「今年こそは!」と、年始に目標を立て、
途中で諦めてしまう人がいます。
一方で、掲げた目標を
一つひとつ確実に達成する人がいます。
この違いは何か?
その違いの一つが、
モチベーション、やる気の維持や高め方です。
この記事では、
- ご褒美を用意する
- 元気になる音楽や感動する映画を観る
- 前向きなアファメーションをする
といった、一時的なモチベーションの高め方ではなく、
もっと私たちの脳(心)の仕組みに注目して、
効果的にモチベーションを高めていく方法を
NLPという心理学の手法を取り入れてご紹介します。
NLPは『脳と心の取扱説明書』
とも言われることから、
ビジネスマンはもちろん、
世界的なアスリート、俳優、米国大統領まで...
常に高いモチベーションと
高いパフォーマンスを発揮することが
求められる人たちに好んで学ばれています。
あなたの脳を「やる気」にさせるために、
この記事をぜひ役立てていただければ幸いです。
著者:足達 大和 |
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当サイトの運営元である「NLP-JAPAN ラーニング・センター」の専属トレーナー。5,600回以上という圧倒的な回数の研修実績を持つ。 NLP-JAPANラーニング・センターとは、日本最大手の「NLP総合スクール」で、NLP業界の世界5大組織と連携。日本で唯一、NLPの基礎から大学院レベルまでの学びを提供している日本最高峰のNLPトレーニング機関。 |
目次
1.モチベーションとは
モチベーションとは、物事に取り組む意欲や熱量のことです。
モチベーションが高い状態であれば、新たなことに挑戦をする積極性や、目標達成に向けた努力の継続に繋がります。
一方で、モチベーションが低い状態であれば、やるべきことになかなか着手できなかったり、仕事の生産性やパフォーマンスが低下する可能性があります。
2.モチベーションが下がる4つの要因
モチベーションを高めるアプローチについてお伝えしていく前に、モチベーションが下がる要因を正しく把握する必要があります。
なぜなら、モチベーションが下がるときに共通することや、原因を知ることで事前に対策をすることも可能になるからです。
モチベーションが下がる要因は、人によって異なります。
そのため、ご自身の状況に照らし合わせながら、読んでみることがおすすめです。
2-1.大切にしている価値観が満たされていない
大切にしている価値観が満たされていないと、モチベーションが低下する可能性が非常に高いです。
例えば、仕事をする上で大切にしている価値観が「成長」であるとします。
にも関わらず、毎日、同じような業務ばかりで、新しい役割も与えられない状態が続けば、成長を実感することができず、価値観が満たされていないため、モチベーションが低下してしまうでしょう。
他にも、やりがいを感じることができず、やりたいことに仕事が結びついていなければ、いずれやる気がなくなってしまうことは明確です。
このように、仕事以外の日常生活の場面でも、大切にしている価値観が満たされなければ、モチベーションが低下してしまうのです。
2-2.モチベーションが低下するパターンを繰り返してしまっている
自分自身のモチベーションが低下するパターンを繰り返してしまい、モチベーションが下がってしまうことがあります。
モチベーションが下がってしまうことは、決して悪いことではありませんし、誰にでもあることです。
ただし、モチベーションが下がることには、必ず原因があります。
しかし、モチベーションが低下する原因を知らないまま、同じパターンを繰り返してしまっている人が多くいます。
どんな出来事があって、どのような感情を抱いているのか。
あなたのやる気やモチベーションが、なぜ低下してしまったのかを分析して、把握することが大切です。
2-3.物事をネガティブに捉えてしまう
物事の捉え方によって、モチベーションは大きく変化します。
何かうまくいかないことや、失敗をしてしまった際も、捉え方によってモチベーションは変わります。
例えば、仕事でミスをしてしまった際に、「もうダメだ」と捉えるのか、「同じことを繰り返さないためのヒントだ」と捉えるのかでは、起きた出来事は同じでも、捉え方によって、自分の感情は大きく変わってきます。
心理学NLPでは、このような物事の捉え方を変えることを「リフレーミング」と呼んでいます。
ネガティブに捉えることも、ときには大切なこともありますが、モチベーションの低下に大きく影響するような場合は、捉え方を変えてみてください。
3.心理学で効果アップ!モチベーションを高める9つの方法
