWタイプ

これは、「どのようにやるのか」というやり方に関心がある方です。

あなたのプレゼン内容をすぐにでも実践したいと思っている人たちで、やってみてどうなるかを検証したいタイプの人です。

このタイプの方は、具体的なやり方や手順を伝え、実際に試してもらう、体験してもらう時間を設けることで、「いいプレゼンだった!」という満足感を得られます。

プレゼンの内容にもよりますが、時間に余裕があれば、このHOWに関心がある方のために

実践や体験、ワーク、エクササイズなどを取り入れることで、あなたのプレゼンの評価を高めることができます。

■ 他の可能性を生み出し、創造性を発揮させたいIFタイプ

あなたのプレゼンの内容を聞いて「もし、◯◯の場合はどうだろう?」「もし、自分の状況で試すとしたら、どう機能するだろうか?」と、

プレゼンから手に入れた知識で、新たな可能性や展開を創造することに価値を見出す人たちです。

このタイプの方は、質疑応答やディスカッションで満足を感じる方なので、

「今日の話で、どう使えそうなのか、ぜひ教えてください」「新たな可能性がひらめいた方は教えてください」といった問いかけが、このタイプのモチベーションになります。

以上が各タイプのあなたのプレゼンに対する聞き手の関心ごとです。

このことを理解しないまま話をしても、聞き手に十分な価値を提供することはできません。

例えばWHYタイプの人に「理由やメリット」を伝えなければ、あなたの話に価値を感じてくれません。

またディスカッションばかりで進めていても、IFタイプには満足感が生まれても、

情報そのものを欲しがるWHATタイプの人には物足りなさを感じさせてしまいます。

これまでお伝えしてきた4Matをシンプルにまとめると以下のようになります。

聞き手の全体の何%の割合でそれぞれのタイプが存在するか、数値も記載しましたので参考にしてください。

タイプ プレゼンにおける関心ごと
WHYタイプ
全体の35%
なぜあなたのプレゼンを知る必要があるのか、どんなベネフィットがあるのかを知ることでプレゼンに集中するタイプ
WHATタイプ
全体の22%
情報そのものに価値をもつタイプです。情報の質と量を求め、分析し、熟考するタイプです
HOWタイプ
全体の18%
やり方や手順に関心をもち、すぐに活用して検証したいタイプ
実践を好みます
IFタイプ
全体の25%
手に入れたアイデアを他の場面でどう活かせるかと、新たな可能性や創造性を大切にするタイプ

数値については、全米NLP協会公式トレーナーズトレーニングテキストを参照しました。

3-3-2.特にビジネスに必要なロジカルに伝わるフレームを活用する

特にビジネスにおけるプレゼンで重要な考え方をお伝えします。結論はあなたが「伝えたいこと」、そして「支えるもの」、この2つをペアにして構成していくということです。

以下の図をみてください。

presentation_pair001

あなたのプレゼンの状況によって、「結論」と「根拠」という組み合わせになるでしょうし、時には、「事例」が必要なときもあると思います。

「支えるもの」、つまり根拠や理由がないプレゼンは、一方的な主観や思いつきレベルの話になってしまい、聞き手を納得させることができず、あなたの評価を下げます。

「コレが大事です!」「このことが必要です!」とあなたの主張に説得力を持たせるなら、

まずは以下の基本構造で話を組み立ててみてください。わかりやすく「結論」と「根拠」という言葉で示すとこうなります。

presentation_frame003

また状況に応じて、根拠が複数ある場合には、以下の枠組みを参考にしてボディ部分をつくっていきます。

presentation_frame002

さらに広い視野であなたのプレゼンの構成を図で表すと、以下のように枠組みをつくることができます。

presentation_frame001

あなたが何を話そうかと考えたときに、いろいろな考えやアイデアが出てくると思いますが、

この基本となる枠組みに収めるだけで、わかりやすく、論理的な内容として聞き手に伝わります。

ここで大切にしたいのは、情報の信憑性です。情報収集の際、その情報の発信者が信頼できる人であるかどうかが重要なポイントです。

ただの物知り程度の人では、情報の正確さに欠け、根拠不成立となり、あなたのプレゼン評価に影響を与えます。

ネットからの情報は特にそうですが、「発信者は誰か」、この点を確認していくことを習慣にしてください。その道のプロか、実績はあるのか、といった点です。

筆者の取材経験からお伝えすると、テレビも放送時間枠が決まっているので、編集によって異なる情報として伝わっている場合があります。

次はセールスや提案や説得、または意識喚起や行動喚起と、さまざまな状況に応じて活用できるよう、より実践的な9つのフレームをご紹介しています。そちらも参考にしてください。

3-3-3.セールス、説得、講演、やる気喚起などに活用できるフレーム9選

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ここではテンプレートのように埋めていくだけで、聞き手の理解や納得が自然と生まれ、

あなたのプレゼン評価を確かなものにしてくれる効果的なフレームを9つご紹介しています。

なかでも基本となる2つのフレームが「SDS(エスディーエス)」と「PREP(プレップ)」です。

こちらは事例もご紹介していますので、しっかりとマスターされることをオススメします。その他はあなたのプレゼンテーマや状況に合わせて活用していけるフレームです。

【基本】もっとも汎用性が高いSDS(エスディーエス)
Summary ・概要を伝える
Detail ・詳細を伝える
Summary ・全体的なまとめ

SDSとはさまざまなプレゼン場面で応用が効くフレームです。上記3つのステップで話を構成します。

簡単な例でお伝えするとこのように活用します。

Summary(概要を伝える)

今日はプレゼンテーションで大切な構成についてお伝えします。まず全体の3つの流れを学んでください。

その3つとは、イントロダクション、ボディ、クロージングの3つです。

Detail(詳細を伝える)

最初のイントロダクションについてお伝えします。ここでの目的は2つあります。

まず一つ目はラポール形成です。そしてもう一つは内容に興味や関心をもってもらう流れです。・・・・・・(詳細情報を伝える)

二つ目のステップはボディについての構成です。ここでは・・・・(詳細情報を伝える)・・・・です。

最後がクロージングです。ここでは・・・・・(詳細情報を伝える)・・・です。
以上です。

Summary(全体的なまとめ)

今日はプレゼンテーションの構成についてお伝えしました。

プレゼンの構成には、イントロダクション、ボディ、クロージングの3つがあるということです。

ご清聴ありがとうございました。

おおまかに構成を考えることに役立つ「SDSのフレーム」の利点は、

あなたが伝えたい大切な要点をそれぞれのステップで一回ずつ触れているため、計3回繰り返して言える構成だということです。

【基本】説得力を高めるPREP(プレップ)
Point ・結論を述べる 要点を述べる
Reason ・理由を伝える
Example ・事例、具体例を伝える
Point ・再度、結論・要点を伝える

