自己効力感が低いと
どのような状況を引き起こすか、
あなたはご存知でしょうか。
自己効力感が低いままだと、
思考やモチベーション、人生における選択など
人生のあらゆる場面で問題が起きてしまいます。
この記事では、
自己効力感が低い人の特徴や原因と、
自己効力感を高める
重要な4つのプロセスについて
ご紹介していきます。
目次
1.自己効力感が低い人の特徴5選
下記は、自己効力感が低い人の5つの特徴です。
- 積極性が低い
- 挫折からの立ち直りに時間がかかる
- 不平・不満が多い
- 他人の意見に必要以上に影響を受ける
- 自己評価が低い
それぞれ詳しく見ていきます。
1-1.積極性が低い
自己効力感が低い人は、「自分にはできる」という感覚が他の人に比べて低いため、自ら積極的に行動したりすることが少ない傾向があります。
「失敗したらどうしよう」「上手くできるか不安」といった感情から、能動的な行動よりも受動的な行動が多くなりがちです。
こうした人には、今何に対して不安を感じているのかを細分化して一つずつ小さな目標を達成させていくことで徐々に自信を持ち、積極性が高まっていきます。
1-2.挫折からの立ち直りに時間がかかる
自己効力感が低い場合、何かに挑戦して失敗をした時に、その失敗や挫折から立ち直るまでにたくさんの時間を要する可能性が高いです。
例えば下記のように、自己効力感の高さによって、失敗をしたときの考え方や前提が異なります。
【失敗したときの捉え方/前提】 | |
---|---|
自己効力感が 高い人 |
「努力が足りなかった」と考える |
自己効力感が 低い人 |
「能力が足りなかった」と考える |
こうした違いが挫折や失敗の立ち直りの早さに影響し、自らの可能性を広げられるかどうか、といったポテンシャルの面にも大きくつながっていきます。
1-3.不平・不満が多い
自己効力感が低い人の特徴として、不平・不満が多いということも挙げられます。
「自分はできない」と思っているからこそ、できなかったときの言い訳を探しやすく、それが不平・不満へとつながるケースが多いと言えます。
その結果、物事をネガティブに捉えやすくなってしまい、自分の可能性を狭めてしまうことにもつながります。
1-4.他人の意見に必要以上に影響を受ける
自己効力感が低い人は、「本当にこれでいいのか」「私が決めてしまってもいいのか」という不安から、自分で選択肢を選ぶ、決断するということが苦手な傾向にあります。
その結果、他人の意見に必要以上に影響を受けてしまい、他者に依存することにもつながります。
1-5.自己評価が低い
自己評価が低い人は、自己効力感も低い可能性が高いです。
というのも、自己効力感とは「自分なら上手くできる」という感覚なので、自己評価が低ければ低いほど、比例して自己効力感も薄れていくからです。
この影響から、物事に挑戦する前から諦めたり、忍耐強く努力を重ねていくことが難しいことも特徴のひとつです。
2.自己効力感が低くなる原因3選
自己効力感が低くなる主な原因は下記の3つです。
- 失敗した時に自分の能力を否定する
- 自分の可能性を信じきれない
- 知識や経験の不足
それぞれ詳しく解説していきます。
2-1.失敗した時に自分の能力を否定する
先にも述べたように、何かに挑戦したときに失敗・挫折をしたことへの反応によって、自己効力感が低くなっている可能性があります。
失敗した原因は色々な要素に分かれてくると思いますが、そこで必要以上に自分の能力不足を責めてしまった場合、自己効力感が低くなり、次の挑戦を避けてしまったり、やる前から諦めてしまうことにつながります。
大切なのは、失敗した原因を正しく分析し、最適なフィードバックを行い、再挑戦することです。
能力を否定せず、「今は目標達成をする山登りの途中である」「能力はいつからでも伸ばしていくことができる」という捉え方で前に進んでいくことが大切です。
2-2.自分の可能性を信じきれない
自己効力感が低くなってしまう原因として、自分の可能性を信じることができないことが挙げられます。
自分の可能性を信じきれていない場合、本当は達成できる、成功できる可能性や見込みがあるにも関わらず、挑戦する前から自分で限界を決めつけてしまいます。
ここでの恐ろしいポイントは、この状態で失敗すると「ほら見たことか」「やっぱり自分はできないんだ」といった感覚を強めることになってしまい、「どうせ〇〇は私と違って才能があるから...」という嫉妬にもつながる場合もあることです。
まず大切なことは、「自分には可能性がある」と信じること。この前提がベースとなって自己効力感が高まっていきます。
2-3.知識や経験の不足
自己効力感が低い原因として、基本的な内容にはなりますが、知識や経験の不足は大きなポイントです。
目標があったとしても、その達成に必要な知識や経験が不足していては、ゴールまでの解像度が低くなってしまいます。
その結果、「自分に達成できるのか」という不安が生じて、「自分ならできる」という自己効力感の低下につながっていきます。
一方で、色々な体験をしたり、知識を取り入れることによって、直接的に関係はなくても、問題解決のヒントになったり、思考の幅が広がることにつながったり、経験則から解を導き出すことが可能となります。
3.自己効力感を高める4つのプロセス