この章では、心理学NLPを駆使して、あなたのやる気やモチベーションを高める5種類、9つの方法をご紹介していきます。
- モチベーションの「タイプ」を駆使する方法
- 「メタアウトカム」を活用する方法
- 「価値観」を活用する方法
- 脳科学をベースにした3つの方法
- 「巻き込み型」人の力を借りる3つの方法
これは心理学者カール・ユングの分析心理学の一部である「性格類型」を応用した考え方で、NLPでは、「メタプログラム」あるいは「LABプロファイル」と呼ばれるメソッドです。
あなたのモチベーションの「パターン(タイプ)」に合わせて、どのように働きかけるとモチベーションが高まるのかを把握していきましょう。
アウトカムとは、目標やゴールといった「結果」を意味する言葉です。メタとは、「それを超えて」「高次の」という意味の言葉です。
つまり「メタアウトカム」とは、目標達成した結果として「得るもの」「見えてくる可能性」、そしてその目標を達成する「意味、意義、目的」のことを指します。
停滞せず最後までモチベーションを保ち続けられる人は、このメタアウトカムを効果的に活用します。具体的なやり方は5章でご紹介しています。
ここで言う価値観とは、あなたの人生や仕事、またプライベートにおいて、「大切にしたい何か」です。
例えば、「自由」「挑戦」「家族」「健康」「お金」「パートナー」「成長」といったもので、これらは、私たちを動かすキーワードになります。
その価値観の引き出し方や活用の仕方については、6章で具体的な方法をご紹介しています。
楽しい気分でいるときに脳内に分泌されるドーパミンやストレスを感じた時に放出されるコルチゾールといったホルモンなど、私たちの心の状態は、分泌されるホルモンをはじめとする生理的反応によって、大きな影響を受けています。
ここでは、「パワーポーズ」や「アンカリング」、そして学習機能やミラーニューロンの働きを活かした「NLPのモデリング」という手法3つをご紹介しています。
あなたにも経験があると思いますが、私たちは他の人から応援されたり、励まされたりすることでやる気になります。
7章でご紹介していく内容は、人との関わりでモチベーションを高め、やる気を維持するシンプルかつパワフルな方法をご紹介します。
まずは自分でも気づかない無意識の反応を活用する方法です。
次の章では、あなたのパターンが理解できる簡単なチェックリスト形式で4つご紹介しています。あなたがどんなタイプで、どういったアプローチが効果的なのか、現状と照らし合わせながら見つけてください。
4.モチベーションの「タイプ」を駆使する方法
仕事で「この目標を達成したら、いいことが待ってるぞ!」と言われるとモチベーションが上がる人がいます。
逆に、「この目標を達成しなかったら、大変なことになるぞ!」と言われるとやる気が出る人がいます。
人はこのように、無意識の中に、その人自身も気づかずに反応を引き起こすパターンがあります。そのパターンによっては、やる気やモチベーション、ひいては生産性や成果に影響を及ぼします。
4つのパターンに関するチェックリストをご紹介していますので、自分はどちらかというと、Aなのか、Bなのかを確認して、現状が適切な状態なのかをチェックしてください。
質問1
あなたが何かを取り組むときに関心が行くのは、どちらかというと、
A:得るもの、得すること、賞賛、体験したいこと
B:避けたいもの、損したくないこと、批判されたくないこと、体験したくないこと
さて、どちらだったでしょうか。
Aのように答えた方は【目的志向型】で、Bのように答えた方は【問題回避型】というように傾向を判断できます。
では解説です。
【目的志向】タイプのパターンを持つ人は、目標を追うことでやる気を出し、何かを得ること、獲得することに視点が向かっている一方、問題点を発見することが苦手です。
このタイプが停滞しているときは、問題ばかりが山積みになりがちです。
【問題回避】タイプのパターンを持つ人は、問題が起こりそうな時、またその回避が迫った時に、モチベーションを発揮する一方、「目標だ!ゴールだ!利益を得よう!」と言われても、やる気はイマイチで、差し迫った状態でないと本来の力を発揮できないこともあります。
あなたやあなたの周囲の人を思い出していただければ見えてくると思いますが、このように人はそれぞれ異なるパターンを持っています。
今の例はやる気やモチベーションの「方向性」に関することですが、あなたがやる気を出そうとしているとき、こういったことを無視して一般的なことに取り組もうとしても、長続きしない可能性があります。
それでは次の質問です。
質問2
あなたが何かに取り組むとき、どちらかというと、
A:いろんなやり方や様々な可能性をもたらす方法を見つけて取り組んでいく