次は説得力が高まるPREP(プレップ)です。結論と根拠の基本的な枠組みをさらに詳細にしたものです。

4つのステップの頭文字を合わせてPREP(プレップ)と言います。

このPREPは、話し言葉だけでなく、文章での説得にも効果的です。具体的な事例を挙げます。

Point(結論・要点) 

私がお伝えしたいことは、基本は大切だということです。

Reason(理由) 

なぜなら、基本ができていないとその先のことが学べないため、努力が無駄になり、次のステージに進むことができないからです。

また、そういった人たちを数多く見てきたからです。

Example(具体例)

昔、幼い頃から天性の話のうまさでクラスの人気者だった男性の話です。

彼はただ面白い話はできても、説得力のあるプレゼンはできませんでした。

社会人になり悔しい思いをした彼は、プレゼンの基本を学び実践してきました。

その結果、彼は大型の取引を成約し、社内で二階級の昇格に成功しました。

Point(再度、結論・要点) 

もう一度お伝えします。成長し、次のステージに行きたければ、基本を大切にすることです。

シンプルに話をする例でご紹介しましたが、よりロジカルに伝えることが必要な場合は、

Reason(理由)のところで、結論に至った理由や根拠を数字や図、表を使って伝えていきます。

特に多忙を極めるビジネスパーソンを対象にしたプレゼンにおいては、「結論ファースト」という言葉があるように、

結論を最初に持ってきたキレのあるプレゼンにすることができます。

次からは応用フレームです。まずは主にセールスの場面で活用できるFABE(ファブ)についてお伝えします。

セールスに適したFABE(ファブ)
① F:Feature ・特徴
② A:Advantage
・差別化された利点
③ B:Benefit ・顧客特有の利益
④ E:Evidence ・証拠

FABEは、主にセールスで活用されるフレームです。

ユニークなのは競合との差別化されたポイントを伝えて顧客のベネフィットを伝えている点です。以下の4つのステップです。

① F:Feature(特徴)

客観的事実に基づく商品やサービスの情報を伝えます。機能や品質、仕様などです。

② A:Advantage:利点

ここではあなたが提供する商品やサービスの同業や競合には、マネできない差別化された点、優位性を伝えます。

特徴のところで伝えた内容に則して伝えると効果的です。

③ B:Benefit:顧客特有の利益

ここでは、その差別化された利点が、顧客にどのような具体的な利益をもたらすかを伝えます。

(このステップでのポイントは、事前に見込み客の問題や課題、ニーズをしっかりと把握しておくことが重要です)

④ E:Evidence:証拠

3つのステップのそれぞれで伝えてきた特徴や利点(差別化された点・優位性)、

そして利益を証明できる調査、分析レポート、研究機関のデータ、第三者の声などを紹介します。

信用や安心感を与えるのが狙いです。

冒頭から聞き手を逃さないBEAF(ビーフ)
① B:Benefit ・顧客の利点
② E:Evidence ・証拠
③ A:Advantage ・利点
④ F:Feature ・特徴

BEAF(ビーフ)とは、先にご紹介したFABE(ファブ)と項目はほぼ同じで、順番が異なるフレームです。

このフレームは、webでセールスを行う際に、サイトの冒頭から見込み客を引きつけ、

メルマガ登録や購入まで、そのサイトから離脱することなく最後まで読み進めていくことを目的にしています。

プレゼンの場合では、BEAFは聞き手の層が広い場合に、FABEはターゲットが絞られている場合に有効です。

あなたのプレゼンの状況において、どちらが役立ちそうなのか、その観点を持ちながら活用してください。

問題意識を喚起させるTAPS(タプス)
① T:To Be ・聞き手の理想
② A:As Is ・聞き手の現状
③ P:Problem ・聞き手の問題
④ S:Solution ・提案

このTAPS(タプス)と呼ばれるフレームは、目的意識や問題意識を持ってもらうために特化して活用できるフレームです。

聞き手の意識喚起につながり、あなたの提案をより検討しやすく、また採用しやすくしていくフレームです。

① T:To Be(聞き手の理想)

これは聞き手の理想をクリアにして伝えます。

② A:As is(聞き手の現状)

理想を伝えた後、現状を明確にします。

③ P:Problem(聞き手の問題)

理想と現状のギャップを明確に特定し、具体的な問題を明確にします。

④ S:Solution(提案)

問題を解決する具体的な提案を伝えます。

このフレームは、プレゼンだけでなく、会議を促進するファシリテーションのフレームとしても活用できます。

ライティングだけでなく話す構成にも役立つ新PASONA(パソナ)の法則
① P:Problem ・問題提起
② A:Affinity ・親近感
③ S:Solution ・解決策の提示
④ O:Offer ・提案
⑤ N:Narrow down ・絞り込み
⑥ A:Action ・行動

セールスレターやWEBのランディングページ(セールスページ)で活用されているステップで、

書くプレゼン、つまりライティングをする方によく知られているステップです。今回は2016年に公表された最新のものをご紹介します。

① P:Problem(問題提起)

「◯◯という問題はありませんか?」「□□が面倒で困っていませんか?」と見込み客の問題や悩みを明確にして、顧客が切望する欲求を明確化する。

② A:Affinity(親近感)

その問題や悩み、困り事や苦労を買い手と同様、同じ痛みを持っていることを伝える。

その問題を持ち続けるとどんなネガティブなことが起こるのか、そのストーリーを五感を通じて描写する。

③ S:Solution(解決策の提示)

ここで解決策があることを伝える。そして欲求が満たされる方法があることを伝える。

④ O:Offer(提案)

具体的な提案を伝える。サンプル、モニター、お試し、価格、特典を伝える。

⑤ N:Narrow down(絞り込み)

問題が解決できる、また欲求が実現できる人が満たさなければならない条件を伝える。

⑥ 『A:Action(行動)』

緊急に行動しなければならない理由を挙げ、行動を後押しする。

書くプレゼンだけでなく、話すプレゼンでも有効なステップです。

あなたのプレゼンにどのように応用できるのか、ぜひヒントにしてください。

参考文献 神田昌典著 稼ぐ言葉の法則「新PASONAの法則」と売れる公式 より

シリコンバレーで活用されるピッチのフレーム
・タイトル/テーマ
・問題
・好機
・成功のためのヒント
・ヒントの問題
・解決策
・オファー
・コールドナット(金塊)