ここまで自己効力感が低くなってしまう原因をお伝えしてきましたが、ここからは自己効力感を高めるために大切なものとして、下記の4つのプロセスをご紹介していきます。
3-1.認知的過程
認知的過程とは、目標達成や問題解決をするにあたって、必要となる行動や思考を正確に予測・把握し、修正していくプロセスのことを指します。
自己効力感を高めるために大切なのは、複雑な情報を効果的に処理していくことです。そうしたときに必要とされる視点は、具体的に下記の5つが挙げられます。
- もっとも重要な行動は何か
- 取るべき行動の優先順位はどうか
- 何をどうつなげれば最も効果的なのか
- 取れる選択肢はいくつあるのか
- 行動と結果との関係を吟味し、修正する
こうした目標達成や問題解決に対するプロセスの解像度を高め、成功までのシナリオを脳内で正しく認知していることは非常に重要です。
特に、困難な状況や高い目標を達成していくためには、この認知の過程をいかに明確にしておけるかが鍵となるでしょう。
3-2.動機づけの過程
動機づけの過程とは、目標を達成する上で、成功を加速させるために自らを動機づけすること、つまり、目標達成に対する高いモチベーションの維持・向上していく過程のことです。
モチベーションを高く維持することができれば、忍耐強く目標に向かって努力したり、困難が現れたとしても諦めずに対処していくことが可能になります。
動機づけの過程において、下記の3つの視点が重要だとされています。
動機づけで必要な視点 | 解説 |
---|---|
①原因をどこに置くか |
失敗したとしても、先天的な要素(自分の能力など)に原因を置かずに、後天的な要素(努力の量や取ったアプローチ)に原因を置くことで、動機づけを損なわない。 |
②期待値の高さ |
「この目標は達成できそうだ」「見込みある結果が手に入る」という期待感が持てる目標設定を行うこと |
③設定する目標の高さ |
価値のある高い目標・具体的ではっきりした目標を立てることでモチベーションを高める |
目標に向かって進む際、ときには結果が伴わず、忍耐が必要な時期が長く続く可能性もあります。途中で投げ出さずに、やりがいと自己効力感を高く保つためには、この3つの視点で動機づけを行っていくことが大切です。
3-3.情緒的過程
情緒的過程とは、困難な状況において、降りかかってくる不安やストレスをどう捉え、対処していくかというプロセスのことです。
具体的には、これから起こりそうな脅威への警戒や感じ方、受け止め方に影響を及ぼします。
自己効力感が高い |
起こりうる脅威を対処可能だと信じている |
脅威に対して必要以上に恐れない |
起こりうるリスクを正確に予測する |
新しい環境をチャレンジとみなす |
自己効力感が低い |
ストレスを手に負えないと思い込む |
脅威を実際よりも大きなものとして捉える |
めったに起こらないことについて心配する |
新しい環境を脅威とみなす |
このように、出来事に対しての捉え方に大きな違いが出ることも、自己効力感の高さによる影響の一つです。
適切でない捉え方をしてしまうと、必要以上にエネルギーを浪費してしまうため、できるだけ自分にとってプラスとなる捉え方を選んでいくことが大切です。
3-4.選択の過程
自己効力感の高さは、人生における数々の選択にも大きく影響を及ぼします。
私たちは自分で選んだ環境によって、それぞれ異なった能力や興味関心、人との関係性を作っていきます。すなわち、「選択」は自分の人生を形作っていく重要な過程なのです。
そして、自己効力感の高さが、この「選択」に対して、具体的にどのような影響を与えるのでしょうか。下記の表にて分かりやすくお伝えします。
自己効力感が高い |
|
自己効力感が低い |
|
一つ一つの小さな捉え方、そして選択の差が自己効力感に影響することがお分かりいただけると思います。
大小に限らず、人生におけるさまざまな選択に直面したときは、自己効力感が高い人の立ち振舞いを意識していくことが大切です。
4.自己効力感が低い自分はいつからでも変えられる
一度高めた自己効力感は、あなたの人生の支えになります。自己効力感が低い状態は、いつからでも変えることができますので、ご紹介したポイントの中から、何か一つでも意識することから始めてみてください。
しかし、ここで勘違いしてはいけない大切なポイントがあります。
それは、自己効力感を高めようとして、「自分はできる」と口に出したとしても、自分自身がそれを心から信じられていなければ、自己効力感は思うように高まっていかない、ということです。
自己効力感が低いことを改善するはじめの一歩は、「自分はできる」と少しでも信じてみることです。
信じるというと、いきなりは難しいかもしれません。自己効力感を高めるには、積み重ねが大切になってきますから、小さな成功体験を積んだり、困難が起こったとしても、一度踏ん張ってみたりするなど、粘り強く立ち向かうことを意識してみてください。
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参考:
- セルフ・エフィカシーの臨床心理学 坂野 雄二、前田 基成ら著・編集
- 激動社会の中の自己効力 アルバート バンデューラ (編集)、本明 寛(翻訳)、春木 豊(翻訳)、野口 京子 (翻訳)、山本 多喜司(翻訳)