もともとは、人の心の傷を癒すセラピーの分野から生まれたNLPですが、セラピーもコミュニケーションの一種で、そのスキルは、セールスやプレゼン、交渉やマネジメントといったビジネスの分野にも発展していきました。
今では政治や裁判、教育やスポーツ、また俳優やアーティストといったあらゆる分野で活用され、そのパフォーマンスは、これまでにない短期的な加速学習法としても様々な分野に取り上げられています。
では、その「NLPとはどういうものなのか?」、そして「どんな本を読めばいいのか?」
そんなお声もあり、今回の記事を作成しました。
この記事では、「NLPのことがわかる」というポイントにフォーカスを当て、以下のような項目で計21冊をご紹介しています。
- NLPとは何か。どんな可能性があるのかを理解するための初心者用5冊
- NLPを総合的に使いこなしたい中級者以上におすすめ本2冊
- NLPの各スキルやテーマに特化したおすすめ本14冊
第1章では、今回NLPに関する本をご紹介するにあたっての「基準」や「考え方」についてご説明していますので、ぜひお読みになって各章で紹介されている本を学びのヒントにしてください。
著者:足達 大和 全米NLP協会公認・NLPマスタートレーナー |
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当サイト「Life&Mind」の運営元である「NLP-JAPAN ラーニング・センター」の専属トレーナー。5,600回以上という圧倒的な回数の研修実績を持つ。 NLP-JAPANラーニング・センターとは、日本最大手の「NLP総合スクール」で、NLP業界の世界5大組織と連携。日本で唯一、NLPの基礎から大学院レベルまでの学びを提供している日本最高峰のNLPトレーニング機関。 |
目次
1.厳選したNLP本の基準や考え方
ここでは、ご紹介する本の基準と考え方についてお伝えします。
基準はシンプルです。
- 初心者向けには、わかりやすいこと。
- 中級者以上は、十分に深堀りができ、一生活用できること。
この二点に絞りました。
そして特筆するところは、上記の点に加え、NLPの「全体性」と、各スキルやテーマに絞った「特化性」の二つの軸にわけてご紹介しています。
【この記事でご紹介するNLP本の分布図】
縦軸は初心者用と中級者以上用の軸です。
中級者以上とは、NLPの基礎となるプラクティショナーコースを
修了している方向けです。
横軸はNLP全体を紹介している内容と
各スキルやテーマを紹介している特化性の軸です。
このようにした理由は、「NLPのことを知りたい」というとき、まずは全体像から知りたい、という人がいます。
また、「人間関係の悩みや問題解決に役立てたい」とか、現在カウンセリングやコーチングといった職業上の「スキルアップ」のためにNLPを知りたいと、目的をもって探している方もいます。
つまり、目的、ニーズは様々です。
本来ならあなたの目的をきいて、「それならこの本です!」とご紹介したいのですが、
情報提供の限界がありますので、以上のようにマトリックスにわけてご紹介していきます。
私自身も本を買ってはみたものの、「これじゃなかった・・・」「これは早すぎた・・・」といった経験があります。
今回は、そういったムダをなくし、よりあなたの目的に合うように各本の位置づけを前提として、あなたのNLPの理解や実践に役立てていただきたいと思います。
2.初心者用NLPとは何か。網羅性の高い本5冊
ここでは、NLPとはどんなものか、
包括的で網羅性の高い本をご紹介します。
初期のNLPは短期的かつ効果的なセラピー手法の研究でしたが、やがてセールスや交渉、またプレゼンといったコミュニケーションスキルとして活用領域が拡大し、
今では、「自己成長」、「目標達成」、「問題解決」、「現状打破」、「ビジョンやミッションの発見ツール」として、総合的な人の成長を促進させるものになっています。
様々な分野に進化していったNLPの、総合的な世界を知りたい方におすすめの5冊です。