ピッチとは、商品サービスの紹介やセールス全般に活用されるものです。

新しいビジネスが生まれる街シリコンバレーで、起業家が投資家に対して自分のアイデアを売り込む際に強い関心を持ってもらい、次のアポイントをとる時などに活用されます。

あなたが起業することだけでなく、あなたの今のビジネスにおいても、これまでご紹介してきたフレームと同様にさまざまな場面で活用できるフレームです。以下の8つのステップです。

① タイトル/テーマ

「◯◯を回避するための3つのステップ」「◯◯な人が改善された低予算の□□」といったタイトルやテーマを伝える。

② 問題

「どうして◯◯するのは難しいのか?」などの相手の問題を伝える。

③ 好機

卓越した人、組織は、これをどのように解決したのかを伝え、そして聞き手にどのような結果が得られるのかを伝える。

④ 成功のためのヒント

専門家の立場として、あなたからアドバイスを2つほど伝える。

⑤ ヒントの問題

先に伝えたヒントも体系的な実践法、手順、プロセスがなければ一貫した結果は得られないことを伝える。

⑥ 解決策

体系的な実践法、手順、プロセスで結果が出ることを伝え、成功事例を2つほど話す。

⑦ オファー

聞き手に役立つ無料のサービスを伝える。 例 無料コンサル、無料ウェビナーなど

⑧ コールドナット(金塊)

最後に価値のある、ちょっとした話で締めくくる。

LABプロファイリング® マスターコンサルトレーニングテキストを参照

消費活動をステップで示したAIDMA(アイドマ)
① A:Attention ・注意
② I:Interest ・興味、関心
③ D:Desire ・欲求
④ M:Memory ・記憶
⑤ A:Acition ・行動(購入)

ローランド・ホールが提唱した「消費行動」の仮説をステップで表したものです。

このステップはマーケティングのベースとなる考え方ですが、「あなたの提案で人を動かす」という観点では、あなたのプレゼン構成のヒントになります。以下の5つのステップです。

① Attention:注意

広告などで知らせ呼びかけ、注意をひくことを狙いとします。

② Interest:興味、関心

「へぇ~」「なるほど」「面白そう」「使えそう」と興味、関心をもってもらう段階です。

③ Desire:欲求

「欲しい!」「使いたい!」「買いたい!」という欲求をもってもらうための段階です。

④ Memory:記憶

その欲求を強化し、商品やサービスを消費者の記憶に残す段階です。

⑤ Action:行動

購入を意味します。

あなたのプレゼンの流れに当てはめるとどのように組み込むことができるのか、また関連づけできるのか、ぜひ参考にしてください。

聞き手の無意識に影響を与えるLAB(ラブ)プロファイリング®の提案モデル

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最後はショートプレゼンとも言えるフレームです。

あなたの意見が求められた時、その意見にも説得力が必要です。

また誰かにアドバイスする時にちょっとした会話に盛り込めるのが、「LAB(ラブ)プロファイリング®の提案モデル」です。

LAB(ラブ)プロファイル®とは、言葉(Language)と行動(Behavior)の関係性を分析し、人の無意識の思考パターンを把握し活用していくコミュニケーションツールです。

Language and Behaviorの頭文字をとってLAB(ラブ)プロファイリング®と呼ばれています。

その中の1つに動機の方向性に関するカテゴリーがあります。

人の動機を大きく2つにわけると「目的やゴールに向かう目的志向型の動機」と、

「問題やトラブルやリスクを回避する問題回避型の動機」の2つがあります。

例を挙げると化粧水を使用している女性に、「どうして化粧水をつかっているのですか」と聞いたとき、

【目的志向型】の人は、「肌をみずみずしくするため」「キレイにするため」といった答えをします。

逆に【問題回避型】の人は、「肌荒れを防ぐため」「ガサガサになりたくないから」といった答えをします。

同じ化粧水を使うにしても、意識の方向性が違っているのがわかると思います。歯磨きについても同じことが言えます。

【目的志向型】の人は「キレイにしたいから」「白くしたいから」「笑顔が素敵に見えるように」といった答えをします。

【問題回避型】の人の答えは「虫歯になりたくないから」「口臭予防」「治療で余計なお金を使いたくないから」といった答えが出てきます。

このフレームは聞き手がどちらのタイプの人でも、あなたのプレゼンに巻き込みながら結論や主張に力を与える提案モデルです。以下の3つのステップになります。

※例えば、あなたが部下に対して、朝は30分前に出勤した方がいいということを伝えるとき

  1. 具体的な提案
    「朝は30分前に出勤したほうがいいよ」
  2. 利益のコメント
    「オフィスのほうが静かで仕事に集中できるし(目的志向型)、遅刻でバタバタすることもないからね(問題回避型)」
  3. 簡単なポジティブなコメント
    「君にとっても会社にとってもいいことだからね」

このように活用していきます。

目的志向型の人は、「達成する」「得られる」「手に入る」「到達」といった言葉に反応します。

逆に問題回避型の人は、「やらないで済む」「回避できる」「避けられる」「防止」といった言葉に反応します。参考にしてください。

LABプロファイリング® コンサルタント&トレーナー認定テキストを参照

3-4.あなたの評価を確実にするクロージングの構成

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社内、社外とあなたのプレゼンの最後にあたるのがこのクロージングです。

ボディのプレゼンがうまくいったのに、最後の質疑応答などで評価を下げてしまってはもったいないです。

ぜひ、信頼を高める「質疑応答」のフレームと「まとめ」のフレーム、「締め方」のフレームをあなたのプレゼン構成のヒントにしてください。

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3-4-1.質疑応答のフレーム

状況にもよりますが、質疑応答が必要な場合には以下の流れを参考にするとあなたの誠実さや実直さが伝わり、同じプレゼン内容でもあなたの評価を高めてくれます。

まずは以下のステップで対応します。

  1. 質問の内容を確認する(必要であれば要約する)
  2. 感謝の言葉を伝える「ご質問ありがとうございます」
  3. 答えるときは、質問者が使った言葉をそのまま引用して答える
  4. 質問者が「仕事で」と言ったら、「ビジネスで」と言わず、「仕事」という言葉を使います。

