「最大多数の最大幸福」とは、
18世紀にイギリスの思想家
ジェレミー・ベンサムが
唱えた考え方です。
あまり聞き馴染みはないかもしれませんが、
皆さんが一度は使ったことのある多数決は、
「最大多数の最大幸福」の考え方に基づいて
作られているといえます。
また「最大多数の最大幸福」の考えを基に、
「功利主義」と呼ばれる考え方が生まれ、
現在の社会制度にも広く使われています。
この記事では、
「最大多数の最大幸福」の内容や、
メリット・デメリット、
そして「功利主義」という考え方を
わかりやすく簡潔にご紹介していきます。
目次
1.「最大多数の最大幸福」と「功利主義」
1-1.「最大多数の最大幸福」とは
「最大多数の最大幸福」とは簡単にいうと、「多くの人が幸福になる行動を選ぶことが良い選択である」という考えです。
わかりやすくお伝えするのであれば、幸せなことを「良いこと」、辛いことを「悪いこと」として、多くの人が幸せになる方法を考えることです。
それでは簡単に、「最大多数の最大幸福」に基づいて判断するケースはどんな時があるのか、例をご紹介していきます。
まずわかりやすいものだと「多数決」です。
例えば、話し合いで賛否を確認する際、10人中8人が賛成といった場合は、その意見が採用されたりします。
賛成が多い意見を採用するというのは、まさに「最大多数の最大幸福」に基づいて考えられているといえるでしょう。
また他には「トロッコ問題」も有名です。
線路を走っているトロッコが制御不能となった。
線路の先には5人の作業員がおり、このままだと5人が轢かれてしまう。
あなたは線路の分岐を切り替えて、トロッコの進行を変えることができる。
しかし分岐の先には1人の作業員がおり、分岐を切り替えれば1人が轢かれてしまう。
あなたはどちらを選択しますか?
-
A:分岐を切り替えず、5人を犠牲にして1人を助ける
-
B:分岐を切り替えて、1人を犠牲にして5人を助ける
この問題に正解はありませんが、「最大多数の最大幸福」に基づいて考えると、Bを選択する場合が多いのではないでしょうか。
1人が犠牲になってしまうという点は、この後のメリット・デメリットでもご紹介していきます。
このように少しでも多くの人にとって、良いと思われる選択をすることが「最大多数の最大幸福」です。
1-2.「功利主義」とは
「功利主義」は、「最大多数の最大幸福」という考えのもと生み出された考え方です。
簡単にいうと、「人間の幸福を達成することが、人生や社会の最大の目的である」という考え方です。
利己主義のように、個人の利益や幸せのみを考えるのではなく、多くの人の幸せを考えるともいえます。
この功利主義の考え方は、人の行動だけでなく、社会の制度にも反映されていると見て取れる場合があります。
例えば「累進課税制度」はその一つです。
累進課税制度は、全ての国民が同じ額の税金を納めるのではなく、それぞれの所得に応じて、納める税金の額が変わる制度です。
もし同じ額であれば、所得が低い人にとっては生活が苦しくなってしまったり、所得が高い人にとっては特に苦しくなることはないといったケースがあります。
こうなった場合、「最大多数の最大幸福」の「多くの人が幸福になる選択が良い」という考え方に合わないことがあるため、累進課税制度が設けられていると考えることもできます。
このように「功利主義」の考え方は、私たちの生活に馴染んでいる部分もあります。
2.「最大多数の最大幸福」のメリット・デメリット
「最大多数の最大幸福」のメリットは、文字通り多くの人が幸せになる点です。
また多数決のように、多数の人が選んだことが最良の選択となるので決断までに必要な時間が短いことも、メリットの1つです。
そして多数の人が選んだ選択を選ぶことで、組織や国などにおいては多数の人が幸せになる制度が生まれ、運営や政治が比較的安定します。
反対にデメリットは、少数の部分が無視される可能性がある点です。
例えば多数決であれば少数派の意見が無視されてしまったり、1章でご紹介したトロッコ問題であれば、5人は救えても1人が犠牲になってしまいます。
そのため、最大多数の最大幸福は「少数派の犠牲を正当化している考え方だ」という批判的な意見もあります。
たしかに何か物事を決める時、絶対的な正解や完璧な正解は、存在しないかもしれません。
中には多少の犠牲を避けられない場合もあります。
ですが少数派となってしまう人たちも幸福になれる選択をすることが、「最大多数の最大幸福」における良い選択になると思います。
その中でもより多くの人が納得できるものにしていくことが、大切なのではないでしょうか。
3.「最大多数の最大幸福」において大切なこと
「最大多数の最大幸福」で大切なのは、「相手の価値観を理解すること」です。
デメリットでもご紹介しましたが、「最大多数の最大幸福」では少数の意見が無視される場合があります。
ですが私たちには、それぞれ異なる価値観・価値基準というものがあり、それに基づいて行動しています。
例えば、仕事の場合なら、マニュアル通りに仕事を進める人もいれば、マニュアルに沿わず思いつきで仕事を進める人もいます。
また旅行に行く場合であれば、予め観光する場所を決めてから行く人や、何も決めないで行く人もいます。
このように私たちは、仕事やプライベートにおいて人それぞれ異なる価値観・価値基準で行動しています。
ですが価値観・価値基準は、多数の人が持っているものが正しい、少数の人が持っているものは間違っているということではありません。
少数の意見を切り捨ててしまうのではなく、価値観・価値基準を理解して、どちらも幸せになる第三の選択肢はないのか模索するなどといった少数派の人たちも幸せになる選択をすることが大切です。
4.あなたにとっての「最大多数の最大幸福」
ここまで「最大多数の最大幸福」の内容とメリット・デメリット、「功利主義」についてご紹介してきました。
「最大多数の最大幸福」の選択肢は、人の数だけ存在し、常により良いものに変化していきます。
もちろんより多くの人が幸福になることを選ぶことが良い選択であると思いますが、まずはあなたの周りにいる人々が幸せになるようにすることが、大切なのではないでしょうか。
あなたの将来の夢や人生の目標を考えたり、周りの人たちが大切にしている価値観を理解することで、良い選択が見つかると思います。
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