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2024.07.16 NLP

【完全版】心理学のプロが教えるミラーリングの秘訣と手法、注意点

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心理学のミラーリングとは、
相手と深い信頼関係を
築くことができる手法です。

『脳の取扱説明書』や、
『天才たちのコミュニケーションスキル』
とも呼ばれている心理学NLP
(神経言語プログラミング)のスキルの一つです。

この手法は効果絶大で、
使いこなせばあなたに
たくさんの恩恵をもたらしてくれますが

ミラーリングについて
誤解をしている(損をしている)方が多い
という実情もあります。

ミラーリングの手法を体系化したNLPの
専門家として私からお伝えすると、

ミラーリングというのは単に

好意をアピールしたり
初対面の方と打ち解けるといった、
小手先で用いるテクニックなどではありません。

相手を尊重し、調和が取れた関係を
生み出して保ち続けていく心理技術です。

ぜひこの記事で
正しいミラーリングの理解と
効果的な活用方法を手に入れ、

あなたの仕事、プライベートの
人間関係で大いに役立ててください。

著者:足達 大和
全米NLP協会公認・NLPマスタートレーナー

当サイトを運営元している「NLP-JAPAN ラーニング・センター」の専属トレーナー。5,600回以上という圧倒的な回数の研修実績を持つ。

NLP-JAPANラーニング・センターとは、日本最大手の「NLP総合スクール」で、NLP業界の世界5大組織と連携。日本で唯一、NLPの基礎から大学院レベルまでの学びを提供している日本最高峰のNLPトレーニング機関。

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目次

    1.心理学のミラーリングとは何か

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    ここではミラーリングとは何か、そして、なぜミラーリングが効果的なのか、その点もお伝えしています。

    1-1.ミラーリングは、相手の無意識とつながるスキルである

    心理学のミラーリングとは、先述したように相手の警戒心を取り払い、安心感や親近感をつくり、無意識レベルで、深い信頼関係を築くコミュニケーション技法の一つです。

    その技法を一言でお伝えすると、相手の動作や静止しているときの手足の位置、また呼吸などを、まさに鏡のように合わせていくというやり方です。

    心理学のミラーリングを活用することによって、相手との「心の架け橋」を意味するラポールができます。

    本人も気づかないほど、心がオープンになり、知らず知らずのうちに「この人なら、ここまで話してもいい」と感じてしまうような状態が生まれます。

    そのラポールが形成されることで、友好な関係性を築きながら、あなた自身の説得力や影響力を発揮することができます。

    では、なぜこのミラーリングが有効なのかというと、心理学でいわれる「類似性による親近効果」が生まれるからです。

    1-2.ミラーリングは、類似性の親近効果を生む

    類似性の親近効果とは、以下の2つの意味で語られています。

    1. 人は自分と共通点がある人に対して、心がオープンになり、親しみを感じやすい
    2. 良好な関係の二人は、同じ動作をする傾向が高くなる

    この2つです。

    まず一つ目の共通点についてです。

    共通点があると相手との関係は一気に近くなることは、ご経験からでもわかると思います。

    例えば、出身地や学生時代の部活動が同じだったとか、出身校が同じであることを知ったとたん、その人は他人とは思えなくなる、という感覚がそうです。

    また、海外の旅行先で日本人を見つけると、なんとなく話しかけやすい感覚が生まれたり、戦争を体験した方たちは、戦友という言葉で心もつながり、相手に対する敬意が自然と起こったりする感覚です。

    そしてもう一つのほうが、今回のミラーリングの内容により近いものがありますが、良好な関係にある二人は、同じペースで身振り手振りといった動作を行い、同じ姿勢を取りやすいというものです。

    これは実際に周囲を観察するとわかりますが、例えば、「喫茶店でなんとなく、視界の先にいる、調和がとれた会話をしている二人をみると、同じ姿勢で会話を進めている」ということがあります。

    そしてこれはライター自身が体験したことですが、ある喫茶店で男性と女性のイラだったとげとげしい会話が聞こえてきたので、そのテーブルのほうに目をやると、以下の光景が目にはいってきました。