    質問者が「お客様が」という言葉をつかったら、「顧客が」と言わず、「お客様」という言葉を使います。

  5. 「お答え、またはヒントになりましたでしょうか?」と質問者に確認して終える
  6. 最後にまたお礼を伝える

この対応はただ単に情報のやりとりをするだけでなく、

相手の存在を尊重し、質問者が「自分のことを大切に対応してもらった」という自己重要感を満たすことに影響を与えます。

つまり、あなたへの好感、信用、評価をつくる場面です。

■質疑応答の時間に質問が出ない場合

こういった場面では、自分から質問を投げかけ、その答えを言います。

「ここまでお話をするとよく頂く質問が・・・・・という質問です。これにつきましては・・・・・」と言って、

紹介しきれなかった内容を伝えてください。準備をしておくことをオススメします。

■質問に答えられない場合

「わかりません」という勇気を持ってください。

「持ち帰りまして、調べてまいります」と言って誠実に対応します。この姿勢があなたの評価につながります。

その日のうちに対応することで、ますますあなたへの評価は高まっていくことでしょう。

また「はっきりと断言できませんが、現時点での私見でよろしいでしょうか?」という質問者に確認をとって答えることもできます。

こういった対応もあなたの誠実さがアピールされます。

答えられない質問が出たときは、「プレゼン内容の視点が広がった機会」、また「深堀りしていく機会」であると受け止め、その機会をくれた質問者にお礼を伝えます。

質疑応答は、間接的なアピールの機会です。質疑応答時に自信をもって対応できるように以下のようなフォームをつくってリストにしておくことをオススメします。

質問に答えられても、答えられなくてもあなたの評価が上がるリストです。

question_support_list001

3-4-2.まとめのフレーム

次に「まとめ」です。これはシンプルです。

あなたが伝えてきた結論や主張、キーメッセージをここでもう一度伝えます。

そして聞き手に「考えてもらいたいこと」「やってもらいたいこと」を伝えます。そして最後の「締め」です。

3-4-3.締めのフレーム

どんなプレゼンでも最後にピリッと締まり、聞き手に対していい印象を与える定番の締め方があります。

この締め方もプレゼンの状況によりますが、あなたが大勢の前でのプレゼンや研修、講演行うといった機会には、非常に役立つステップです。以下の4つです。

  1. 「私の話は以上です。」
  2. (間をとる)
  3. 「ご清聴、ありがとうございました。」
  4. お辞儀をする

大切なポイントは、②の「間をとる」こと、そして「ありがとうございました」というセリフとお辞儀をわけることです。

間を取るときは、会場や聞き手に靜寂が生まれるのを確認してください。1~2秒でいいので聞き手との一体感を感じてから、お礼を伝え、お辞儀をします。

お礼のセリフとお辞儀をわけることを分離礼と言います。まずセリフ、そしてお辞儀です。ここもミソです。

4.一つ上のプレゼンテーションスキル(話し方)

ここでは、話し方や伝え方を意味する「P」、つまりプレゼンテーションスキルについてお伝えします。

内容がどんなに素晴らしくても伝え方で損をしているプレゼンが数多くあります。

あなたが準備した内容以上の説得力を持たせるためにも、ここでご紹介するテクニックは重要です。

4-1.話にキレを生み出すワンセンテンス・ワンパーソンとジグザグ法

presentation_speaker001

一対多数でプレゼンをするときは、このワンセンテンス・ワンパーソンはとても有効です。

これはどんなに大勢の聞き手がいても、話すときには一対一で話しているつもりで伝える、という話し方です。

その一人に対して伝えるセリフの長さはワンセンテンス、つまり句点によって区切っていきます。

具体的な例でお伝えすると、以下の原稿があったとします。

「おはようございます。これからプレゼンで大切にしたい【2つのP】について話します。

最初の【P】はPurpose、目的の【P】です。2番目の【P】はPeople、聞き手の【P】です。」

というセリフを、句点ごとに別々の聞き手を見ながら話していきます。

(最初の一人を見て話す)「おはようございます」

→(別の聞き手を見て)「これからプレゼンで大切にしたい【2つのP】について話します。」

→(また別の聞き手を見て)「最初の【P】はPurpose、目的の【P】です。」

→(さらに別な人を見て)「2番目の【P】はPeople、聞き手の【P】です。」

といった感じです。

そしてここがポイントなのですが、これを踏まえて「ジグザグ法」で話していきます。

「ジグザグ法」とは、一人ひとりにワンセンテンスごとに伝えるのは同じですが、体の向きを、話す聞き手に向けながら話していく伝え方です。以下の図で説明します。

ワンセンテンス・ワンパーソンに体を付け加えたジグザグ法

1sentence_1person001

① まず、いちばん後ろにいる人に向かって話します

あなたのセリフ
「おはようございます。」

1sentence_1person002

② 次に「別の聞き手」を見て話します。このときのポイントは、「別の列」の聞き手を見ることです。

あなたのセリフ
「これからプレゼンで大切にしたい【2つのP】について話します。」

1sentence_1person003

③ 同様に別の列の「他の聞き手」を見て話します。

あなたのセリフ
「最初の【P】はPurpose、目的の【P】です。」

1sentence_1person004

④ さらに別の列の「他の聞き手」を見て話します。

あなたのセリフ
「2番目の【P】はPeople、聞き手の【P】です。」

1sentence_1person005

このように、ワンセンテンス・ワンパーソンでプレゼンを進めていきます。

1sentence_1person006

3秒から5秒ほどの1対1のミニ会話を連続させる、それがプレゼンスキルの極意です。

これができると、聞き手には堂々と話しているように見えます。聞き手に「自分に話しかけている」という感覚が芽生え、あなたの話を無視できない状態になります。

つまり、あなたのメッセージが届きやすくなっていきます。

ニュースで政治家のスピーチが画面に映っているとき、よく観察すると政治家は右を見て話し、左を見て話しています。

影響を与える人が必ずやっているのが、このジグザグ法です。これだけであなたのプレゼンは見違えるような変化を生み出します。

4-2.ステージをプレゼンツールとして活用する

もし動きながらプレゼンができるのであれば、ステージをプレゼンのツールとして活用することができます。

話す内容と、話をする場を設定することです。そうすることで聞き手の無意識は、あなたのメッセージを取り込みやすくなります。

具体例でお伝えします。

例えば時系列で話をするときは、次の図のような場を設定して話していきます。

presen01

過去の位置と未来の位置は、聞き手からすると自然な流れになります。例えば、売上の推移を表にするとこのようなものになります。

graf01

縦軸、横軸が何を指しているか示さなくても、多くの人は、こういう表を目にした場合、左が過去、右が現在と、認識し始めます。

次のようには認識しません。

graf02

変な感じですよね。

このように私たちの脳、そして無意識は、時間の流れに対して、ある一定の枠組みをもって認識し、理解し始めます。

この枠組みに抵抗し、時間軸を無視してプレゼンを進めていくと、なんとなく話が入ってこなかったり、変な感覚といいますか、しっくりきません。

卓説したプレゼンターは、こういった人が認識する、理解をスムーズにしていく視点を持っています。

さらに時間軸だけでなく、話す内容によって場所を決めてプレゼンをすることができます。

また、例えばあなたのプレゼンで何かの失敗談や成功談を話すのであれば、以下のように場を作って、その話になったときにその場に移り、話す内容を伝えていきます。

presen02

成功談を話すときは、ここです。

presen04

失敗談を話すときは、ここです。

presen03

このように話すメッセージと話す位置を固定させて話をしていきます。

海外で見かけるプレゼンターが、やたらとステージを動きまわったりしていますが、あれは素人です。

動き回ればいいというものではありません。プレゼンのプロは、こういった視点をもって話す場所を味方にし、聞き手の無意識に抵抗なく、伝えたいメッセージを届けています。

4-3.海外のプレゼンでも通用するポーズで影響を与える

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言語や文化、人種を超えて伝わる非言語メッセージ、ポーズがあります。それはサティア・カテゴリーと言われるものです。