B:正しい手順や正しいやり方があるほうが取り組みやすい
さて、どちらだったでしょうか。
どちらかというとAの人は、【オプション】タイプと呼ばれ、新しいやり方を発見したり、テストしたり、試してみることを好むタイプです。決まったやり方が苦手で、アイデアや発想など、自分の創造性が活かせないとモチベーションが下がる傾向があります。
例えば、仕事がルーティンになりがちな場合は、プライベートで自分のやり方や発想やアイデアなどを体験していくことで、やる気のバランスを整え、モチベーションを維持することができます。
後者を【プロセス】タイプと言います。
文字通り、正しい手順、正しいやり方といったプロセスを好みます。やり方が整っていないとストレスを感じやすく、機嫌が悪いときに真逆の「オプション」タイプの人を見ると、いい加減さに腹を立てることもあります。
このタイプのやる気が落ちているときは、周囲の様々な変化に対応できない時に起きやすいので、一つ一つやることを整理することによって、前進するモチベーションが高まります。
それでは次の質問です。
質問3
あなたが何かに取り組むとき、どちらかというと、
A:すぐに浮かんだことをやってみる。とりあえず動いてみる
B:まず情報を収集したり、分析したり、状況を見て探る
Aと答えた方は【主体行動】タイプ、Bと答えた方は【反映分析】タイプと言います。
Aと答えた【主体行動】タイプの人は、とにかく行動すること、実践することを大事にし、すぐに動くことでやる気が出てきます。ですから、何も決まらない会議や理論尽くめの話を聞かされるとモチベーションが沸かず/維持できず、「心ここにあらず」の状態になる傾向があります。
このタイプが停滞しているときは、行動が十分にできていない時です。とにかく動くこと、やることを重視し、スピードを上げていくことで、モチベーションを高め、やる気を維持する可能性を持っています。
Bの【反映分析】タイプの方は、情報を収集したり、分析や調査をすることでやる気やモチベーションを維持していきます。これは決して「行動しない消極的な人」というわけではありません。最適な時期や機会を見つけて効率的に仕事を進めていこうと考えている人です。
(主体行動タイプの人は、機会やチャンスを待てない、頭より体がすぐ動く傾向の人です)
この【反映分析】タイプの人が落ち込むときは、必要な情報が手に入らない時だったり、例えば上司が「主体行動」タイプの人で、「とにかく動け!」と言われ続けている時などです。
こういう場合は、十分に頭を使って集中して分析する時間を確保したり、実際に少し動いてみることで、収集している情報の精度を上げていこうという意識を持つことによって、バランスよくやる気を上げて、維持することができます。
それでは最後の質問です。
質問4
あなたが何かを決める時
A:自分の基準で決めていく
B:どちらかというと、できるだけ外部の情報やフィードバックを参考にして決める
これは「判断基準」と呼ばれるパターンで、Aと答えた人は【内的基準】タイプ。Bと答えた人は【外的基準】タイプと言います。
Aの【内的基準】タイプの人は、読んで字のごとく自分の中に物事の尺度や物差しがあり、周囲がどうであれ、「これだ!」という判断ができることで、やる気が出ます。また自分で決めていく権限が与えられるとモチベーションが高まります。
このタイプが停滞するときは、上司が言った通りにやらなければならない時など、自分で決められない状況であったり、自分の意見が無視される状況に入ると意欲が低下する傾向があります。
そんな時は、自分で決めることができる範囲を見定め、その領域の中で、自分基準で決定をすることで、やる気を維持することができます。
Bの【外的基準】タイプの人は、世の中の動向や権威の言葉、また具体的なお客様の声など、周囲からの情報やフィードバックを大切にしています。このタイプが停滞してしまう時は、他はどうなのか、周囲はどうなのかわからない時に起きる可能性があります。
決して「他人任せの人」というわけではなく、いい仕事をしようとするからこそ、周囲の意見を重視していこうと考える人です。ですから、積極的に誰かに相談したりすることで、やる気を維持することができます。
これまでのことをまとめると、
- 目的や目標に向かうか、問題の回避にエネルギーが注がれるか。
- 新しいやり方や可能性を重視するか、正しいやり方やステップを大切にするか。
- すぐ行動するか、状況を見て分析するか。
- 自分で決めるか、人の意見を参考にするか。
こういったところをお伝えしてきたわけですが、この他にも、
- 人の気持ちや感情を重視するか、それとも達成やシステムやタスクを重視するか