    このあと女性はお店から出ていったのですが、男女の喧嘩もミラーリングの視点からいえば、やはりその傾向が法則のように存在しています。

    つまり、関係性を良くしたければ、ミラーリングをすること、そして、関係性をなくしたければ、別な姿勢や動作をとること、が言えます。

    NLPのミラーリングとは、この同じ動作をすることによって、相手との関係をより良くしていくことを、意図的に活用することを目的にした技法です。

    1-3.ミラーリングは、本能レベルに影響を与える

    ミラーリングの効果は「脅威から身を守る」という意味で、本能レベルで機能しています。

    例えば恐竜や動物をイメージするとわかりますが、彼らは同形同士で群れをつくります。
    異形の生物であれば、それこそ逃げる、戦うという本能レベルの反応が起こります。

    人間の世界でいえば、髪の毛を金髪でとんがらせ、耳や鼻、また瞼に数個のピアスをつけ、体中に入れ墨がはいっている人が電車の席に座っていたら、おそらくその近くには座らないと思います。(あなたがそのスタイルでしたら、抵抗感も少ないと思いますが。)

    つまり異形のものに対しては、警戒や違和感が生まれ、同形のものに対しては、抵抗が生まれにくいものです。

    このミラーリングは、そういった本能レベルで影響を与えています。またここからの話はあまり表だっていないものですが、相手の心の状態を知るためにも役立ちます。

    1-4.ミラーリングは、共感能力を高める

    心理学のミラーリングは、共感能力を高めるツールとしても役に立ちます。

    良好な人間関係を築ける人は、共感能力が高いといわれます。別の表現でいえば、相手の心理的な状態を自分の中に引き起こすことができる人とも言われます。

    私たちの脳の中にはミラーニューロンと呼ばれるものがあります。これは相手を観察し、同じように行動しようとすると、その行動の意図やそこで感じている感情といった相手の状態をつくり上げる働きをする神経細胞です。

    例えば誰かが注射をしようとすると、その痛さを自分の中で感じてしまうという動きです。

    ライター自身もNLPのトレーナーとして、コーチングや、時にはカウンセリングと、いくつものセッションを行ってきました。

    ミラーリングは相手との深いレベルでの信頼関係(ラポール)を形成するだけでなく、相手の状態をサーチできるツールとして非常に有効であることを現実で数多く体験しています。

    ミラーリングをすると、ミラーニューロンが活性化し、共感能力が高まります。

    あなたにも経験があるように、共感してくれる人には自然と好意が生じてきます。

    そういったことにも役立つツールが、心理学のミラーリングです。

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    各国大統領も学ぶ心理学NLPのミラーリング

    この技法は、政治家や一流のビジネスパーソン、またプロのカウンセラーやコーチとよばれるプロフェッショナルたちのコミュニケーションの基本となっています。

    ※写真は、「本音は顔に書いてある」アラン・ピーズ、バーバラ・ピーズ 主婦の友社より。

    次の章では、具体的なやり方をご紹介しています。

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    2.心理学のミラーリングの具体的な方法

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    ここでは相手にミラーリングしていく対象をお伝えします。

    すぐに活用できるのがミラーリングですが、まずは対象を理解し、必ず3章の注意点と4章のQ&Aを確認してから実践してください。

    ミラーリングの手法のベースとなっている心理学NLPについても、下記をご覧頂いて理解を深めておくと、ミラーリングを実践した際により大きな効果を実感できると思います。

    ご興味をお持ちの方は、下記もご参考ください。

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    2-1.顔(頭や表情)

    頭がまっすぐなのか、前後左右のどちらかに傾いているのかを確認して合わせます。

    顎の位置を合わせると自ずとミラーリングになります。

    続いて表情です。口角や目の開き具合などをミラーリングします。

    プロのカウンセラーや催眠アプローチを行うヒプノセラピストは、相手のまばたきにミラーリングします。

    2-2.上半身

    背筋の伸びや、前後左右の傾きにもミラーリングします。

    手を揃えている、手を握っている、腕を組んでいる、ジェスチャーといった動きもミラーリングの対象です。

    2-3.下半身

    足は開いているか、閉じているか。また組み方(左右どちらが上か、下か)をミラーリングします。

    ※上司や先輩、また顧客といった立場の方には要注意です。相手が足を組んでいるからと言って、下の立場にいるあなたが足を組んでしまうと、逆に違和感や不快感を与えてしまいます。