今回ご紹介する5つのポーズを取りながら話すことによって、あなたが伝える言語と非言語メッセージに一貫性をもたせ、言葉のみならず、非言語で相手にあなたのメッセージを伝えることができます。

その5つのポーズとは、プレケイター、ブレイマー、コンピューター、レベラー、ディストラクターの5つです。

一つひとつ画像でお伝えします。

① プレケイターのポーズ(メッセージ:無力、捧げる、あなたのままに)

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② ブレイマーのポーズ (メッセージ:責任追及、激しい主張、怒り)

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③ コンピューターのポーズ(メッセージ:感情を切り離し、事実の世界を表現)

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④ レベラー 左右対称で手を合わせて、水平に伸ばす動き(メッセージ:実直、誠実さ)

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⑤ ディストラクター 左右非対称(メッセージ:おとぼけ、気をそらす、楽観、ごまかすなど)

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国内のみならず、今後も国外の方たちと仕事をする機会が増えてきます。

世界標準のそれぞれのポーズを、あなたが伝えるプレゼンの内容によって使い分けてください。

4-4.即実践!一瞬で聞き手を引きつける手の動かし方

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手は基本的に、あなたが伝える内容を表していく動きをしています。

人は話すときに、手が無意識に動いていますので、勢いがついてしまうと手がうるさくなり、あなたのプレゼンの邪魔になります。

以下の項目を参考に、「ここぞ!」というときに動かしてください。

  • 数字:例「これからお話するポイントは3つあります」(指を3本出して示す)
  • 位置関係:例「北海道から沖縄まで全国展開です」
    (片方の手を上げ北海道の位置を示し、もう片方を下に下げて沖縄の位置を示す)
  • 時間の経過:だんだん改善されます(あなたの手を右から左へ動かしながら話す)
  • 大小:「大きさ」を示すときはゆっくり動かす。「小ささ」を示すときは早く示す
  • 高低:「高い」を示すときはゆっくり手を挙げる。「低い」を示すときは早く示す
  • 形態:例「こんな形の花瓶でした」といいながら花瓶の形を示す
  • 具体的なジェスチャー:例「新聞を読んでいたときに、目に飛び込んできたニュースがありました」と話しながら新聞を両手で開いてその状況を再現して示す)
  • 感情:喜怒哀楽を手で表す。喜びのガッツポーズや困ったときの腕を組む動きです。
    サティア・カテゴリーのポーズも活用します。

手を前に組むのは丁寧に見えますが、話すときは手ぶらで話し始めると、聞き手に自信や余裕を感じさせる効果があります。

4-5.プレゼンにエネルギーを吹き込む表情の使い方

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プレゼン中のあなたの表情を自分で見たことはありますか。手の動きとともに、自分ではなかなか意識がいかないのが自分の表情です。

この表情もあなたのプレゼンの評価に大きな影響を与えます。

具体的に「この表情がベストです!」というのは正直難しいことですが、世界中から声が掛かるプロのトッププレゼンターは、以下の雰囲気をかもし出しています。

それを本人に質問すると、実際にその気分や感情を感じながら話をしているといいます。その気分や感情とは、

  • 楽しさ
  • 聞き手とのつながりや親和感
  • プレゼンができる喜びや感謝
  • 内容への自信とそこからあふれる強さ
  • ユーモア

これらを感じて話していることが重要です。

いきなり全てを感じることはできませんが、プレゼンのスタートは少なくとも「自信をもった笑顔」で始めてください。

またエピソードを話すときには、そこにあらわれる感情を表情で表現するといいでしょう。

あなたがどんな表情で話をしているのか、プレゼン中に気づくことが重要です。

プレゼンの構成の中に自分の表情をチェックする時間を決めておくといいでしょう。

4-6.あなたの話に釘づけにするアイコンタクトの活用法3Sとは

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目力、という言葉があるように、目には人に影響を与える大きな力があります。

聞き手の目を見て話すことです。私たちは目を見られているだけで、相手を無視できないという反応が生まれます。

私たちは目に映っている視界の情報に鋭敏になります。そこで大切にしたいのが、聞き手の目の管理です。

あなたが目を見て話そうとしても、聞き手の目が配布資料に向いていると、あなたはアイコンタクトができず、あなたの話が届かなくなってしまいます。

こういったことを避けるために「配布資料の◯ページをみてください」、また「では、ここで前のスクリーンをご覧ください」と言って、相手の目を管理してください。

そこでオススメなのが、プレゼンの【3S】と呼ばれるやり方です。

3Sとは、英語のShow-See-Speakと呼ばれる3ステップの話し方です。

Showというのは、これから説明するスクリーンであったり、ホワイトボードを見せることです。

そしてSeeというのは、聞き手の方をあなたが見ることです。そして最後のSpeakは話し始めることを意味しています。

とても小さなことですが、相手の目を管理し、聞き手の意識をあなたのプレゼンに集中させる効果があります。

以下の写真で3S、Show-See-Speakを確認してください。

Show まず見せる「こちらをご覧ください!」

show_see_speak001

See 聞き手を見る(誰かの目を見ます)

show_see_speak002

Speak 話し始めます(ワンセンテンス・ワンパーソン+ジグザグ法で話します)

show_see_speak003

相手の目を見て話すこと、相手の目がどこに向いているかを管理すること、そしてShow-See-Speakで、あなたの目の力を活かすことが大切です。

4-7.メッセージにインパクトを与える資料のビジュアル化

ビジュアル化することの狙いは、興味を持たせること、理解の促進、時間の有効活用、記憶に残しやすくすることです。

決してパワポをはじめとするプレゼンソフトを、あなたがどれだけ駆使できるかをひけらかすことではありません。

わかりやすく伝わることが重要です。

文字はできるだけ少なくします。長い文章を映してしまうと、聞き手はその文を読み始め、あなたの話に意識が向かなくなります。

目の動きを最小限にすることで、あなたの話に集中させてください。

以下はスライド作成時に抑えておきたい基本です。

※ワンシート・ワンメッセージを心がけます。

  1. プレゼンタイトル
  2. メッセージ
  3. 補足項目

graf03

これらの条件をもとに言葉を入れるとこうなります。

graf04

このほかのポイントです。

  • 数字は、グラフや図表で
  • 色やデザインはシンプルに(背景がメッセージを邪魔しないようにする)
  • 字体よりも大きさを重視(一番後ろの聞き手に見える大きさ)
  • 大きさは一定を保つ、強調したいところだけを強調できるようにする
  • 実際にスクリーンに映し、文字の大きさや明るさを事前にチェックしておく