■長く活用できる本①
1990年代に日本に入ってきたとされるNLPですが、当時NLP黎明期の方たちが手に取り学んだ本です。
私自身もNLPの本に関してはこの本が最初に手にした本で、
今もなお紐解く本です。
以前は『NLPのすすめ――優れた生き方へ道を開く新しい心理学』(株式会社チーム医療、1994年)というタイトルで出ていましたが、
今はこちらのタイトルで新装版として再登場している本です。
まずはわかるところから読み始めてください。
■NLPが、どんな分野に活用できるか、その可能性が見えてくる本②
NLPを学ぶ際に出てくる「アンカリング」「キャリブレーション」「サブモダリティ」といった専門用語を、辞書のように解説してある本です。
用語集のようにも活用できる本ですが、この本はNLPの可能性も紹介されています。
ですから、内容とともに可能性を理解できる本です。
仕事ではどう生かせるのか、人間関係ではどう活用するのか、学習効率を上げるために必要なことは何か、そんな理解を深めたい方にはおすすめです。
■NLPを図解でわかりやすく紹介した本③
NLPの歴史や背景、またワークブックもついた本です。
監修は日本のNLP業界では草分け的な鈴木先生の書籍です。
「セラピー系のNLP」、「目標達成型のNLP」とNLPと言っても切り口が異なるだけで、全く違う本になってしまうのがNLPですが、著者の紹介するNLPはフラットです。
そういった意味では、NLPがそのまま理解できる本です。
NLP全体を理解したい方におすすめです。
■NLPをマンガでわかりやすく紹介した本④
言語学、心理療法、システム理論といったさまざまな背景をもったNLPですが、
これらをわかりやすくマンガ入りで書いている本は、初心者には有り難い本になります。
網羅性はこれまでの本よりは若干下がりますが、
わかりやすく書かれた本です。現実にも即活用できるように書かれています。
■最新のNLPの世界を網羅した実は最初に手にしていただきたい一冊⑤
問題解決のみならず、目標達成のスキルに加え、自己変容といった深い部分の変化のスキルが学べるNLPの世界を広く、わかりやすく学べる本です。
わかりやすく学べるだけでなく、ワークの具体的な手順まで紹介されているおすすめの本です。
初期のNLPはもちろん、進化したLABプロファイル、コア・トランスフォーメーションと最新の情報まで網羅された一冊。
NLP関連書籍の中で一冊だけ選ぶとしたら、この本をおすすめします。
3.NLPを総合的に使いこなしたい中級者以上におすすめ本2冊
これからご紹介する本は、上記2冊が理解できなければお勧めしません。
またNLPプラクティショナー認定コースを終了された方には、
ぜひ読んでいただきたい本です。
■この内容が分かれば、NLPが理解できたと言える本⑥
日本で最初に出たNLPの本「NLPのすすめ」の著者が、より分かりやすく重要な考え方やスキルを紹介している本です。
ライター自身、NLPマスタートレーナーとして活動していますが、この本は私的に最も読み返す本です。
■様々な問題をNLPではどのように解決するのか、その理解が深まる本⑦
NLPについては前面にでてきませんが、内容はNLPのスキルに関する本です。
私たちのネガティブな症状を「ウイルス」という言葉に例えているのが
ユニークな点です。
「思い通りの人生をおくるため」に、「愛情の問題を解決するため」に、「仕事をうまく生かすため」に、「劣等感を克服するため」にといった生きる上での必要なテーマと、その解決法を紹介しています。
4.各スキルやテーマに特化したおすすめ本14冊
ここでご紹介する本は、一つのスキルに特化して書かれている本、
またNLPそのものではありませんが、
NLPをベースに作られた「目標達成」や「生き方」、また「仕事」に活用できる
ビジネス書等、各テーマをもつ本をご紹介しています。
ここでご紹介する本は、内容が特化していても初心者向けの本もあります。
ですから、あなたの目的に沿って見つけてください。