    そのときにはどうしたらいいのか、詳しくは5章のQ&Aで確認してください。

    2-4.呼吸

    相手は胸で呼吸しているのか、お腹なのか。また、肩を見ると呼吸のリズムが見えてきます。
    呼吸は深いのか、浅いのか、そこもミラーリングの対象です。

    3.心理学のミラーリングの注意点

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    この章では、誤解を生むミラーリングと本来のミラーリングの違いを理解していただくための章です。効果的に実践するために重要なことを3つの視点でお伝えしています。

    3-1.ミラーリングの基本は、相手を尊重すること

    ミラーリングは、相手を尊重することが重要です。

    最初は、自分を「理解してもらおう」「知ってもらおう」の意識ではなく、まずは「相手を理解しようとすること」「知ろうとすること」、そして「尊重しようとすること」を大切にしてください。

    ここでどうして尊重することが効果的なミラーリングになるのか。そして、どうして姿勢や動作、呼吸を知ることが大切なのか。その点をお伝えします。

    人の姿勢や動作、呼吸は、その状況で最適に目的を手にするために、その人の無意識がつくり出したものです。

    呼吸を考えればわかりますが、多くの場合、人というのは、意識して息を吸ったり吐いたりしていません。

    鼻から吸うか、口から吐くか、また深く吸うか、浅くリズミカルに呼吸するかなど、迷うことなく動いています。

    仕草や姿勢も同様に、何かに集中しているとき、意識して動いたり、止まったりしていません。

    少し記事を読むのを止めて、今のあなたの姿勢を観察してもわかると思います。

    背筋は、まっすぐ伸びているか、前後左右のどちらに傾いているか、
    頭はまっすぐか、前後左右のどちらかに傾いているか、
    両手はどの位置にあるか、
    足をリズミカルに動かしているか、貧乏ゆすりをしているか、また止まっているか、
    組んでいるならどちらの足が上か、下か、

    といったことは、おそらく無意識だと思います。

    無意識は、あなたがこの記事を読むという目的のために、電車の中であったり、オフィスや家のデスクの上であったりと、その状況で、その場にふさわしい、もっとも心地よいと思われる姿勢をその瞬間、瞬間につくり出しています。

    私たちの無意識の目的の一つに、両足の幅や組み方、まばたきなども、すべてその一瞬一瞬に、その状況においてもっとも「適切で心地いい状態」をつくり出す、ということがあります。

    実はこのミラーリングとは、相手にとってのその「適切で心地いい状態」に調和を生み出していくことで、深いレベルでの安心感を生み出すことを目的としています。

    ただモノマネをすることではありません。

    人は、体温や血液の流れ、そのときの感情で脳内に放出されるホルモンなどの生理現象も含んで、その状況における「適切で心地いい状態」をつくっています。

    その人の姿勢や動作、呼吸は、その人の「適切で心地いい状態」のシンボルであり、サインです。

    「この姿勢が、この動作が、そしてこの呼吸が、
     相手にとっては、今、適切な状態なんだなぁ」

    と思いながら、相手の無意識レベルを理解しようとすること、知ろうとすること、尊重しようとすることが重要です。

    その尊重の気持ちから、相手を観察していきます。

    3-2.ミラーリングの肝は、観察すること

    相手を観察していくことで、ミラーリングの効果は一層高まります。

    人の内面は外側にあらわれます。嬉しいときのその人の目じりや顎の位置、また怒りを感じているときの口の形や話すスピードなど、人の内面は何らかの形で外側にあらわれます。

    相手を観察することをNLPでは、「キャリブレーション」と言います。

    「計測する」という意味ももった言葉で、相手の姿勢や手足の位置、動作はもちろんですが、人の心を細やかに扱うプロたちは、以下のようなポイントを観察し、効果的なミラーリングを実践します。

    【キャリブレーションの分野と部位】

    【姿勢・動きの変化】
    顔の動き、手足の動き、また動きの停止

    【呼吸の変化】
    胸やお腹の、浅い呼吸や深い呼吸、または一時停止している状態

    【表情の変化】
    皮膚の色、血液の流れ、シワ、目の動き、まばたき、瞳孔の開き、焦点、下唇の大きさ

    ※ミラーリングそのものではありませんが、声の変化も観察の対象です。

    【声の変化】
    トーン(緊張したトーン、低く深いトーン、激しいトーン)
    テンポ(早い、遅い、間をとっている、など)

