統合的眼球運動セラピー(IEMT)とは、
強いネガティブな感情の状態を
軽減することを目的とした
心理療法のモデルです。
この方法では、
いくつかの特定の方向に
眼球を動かしながら、
ネガティブな出来事を思い出すことで、
その出来事や映像に紐付く
ネガティブな感情を
軽減することができます。
目次
背景と開発
IEMTのルーツは、スティーブ・アンドレアスとコニレイ・アンドレアスの「眼球運動統合療法」や、
フランシーン・シャピロの「眼球運動による脱感作と再処理(EMDR)療法」にさかのぼります。
イギリスのアンドリュー・T・オースティンによって開発されたこのセラピーは、
代名詞を使ったアイデンティティの探求というデイビッド・グローヴの考えにも影響を受けています。
このセラピーでは、眼球が動いている時の神経学的な現象、特に問題映像における感情のコーディングが変わる時の神経学的な現象を観察します。
重要な概念
感情の刷り込み
ネガティブな感情の刷り込みは、強い感情的苦痛を伴う出来事を体験することで辛い記憶が作り出され、
類似する体験に対する感情のテンプレートとなってしまうときに起こります。
アイデンティティの刷り込み
アイデンティティの刷り込みは、神経学的要因や環境からのフィードバックの影響を受けながら、生涯にわたって進化していきます。
性自認のように安定していることもあれば、状況に応じて変化することもあります。
慢性化のパターン
治療的な変化から問題を守ろうとする行動パターンのことで、言語分析によって特定することができます。
セラピー的アプローチ
IEMTでは、3段階解除反応パターン、『たぶんね』人間パターン、大いなる「もしも...」の問いかけといったパターンを特定します。
その人がどのようにして、その在り方でいることを学んだのかに取り組むために、感情とアイデンティティの両方の刷り込みに焦点を当てます。
また、「体感覚プロトコル」を用いて、トラウマ的出来事に紐づく感情的な負荷を解消します。
活用例
IEMTは心的外傷後ストレス障害(PTSD)の治療に用いられ、従来の診断では見過ごされがちであった羞恥心に基づくマイクロエクスペリエンスに対処します。
また、生理機能と感情の状態との関係性を理解するために、生理学的ステート・アクセシング・キュー(PSACs)を用います。
意外なことに、IEMTは乾癬※の治療にも使われており、期待が持てる研究結果が示されています。
このように統合的眼球運動セラピー(IEMT)は、眼球運動、感情とアイデンティティの刷り込み、
そして生理学的キューの相互作用に焦点を当てる、他とはひと味違う心理療法なのです。
IEMTを実際に使って、過去のマイナス体験を克服した事例については、こちらでご紹介していますので、あわせてご覧ください。
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NLPトレーナー アンドリュー・T・オースティン (Andrew T.Austin) プロフィール
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乾癬:皮膚病の一種。銀白色で雲母(うんも)のような葉状鱗屑(りんせつ)を生ずる。慢性。ひじ・ひざがしら・頭などに生ずることが多い。
著者より許可をいただき掲載しています。
https://integraleyemovementtherapy.com/summary-of-iemt/
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