■ NLP開発の原点となった「モデリング」に関する本⑧
脳は他者を模倣することで学習していくと言われます。
私たちが生まれ、身近にいる親兄弟の模倣しながら、生きる術(すべ)を無自覚に学んできたように、私たちは真似ることで何かを学習することができます。
この本は、アリストテレス、ウォルトディズニー、シャーロックホームズ、モーツァルトの天才たち4人を取り上げ、どのような内的プロセスで、様々な創造や発見をしていたのかそのストラテジーについて書かれた近代NLPの大御所、ロバート・ディルツ氏の本です。
※NLP中級者以上の方におすすめです
■ NLPの最大の発見と言われる「サブモダリティ」に関する本⑨
サブモダリティは、「苦手意識の克服」や「自信を確信レベルに引き上げる」ための、私たちの脳の取り扱い方をシンプルなアプローチで可能にした概念です。
この本は、開発者の一人であるリチャード・バンドラーのワークショップを書籍化した内容で、サブモダリティの概念が分かる方には、どのように使っていけばいいのか、そのヒントになる本です。
イメージをふくらませれば、NLP初心者の方にも読める本です。
■心理的枠組みで問題を解決する視点を学ぶ「リフレーミング」に関する本⑩
ゲシュタルト療法、家族療法、催眠療法と療法のアプローチが違えど、クライアントの中の何が変化したのか、その一つが、その事象をとらえる心理的枠組みです。
この心理的枠組みをどのように変えればいいのか、開発者のリチャード・バンドラー、ジョン・グリンダーの共著本です。
古典的な6ステップリフレーミングが紹介されている基本的な書籍です。
セラピストやカウンセラー、またコーチの方におすすめです。
NLP中級者以上の方用です。
■フレームの影響とともに「リフレーミング」を進化させた本⑪
先に紹介したリフレーミングを治療ではなく、自己や他社の問題解決ややる気を高めてくれる独自の視点を盛り込み、いくつかの枠組みを合わせてご紹介したマイケル・ホール,とボビー・G・ボーデンハマーの本はこちらです。
※中級者以上におすすめです。
■「メタモデル」と「ミルトンモデル」を紹介したNLPの最初の文献⑫
人はどのように世界を構築するのか。
そして主観的体験はどのような言語で形成するのか。
初期のNLPは、このように人の認知を科学するところから始まりました。
制限となる思い込みはどのような言語パターンで構築されるのか。
そして、どのように紐解いていくのか。これらの問いに答えるのが、この本です。
メタモデル、ミルトンモデルが紹介された内容です。
※中級者以上の方におすすめします。
■「メタモデル」、「ミルトンモデル」の言語パターンを統合しながら学べる本⑬
メタモデル、ミルトンモデルが理解できたら、この本はたまらない知恵の結晶とも言えます。
リチャード・バンドラー、ジョン・グリンダーのワークショップで飛び出す言葉の数々収集し、さまざまワークの手順書をまとめたといわれる、クリスティーナ・ホールの本です。
※中級者以上の方におすすめです。
■NLP関連本で世界で最も知られている本⑭
NLPが世界に広がった立役者の一人が、アンソニーロビンズです。
NLPの内容を「人生の成功」という形でアレンジし、世界各国でセミナーを展開していきました。
初心者でもすぐに読める本です。NLPを学んだ中級者以上の人は、「アンカリング」をこういうふうに説明するのか、「メタプログラム」をこういう切り口にするのか、という編集の仕方としても学べる本です。
■英国で広がったNLPを基盤としたイメージ法が豊富に紹介されている本⑮
著者のポールマッケンナは、ラジオの元人気キャスターというキャリアをもち、NLP他、多くの学びを本にしていきました。
NLPは前面に出ていませんが、NLPを学んだ人だと、そのイメージワークが、
「VAK」「タイムライン」などで構成されているのが理解できる本です。
(CDの中身はNLPや催眠を知らない方が担当したのか、無意識へのプログラミングとしては少し残念なところを個人的に感じてしまいます)