    これらのキャリブレーション力が高まってくると、ミラーリングを自然に行え、声の調子も含め、急速なラポール形成が可能になります。

    ここで重要なポイントです。
    これまでご紹介してきた細かい項目を一気に把握することは至難の業です。

    最初から全部をミラーリングしようとすると、相手から見たら、キョロキョロと視点が定まらない挙動不審な人に見えてしまうため、逆効果になります。

    ですから最初は全体的な視点をもってください。そして次に、分野でみる視点を持ってください。分野とは、【姿勢・動きの変化】【呼吸の変化】【表情の変化】の3つです。

    細かい点は後にしながら、まずは【姿勢・動き】から始めると取り組みやすいと思います。

    なんとなくミラーリングしながら、無理なく観察できるようになったら、「まばたき」などのより細かい対象を観察するようにしたり、声の調子などにあなたの意識を向けていきます。

    相手の動きを確認し、その動きをゆっくり追っていけば大丈夫です。それだけで十分なミラーリングになります。

    3-3.違和感をもったら、やらないこと。さりげなく気づかれずにやること

    大切なポイントです。
    違和感をもつようでしたら、そのミラーリングはやめてください。

    違和感とは、あなたのやりにくさではありません

    この場合は「ここでこれをやったらおかしいのでは?」、「不自然ではないか?」といった疑問に近い感覚です。

    最初は、自分の「やりにくさ」で違和感をもつ人も多いですが、その違和感とは別です。

    最初の段階は、相手を尊重する、配慮することを前提に考え、ラポールを形成するためにミラーリングをしていますので、あなたの聞きやすさではなく、相手の話しやすさへの配慮が必要です。

    相手に気づかれたら台無しですので、さりげなくやることがポイントです。

    実はこのことをお伝えするには理由があります。

    NLPの正式な資格認定コースを開催していますが、ミラーリングの講義を終えたあと、最近女性の方からこんなことを言われます。

    「先生、男の人が私のマネをしながら話しかけてきて、とってもイヤなんですけど・・・」
    という声です。

    お伝えしたいのはこのことです。ミラーリングという技法は、多くの方に知られるようになりました。

    ですが、今回お伝えしたような本質を理解することなくやってしまう人がいるので、しっかり学ばれた人からすると、話は興ざめするし、人としての薄っぺらさが露呈してしまいます。

    ですから、相手を尊重する想いから、さりげなく気づかれないようにやる。これがポイントです。

    「相手への好意を示す行為がミラーリングである」

    このような表現でミラーリングを知った人は、誤解して「あなたに関心がありますよ」「あなたへ好意をもっていますよ」、といったことを伝えようとするわけです。つまり自己アピールしようとするわけです。

    しかし、これではまったくの逆効果です。

    相手との間にラポールが生まれ、相手の心が開き、あなたの話を聞いてくれる状態になってから、あなたの主張や説得やセールス、つまり自己をアピールしていく流れが必要なのです。
    この流れについては、5章でお伝えします。

    4.心理学のミラーリングでよくある質問Q&A

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    ここではミラーリングを実践するうえで、大切にしていただきたいポイントをQ&A式でまとめています。

    これまでお伝えしてきたことも含め、よりよい関係性をつくるチェック項目として活用してください。

    4-1.Question1

    対面で座るときにはミラーリングはしやすいですが、横に座ったときは、どのようにするといいのでしょうか?

    Answer

    テーブルや椅子の配置など、状況によって若干異なってきますが、基本はやはり左右対称にしていきます。つまり、以下の写真のように左右対称です。

    cafe_couple002

    このような形になることをおすすめします。

    またミラーリングは、「相手が飲み物を飲んだら、自分も飲む」といった表現で、示されていることもありますが、猿マネではありません。

    相手がお茶を飲んだら、お茶を飲まなくとも、写真のように飲んでいる手の動きを合わせるだけでもミラーリングになります。

    その際には、同時にではなく、相手の動きを確認してから、その動きを追っていくミラーリングで大丈夫です。

    4-2.Question2

    相手が上司やお客様などの立場が上の方で、例えば相手が腕組みをした場合、やはり腕組みをしたほうがいいのでしょうか?