重要なことなのでもう一度お伝えします。
スライドはできるだけシンプルにしてください。

あなたの聞き手、とくにキーマンは、中身がなく、表面的なプレゼンに時間をとられたくありません。

プレゼンの主役はスライドや資料でなく、あなた自身です。

4-8.人の心を動かし、聞き手の無意識に影響を与える声の出し方

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メラビアンの法則から見ると声の調子は、あなたのプレゼンの印象に38%の影響を与える大事な要素です。

声の大きさは全般的には、一番後ろの人に聞こえる大きさで話します。その大きさを前提に以下の項目を活用してください。

・声の大小

「大きな犬がいました」と話す場合、「大きな」を大きくゆっくり言います。

「小さな犬がいました」を話す場合には、「小さな」を小さく早く言います。表現するものと合致する大きさです。

・スピード

大切なことは、重要なメッセージのところをゆっくり伝えることです。

そのゆっくり伝えるメッセージのところまでは、だんだん早く話して伝えたいメッセージを引き立てます。

・沈黙

聞き手に聞く準備をしてもらうのが、この沈黙の目的です。相手の注意がこちらに向くまで沈黙します。

相手の意識がこちら側に向くまで待つこと、それが沈黙の活用法です。

ヒトラーは、スピーチの冒頭に30分沈黙を続けたという話があります。

想像してみてください。前にヒトラーが表れて、30分の沈黙です。話し始めた聴衆の集中度は計り知れないものがあります。

このテクニックは、マイケル・ジャクソンのコンサートにも活用されています。

舞台に登場してから、しばらく無言でステージに立ち続けるマイケル。そしてしばらくの沈黙が続き、音楽が鳴り響きます。

一気に観客は最高のボルテージに達します。

また冒頭だけでなく、プレゼン中にも沈黙を活用してみてください。沈黙を活用しているときには必ず聞き手を見ていることがポイントです。

・抑揚

感情が表れてくれば自然と出てくるのが抑揚です。状況によりますが、伝えたいことを強く言う場合と、あえて柔らかく伝える場合もあります。

あなたのプレゼンでは、どちらのパターンが効果的か、可能であれば第三者に聴いてもらい、フィードバックをもらうといいでしょう。

・間

話がうまい人は間をとるのが上手です。簡単にできる方法は、セリフとセリフの間を開けることです。

原稿があれば、句点が、その合図となります。ワンセンテンス・ワンパーソンとジグザグ法と並行して活用してください。。

また、話の流れの中で活用するとしたら、伝えたいことを期待させたり、考えてもらったり、理解させたり、印象づけたりするために、

伝えたいメッセージやキーワードの前に間を取ると効果的です。例えば次のように間をとります。

「皆さん、話し方で大切なポイントは何か、そのことをご存知でしょうか?

(間)・・・・・それは(間)・・・間を取ることです!」

リズムということも関わってきますが、噺家のプロといえば、落語家です。

落語家の話をYouTubeなどで、「間」だけを聴き取る耳で、話を聞いていきます。

どんなところに「間」が生まれているのか。ぜひ聴きとって見つけてください。

・方言やイントネーション

方言は、意図的に活用すると効果的です。意図的でないと違和感が生じ、ただの訛りとして聞き手はとらえ、聞きにくい状態をつくります。

聞き手の中には、「相手への配慮が足りない」と評価する人もいるので、気になる方は、標準語も方言も両方活用できるといいでしょう。

・キーワードにアクセントをつける

これは2020年の東京オリンピック招致プレゼンで有名になった「お・も・て・な・し」という言い方です。

伝えたいキーワードにアクセントをつけて伝えていきます。

※以下は言語情報に関することです。

・敬語(尊敬語、謙譲語、丁寧語)

あなたのメッセージがどれだけ素晴らしくても、敬語の使い方次第であなたの評価が下がることがあります。

あなたのプレゼンの評価を確実なものにするために、敬語(尊敬語、謙譲語、丁寧語)を確認しておくことをオススメします。

・ノイズ(え~、あの~)

これはやめましょう。本来のメッセージに聞き手は関心が向かず、あなたの耳障りな口癖の方に意識が向いてしまいます。

4-9.五感を刺激する言葉を用いる(NLPのVAKモデルを活用する)

私たちは五感(視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚)を通して、情報を処理しています。

この特徴を活用することによって、あなたの話し方の質を高めることができます。

実践的なコミュニケーションスキルであるNLP(神経言語プログラミング)では、この五感を

「視覚タイプ」「聴覚タイプ」、そして触覚、味覚、嗅覚を含む「身体感覚タイプ」の3つに区分してVAKモデルと呼んでいます。

VはVisual、AはAuditory、KはKinestheticの頭文字です。

人は全ての情報を活用していますが、右利き、左利きと利き手があるように、

人にはその情報処理を行う際のクセがあることがわかっています。以下の3つのタイプです。

  1. 視覚情報を優位に処理しやすい視覚タイプ
  2. 聴覚的に情報を処理しやすい聴覚タイプ
  3. 身体感覚的に情報を処理しやすい身体感覚タイプ

例えば、視覚タイプ、聴覚タイプ、身体感覚タイプの3人が、会話をした際に話が理解できない状態を表現しようとすると、以下のように表現する傾向があります。

VAKタイプ 表現の例
V:視覚タイプ 「話が見えない」「話の焦点がぼやけている」
A:聴覚タイプ 「話がガチャガチャしてうるさい」
「何を『言っているか』わからない」
K:身体感覚タイプ 「話がつかめない」「腑に落ちない」

といった表現です。

このように、同じことを表現しているのですが、情報を処理しようとする際に、その人がよく使っている脳のタイプが、自覚することなく動き始めます。

もし、あなたのプレゼンの効果や影響力を高めたければ、このVAKを意識した表現方法は役に立ちます。

例えば、旅行で行ったハワイを説明するときは、

VAKタイプ 表現の例
V:視覚タイプ 海の色と夕日がとってもキレイだったよ
A:聴覚タイプ ハワイアンの音楽と静かな波の音がとてもよかったよ
K:身体感覚タイプ のんびりゆったりできたよ。気温も暖かく、開放的な海だったね