初心者でも読める本です。アンソニーロビンズの本同様、NLPを学ばれた方はどこにその内容が活かされているのか、そんな観点で学べます。
■神話をモデルに生き方のステップを示したNLP関連本⑯
神話学者のジョセフ・キャンベルが、文化や宗教といった背景を超えて、その国々で語り継がれる神話の研究をもとにつくられた内容の本です。
どんな物語にも登場する主人公は以下の8つのステップを辿ること見出しました。
そのステップとは、
「天命を知る」
「天命を辞退する」
「境界線を超える」
「メンター・守護者と出会う」
「悪魔との対決(他者だけでなく、自分の影に立ち向かう)」
「変化・変容を遂げる」
「課題を完了させる」
「故郷へ帰る・帰還する」
このステップが、映画「スター・ウォーズ」に取り入れられたのは有名な話で、「ロード・オブ・ザ・リング指輪物語」など、神話だけでなく、読み続けられる物語の骨子となっています。
※初心者からでも読める本です。
■多様性が必要なコーチングに特化した本⑰
クライアントの状態がポジティブであれば、
うまく行動を促進できますが、
気持ちが落ちて行動ができずに停滞してしまうと、
これまでのコーチング手法では
対応することが困難になります。
個人の生き方が多様化すれば、
コーチングの手法も多様化できることが必須です。
環境面をケアするケアテイカーから、
ガイド、コーチ、ティーチ、メンター、スポンサー、
そして精神面での覚醒を導くアウェイクナーまで、
有能なコーチが必要とする総合的なツールが満載です。
■最も仕事に直結して活用できるNLPをベースにした影響言語の本⑱
相手が無意識に動いてしまうメタプログラムという概念を、さらに活用しやすく、実践的に再構築されたLAB(ラブ)プロファイリング®に関する本です。
セールスや教育、説得やプレゼンはもちろん、ビジネスだけでなく、人生全般に活用できる本です。人事関係のお仕事の方にはチームビルディングという観点でもおすすめです。
ビジネス書として読めますので、人の無意識の働きをビジネスに活用したい方におすすめです。NLP初心者でも大丈夫です。
■日本人が書いたもっとやさしいLABプロファイルに関する本⑲
初級者からでも読めるわかりやすい本です。
■NLPをセラピーに特化させた「コア・トランスフォーメーション」に関する本⑳
NLPの中でも重要な「肯定的意図」「パート」「無意識」という概念を統合したアプローチをコア・トランスフォーメーションと言います。
これまでのトラウマやネガティブ感情の解消は、過去にさかのぼりをその痛みに対応するアプローチが主流でしたが、まったく新しい心理的アプローチとして医療の世界にも活用され始めています。
NLPに関しては中級者以上の方におすすめですが、セラピストとして活動されている方にはお勧めできる本です。
■「覚醒」を誰もが体験できるようにしたNLPセラピーの最新の一冊㉑
NLPを学んでいるなら知っておきたい
NLPセラピーの最新スキル。
その名も「ホールネスワーク」
タイトルからして深いものですが、
帯にある
「あなたの悩みは、
無意識へのアプローチでとけてゆく」
不思議に聴こえるかもしれませんが、
これ本当です。
精神世界の教えである「覚醒」に基づきながらも、
より具体的で、万人に使いやすいスキルとして
書かれています。
「心のチキンスープ」で有名な
ジャックキャンフィールドもおすすめの一冊です。
5.まとめ
今回は、NLPを全体、そして特化した本と、初心者向け、そして中級者向けの二つの軸でご紹介してきました。
これはライター自身の経験でもありますが、小学校の「算数」が分かって、中学の「数学」が分かるように、基本があいまいなままだと、前に進めません。
NLPも同様に一気に学んでいきたい方は、必ず基本的な内容を理解したうえで、他の本を読まれることをおすすめします。
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