    Answer

    この場合、相手と同じようにミラーリングしてしまうと、やはり失礼になります。

    この場合でしたら、以下の図のように例えば相手が腕組みをして話し始めたら、手だけを交差する(または手を添える)というやり方があります。

    腕と手先のミラーリング

    また、足を組んだら、同様に手を少し組むといったこともミラーリングです。

    足と手先のミラーリング

    また次のように足を組まなくても、足の先を重ねれば、
    ミラーリングになります。

    足と足の先のミラーリング

    相手とあなたの立場を考えることは大切なことです。

    ですから、こういった疑問が出てきた場合、
    前述したように違和感があることはしないことです。

    相手を尊重しようとするスタンスからくる、そういった違和感はとても重要です。

    あくまでも尊重が第一です。

    そして、同時にやるのではなく、少し遅れても構いませんので、さりげなく気づかれずにやることがポイントです。

    4-3.Question3

    相手とラポールができているというのは、どうしたらわかるのでしょうか?

    Answer

    ラポールができていると、相手があなたと同じ行為を取り始めます。そのときがラポール形成のサインです。

    近い感覚の例としてお伝えすると、ぼーっと信号を待っていて、隣の人が歩き出すと、赤信号でも歩き出そうとしてしまうような、あの感覚です。

    手を同じように動かしたり、背筋が伸びたりと、一瞬同じような動きを始めます。これは、その人との間に無意識レベルで調和が生まれているからこそ生じるサインです。

    また、このことも覚えておいてください。

    ラポールは、一度できたら、ずっとできたままというものではなく、話の流れの中で、「なんとなく距離が出てきたかな」と思ったら、その都度こちらからミラーリングをしていきます。

    相手に合わせて、目的に向かって話を進める。
    この繰り返しで会話を進めていきます。

    会話の流れ全般をとおしてキャリブレーションし、そのサインを確認できる余裕を持てるようになれば、相手の無意識を味方にしたコミュニケーションが上達していきます。

    5.ミラーリングをより効果的に実践するための3つのステップ

    最後に、これまで説明してきたミラーリングをより効果的にしていく、コミュニケーションの全体のフレームをご紹介します。

    NLPでは、卓越したコミュニケーターのコミュニケーションのモデルを以下の3つでまとめました。

    「ペーシング」→「ラポール形成」→「リーディング」の3つのステップです。

    【ペーシング】
    ペーシングとは、ラポールを形成するために、相手に合わせていくことです。
    ※今回ご紹介しているミラーリングは、ペーシングの一部で、この他にも相手の声の調子や言葉遣いなども合わせる対象になります。

    【ラポール】
    相手との親近感や安心感、また無意識の深いレベルでの信頼関係です。相互の影響力が肯定的に反映し合うつながりとも言われます。

    【リーディング】
    あなたのコミュニケーションの目的に向かって話をリードすることです。

    この3つのステップは、よく「ダンスの流れ」に例えられます。

    相手とダンスを踊りたければ、まず相手が踊っているダンスを踊り、つながることができたら、そこからあなたのダンスに誘う、という流れです。

    つまり、ペーシング⇒ラポール⇒リーディングの流れです。

    ここで重要なポイントは、卓越したコミュニケーターは、必ずコミュニケーションの目的をもって会話を始めるということです。

    セールスでしたら、いきなり契約にもっていくということではなく、今回の目的は「現状はどうなっているのか」「キーマンは誰か」、そういったことを調べる打ち合わせにするといった目的がその一つです。

    商品の説明が目的だったり、契約そのものが目的だったりと、その会話の目的、つまりゴールに向けて段階を踏んで、話を進めていきます。

    コミュニケーションの目的を決めて、そこにリードできるようにラポールを形成していきます。そのラポール形成のための手法の一つがミラーリングです。

    ですから、その場しのぎのようなミラーリングではなく、「大きなフレームの一部である」という認識をもつことで、余裕をもったミラーリングができます。

    この3つのステップの理解とそのコミュニケーションの着地点、目的、ゴールをもって、余裕をもったミラーリングに取り組んでください。

    ※参考文献

    NLP体験講座はこちら

    6.まとめ

    ミラーリングは、相手との深い無意識レベルでの信頼関係づくりの技法です。

    相手への尊重や配慮をもち、コミュニケーションの目的をもって、ミラーリングを始めてください。観察し、さりげなく、気づかれない程度にやるのが大事です。

    そうすることによって、あなたのミラーリングの能力、ひいてはペーシング、リーディングの力を高め、説得力や影響力を高めることができます。

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