といった表現を用います。

このように一つのことを視覚、聴覚、身体感覚の言語で表す工夫をし、聞き手の五感を刺激する話し方にしてください。

4-10.メタファーを活用する

メタファーとは、伝えたいことを間接的に伝え、抵抗なく相手に届ける話し方です。

大きくわけると二通りあります。一つは「例え」、一つは「引用」です。

■【例え】

あるメッセージを伝えたいときにたくさんの言葉で伝えるよりも、わかりやすく伝えることが重要です。

さっそく例え話を用いますが、経営者の孫正義さんは、「メモリ容量32PB(ぺタバイト)」を表現する時、素人には想像がつきませんから、次のように表現しました。

「メモリ容量32PB(ぺタバイト)。その情報量は、新聞3.5億年分です」

このように未知の情報を既知の情報と結びつけて話していく伝え方です。以下の例を参考にしてください。

広さを表すなら、東京ディズニーランド何個分、または何倍という表現があります。

「広大な土地を所有している人がいる。その土地は東京ドーム10個分の広さをもっている」

人の能力の高さを表したければ、

「彼の能力は世界に通用する。エベレスト級だ」「彼は賢い。カミソリのように切れる」

売上などの伸び率や成長などを表すとき、

「新商品の売上の伸び率は、想像以上だ。ホームラン級だ」

といった表現です。

■【引用】

引用とは、だれかの言葉や物語、また格言やことわざ、故事成語を用いて表現する方法です。

チームで新しい仕事にチャレンジする必要があるときに、例えば米国メジャーリーグで多くの記録を保持するイチローの言葉を用いるのであれば、

「イチローは、『小さなことを積み重ねることが、とんでもないところに行くただひとつの道』といった。

私たちにとってその小さなこと、それはなんだろうか。一緒に考えよう」といった活用です。

このほか、仕事で絶望的な状態になった組織やチームに対して、

「ビル・ゲイツは言っている。『人類の進歩のほとんどは、不可能を受け入れなかった人々によって達成された』と。

まず、そこから始めていこうじゃないか」このような使い方もできます。

また、引いて見ると、商品やサービスのセールストークやwebサイトには、お客様の声や体験談などが載せられていますが、これも引用です。

セールスパーソンや販売元は、「この商品を買って!」、または「このサービスを導入して!」と言いたいわけです。

ただダイレクトに伝えるのはエレガントではありませんので、

「購入後のお客様の喜びの声」「サービス導入後の成功談」などを用いて、伝えたいメッセージを間接的に届くように紹介しています。つまり引用です。

5.Place、Pit-in、Personalityがプレゼンのクオリティを支える

あなたのプレゼンを支えるのが、この章でお伝えする3つのPです。

よりクオリティの高いプレゼンを成功させる3つの要素を確認してください。

5-1.Place 場、環境。プレゼンが成功する土台を整える

プレゼンの土台が成り立っていなければ、どんなに慣れている話でも、高いレベルのプレゼンを維持することはできません。

豊富なキャリアをもつベテランの講演家でも、胸につけるピンマイクがハンドマイクに変わっただけで調子が出なくなると言います。

使用する道具を含め、場づくり、環境づくりは大切なポイントです。

ここでは場づくりの一つである基本的なレイアウトを4つご紹介します。

レイアウト、つまり聞き手の配置もあなたのプレゼン力を高める重要なファクターとなります。

それぞれの特徴を活かしながら、プレゼンがより有効に進められるヒントにしてください。

■ロの字:会議などで使用される一般的な机と椅子の配置です。

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このレイアウトの特徴は、どのようなプレゼンにも汎用性があり、聞き手も慣れているレイアウトなので安心して聞き始められるというメリットがあります。

■スクール形式:名前どおり、学校でよくみられるレイアウトです。

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このレイアウトの特徴は、発表者の自然な権威づくりに効果的です。講義やレクチャーが中心となるプレゼン場面において有効です。

■島型:テーブルで島をつくりグルーピングしたレイアウト

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一方的な講義ではなく、グループディスカッションや研修などで行われるロールプレイングなどを通して、学びを深めるときに効果的です。
また、聞き手同士の関係性も親密にしながらスタートしたいときに有効です。

■シアター:映画館の客席のように机なし椅子のみのレイアウト

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カウンセラーやコーチ育成のセミナーなどに見受けられるレイアウトです。

よりダイナミックなゲームや体験学習を用いる場合に有効です。

聞き手同士の関係だけでなく、プレゼンターと聞き手の関係もフラットになる、両者の垣根を超えた空間を演出できます。

会場についての注意点は、もしあなたのプレゼンが、ホテルや貸し会議室で行われる場合は、会場の下見をしておくことをオススメします。

具体的には、

  • プロジェクターの明かりが暗い
  • 椅子や机が固定されている
  • 空調がくさい
  • ホワイトボードではなく黒板
  • となりの会場で宴会が行われている

などといったことを事前に知ることで、当日あせることなく対応することができます。

5-2.Pit-inプロが活用する5つ目のP、ピットイン。あなたが話していない時間を活用せよ!

ピットインとは、カーレースで使われる和製英語の言葉です。

レースの途中にガソリンの補給や消耗したタイヤをチェックし、必要であれば取り替えて、残りのレースで最高のパフォーマンスを発揮するために行われるものです。

プレゼンにおけるピットインとは、あなたが話さない時間を意味します。

例えば、問いかけをして聞き手に考えてもらう時間やディスカッションでプレゼンテーマを深堀りしている時間、また休憩の時間もこれにあたります。

あなたがプレゼンしていない、つまり話していない時間が、ピットインです。

そのピットインの時間に聞き手に何を考えてもらいたいのか、何を感じてもらいたいのか、何を起こしてほしいのか。

プロはそこまで考えてプレゼンの流れを作り込んでいきます。

例えば、休憩時間についてお話しすると、日本での記憶力や速読などのスキル開発トレーニングでは、約一時間のランチタイムをとりますが、海外では1時間30分とることがあります。

これは、ランチそのものの時間とは別に午前中の学びを整理し、脳に定着させるための時間として、意図的に学習効率をねらった時間を設定します。

人の学習を理解しているプロは、こういったことを前提に休憩時間を一つのプログラムとして考えます。

またリピートオーダーが尽きない人気講師は、長丁場の講義などで、最初は1時間30分の時間で講義をして最初の休憩をとり、

その後は1時間に一回休憩をとりながら進めるプレゼンターもいます。

意図的にピットインすることで、聞き手にリフレッシュしてもらいながら、あっという間に時間が過ぎた感覚を与え、

「もっと聞きたい!」という気持ちを残すというのが、こういった業界のプロの視点です。

話そのものに沈黙や絶妙な間が入ると聞き手が刺激されるように、このピットインも同様です。

あなたのプレゼンの全体的な評価を高めたければ、休憩を有効に活用することをオススメします。

第3章の「ボディの構成」についての考え方も含めて活用してください。

文字の世界も字間や行間、そして段落をうまく活用して読みやすくするように、あなたが話していない行間や段落で、あなたのプレゼンの世界に聞き手を誘ってください。

5-3.Personality プレゼンの価値を唯一無ニのものにする要素はあなた自身である

あなたのプレゼンを唯一無二の貴重なものにするための鍵は、Personalityの「P」、あなた自身です。

プレゼン力を高めたい方は、TEDをご存じの方も多いと思います。プレゼンの内容と同様、プレゼンターが個性豊かです。

日本語 - TED Talks | TED.com(https://www.ted.com/talks?language=ja)

まるで「このテーマは世界で私にしか話せないんだ!」と、そのメッセージや想いが画面を超えて届いてくるほど、その人のパーソナリティがあふれています。

明るさ、深遠さ、軽やかさ、やさしさ、強さと、陽気さと、いろんなパーソナリティの要素がありますが、

ここで気になるのは、「では、どんなパーソナリティが好ましいのか?」という点です。

その答えになるのが、ズバリ、伝える内容への情熱です。

表現を変えると、準備した内容が、「いかに大切か」「いかに重要か」という想いが必要です。

「I have a dream」で始まる歴史的なプレゼンをおこなったキング牧師、ガンジーやヒトラー、

またマザーテレサやビジネスの世界ではスティーブ・ジョブズと、世界に影響を与える人の個性はそれぞれですが、共通しているのは「情熱」、この二文字です。

6.プロが解決!プレゼンでの緊張を解く5つの方法

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「緊張してしまう」「アガってしまう」。プレゼンの相談でよくいただく質問です。

ここでは、どのようにしたら緊張から開放され、自信を持って話すことができるのか、その解決策を5つご紹介しています。

あなたに合うものを選んで活用してください。

6-1.音楽を活用する

極度の緊張状態を強いられるトップアスリートの世界で定番となっている音楽を活用してください。

どんな音楽が緊張を緩和させるかは人によりますが、ピアノ曲やヒーリングミュージックのような静かな音楽でもいいですし、

逆にダンス系のアップテンポな曲でも大丈夫です。あなたにとって心地いい状態になれるものを選びます。

プレゼンの場に適切であれば、始まる前から会場に流しておくのも一つの手です。

プレゼンをするあなただけでなく、聞き手にとっても場づくりとして効果的な曲であれば、始まり前に流しておくことをオススメします。

6-2.落ち着く呼吸と激しい呼吸の両方を活用する

「深呼吸をすると落ち着きます」ということを聴いたことがある方は多いと思います。その通りです。ぜひ、活用してください。

そしてここではもう一つお伝えしておきます。

それは呼吸を使って逆にやる気を高めていく、という方法です。やり方は、鼻だけの呼吸です。

「吸う、吐く」の一つのまとまりを早く行います。つまり、鼻息を荒くしていくわけです。

そうすることで、緊張のドキドキを興奮のドキドキに変えていくことができます。

アスリートがよく行う、緊張やプレッシャーを打ち消し、競技への意識を集中させる方法としても活用されています。

6-3.緊張は緊張で打ち消す!逆にもっと緊張させて緩和させる

リラックスしようと思えば思うほど、緊張が高まってしまう場合があります。

そのときは、逆に体を意図的に緊張させ、脱力させてリラックス状態をつくるというやり方があります。以下の3つのステップです。

  1. おもいきり息を吸ってとめます
  2. 体中の筋肉に力を入れる(ブルブル震えるほど緊張状態をつくります)
  3. 一気に息を吐きながら脱力する

息を吐くとき、声を出しながら脱力するとより効果的です。①から③を数回繰り返しながら、あなたの心や体の状態を整えていきます。

6-4.グッズを活用して、ベストな状態を引き出す

グッズとは、家族の写真や思い出のアクセサリーなど、それを見るとあなたがリラックスできるものを、

プレゼンに向けての適切なやる気を生み出す引き金(トリガー)として活用するやり方です。

グッズを演台に置いてプレゼンを始めてみてください。

かわいいペットで緊張を緩和させたり、家族や恋人といった大切な人のことを感じられるグッズで、あなたのプレゼンに必要な気分や気持ちを引き出してください。

6-5.4つのレベルで自分を観察!考え方で意識を変える

実は緊張状態というのは、ネガティブなものではなく、最高のパフォーマンスを発揮する前段階でもあります。

これはプロのテニスプレーヤーであったジムレーヤーの考え方ですが、アスリートの状態には4つのレベルがあり、その中で最悪の状態が、やる気が起きず悲観的になっている状態です。

次のレベルが、やる気がなくリラックスした状態です。

リラックスというより、投げやりで気の抜けた現実逃避が起きている状態です。ものごとに取り組む態度ではありませんね。

次が緊張状態です。やる気はありますが、イライラとしている状態です。つまり緊張です。

そして最後が、エネルギーが満ち溢れた前向きな状態です。

緊張状態は、ハイパフォーマンスの一歩手前の状態です。

つまり、やる気がある健全な状態ですので、よく見せようと意識しすぎる気持ちを置いてベストを尽くす、という解釈をしてみるのも一つです。

参考文献 ジムレーヤー メンタル・タフネス―勝ち抜く「精神力」を手に入れる 

また、ドキドキという緊張は、ときめきのワクワクと似ています。

緊張してきたら、「よっしゃ!プレゼンの神が舞い降りてきた!!」そんなふうに考えるプレゼンターもいます。考え方の一つとして、参考にしてください。

7.まとめ

基本は、「先人たちの成功体験の積み重ね」と言われます。

ビジネスをはじめ、プライベートな面でも魅力的な人は、プレゼンや話し方がうまいだけでなく、誰にも真似できない味があります。

この味は基本の積み重ねがあるからこそできる領域です。

プレゼンは技術であり、あなたの想いが影響します。

今回ご紹介した7つのPの視点、そしてスキルは基本です。一つひとつ取り組み、あなたの想いを具現化してください。

あなたのプレゼン力は確実に変化していくと確信しています。

この記事は私が企画・監修・運営を務める『NLP話し方・プレゼンテーション心理学講座』でお話ししている内容の一部を交えてお届けしました。

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