- 一人でやるほうがやる気が出るか、みんなでやることでモチベーションが上がるか
- 劇的な違いや変化を好むか、どちらかというと、より良い進化を好むか
といった質問で、あなたの無意識に反応するパターンを知ることで、あなたのやる気やモチベーションの維持や高め方が見えてくると思います。
あなたが停滞しているときは、そのパターンが発揮されていない時と言えます。
また逆のパターンの状況にいる時と言えますので、その観点から、自分を動かすやり方を実践してみてください。
この手法は「LABプロファイル」という言語スキルを参照しています。「心を変える言葉の魔術」とも言われ、相手の心を動かす思考や行動の傾向を読み解くことができるようになるため、「モチベーションを高める」ことを始め、「影響力がある/伝わりやすい」言葉を使えるようになるなど、仕事やビジネス、人生で効果を発揮します。
5.メタアウトカムを活用する方法
「目標を明確に持てば、やる気は出てくる!」
どこかで聞いたことがある言葉だと思いますが、一時的にやる気は出ても、モチベーションの維持ができず、確実に目標を達成していくには、これだけでは不十分です。
そこでご紹介したいのが「メタアウトカム」という概念です。
先述のようにアウトカムとは、目標やゴールといった「結果」を意味する言葉です。メタとは、「それを超えて」「高次の」という意味の言葉です。
つまりメタアウトカムとは、その目標が達成すると、さらに何が得られるのかという目標達成の先にある「可能性」や「ベネフィット」、または達成する意義や意味、また目的のことです。
私は記事を書くことのほか、企業研修や個人を対象にしたセミナーを開催していますが、約700名の方を対象に、目標を達成する人と達成できない人の調査をしています。
※期間は約3か月。対象は20代から60代までの男女。目標の分野はその人の自由です。
そこでわかっていることは、目標の対象が仕事であれ、プライベートであれ、達成する人は、その目的が明確であることが挙げられます。
- 目標を達成して、自信をつけたい!
- 仕事の目標を達成して、家族を幸せにしたい!
- 昔からの夢にチャレンジして、情熱的に生きていた自分を取り戻したい!
といった、その目標に取り組む理由が明確だったわけです。
ですから、「目標を明確にする」ことはもちろんですが、なんのためにやるのかという「目的を明確にする」ことで、達成までのやる気やモチベーションを維持し高めることができると言えます。つまり「メタアウトカム」を明確にすることです。
やり方は簡単です。以下の3つの質問を繰り返し問いかけ、探求します。
メタアウトカム3つの質問
A:その目標が達成されると、さらに何が得られるのか?
B:その目標が達成されると、どんな可能性が生まれてくるのか?
C:その目標を達成することは、自分にとってどんな意義や意味があるのか?
より効果的に活用するには、出た答えに対してさらに問いかけていくことです。例えば、Aの質問を例にとると、
新しいプロジェクトが達成されると、何が得られるのか?
→ 会社での評価が上がる
会社での評価が上がる(この感覚を感じながら)と、さらに何が得られるのか → 権限を持って、より自由に意義ある仕事に取り組める
権限を持って、より自由に意味ある仕事に取り組める(この感覚を感じながら)と、
さらに何が得られるのか?
→ 挑戦と成長
「挑戦」と「成長」が得られると(それを感じながら)、さらに何が得られるのか?
→ ・・・・
といった流れで、探求します。
問いの答えは、だんだん短く、名詞の形で表現できるまで問い続け、その答えを頭で考えるというより、イメージや心の状態を体感していくと効果的です。
目標とメタアウトカムをつなぎ合わせてください。
6.あなたの「価値観」を活用する方法
価値観は先ほどもお伝えしましたが、あなたの人生や仕事において、「大切にしたい何か」です。
例えば、「自由」「仲間」「挑戦」「家族」「健康」「お金」「パートナー」「成長」といったもので、これは私たちを動かすキーワードになります。
例えば、1,000万の腕時計を手に入れるために、お金を集めようとする人は少なくても、大切な家族が誘拐され、「身代金1,000万を用意しろ」と、犯人に言われれば、必死になってお金を集めようとします。つまりやる気が出るわけです。
同じ1,000万でも、大切なものに結びついていれば、いわゆるやる気やモチベーションは高まります。逆に10円でも、価値に結びついていなければ、動く力になりません。
あなたのやる気やモチベーションを維持し高めるには、あなたにとって大切なもの、つまり価値観を理解し、優先順位を立てておくことが必要です。
やり方はとてもシンプルです。
1.仕事、家族、健康、趣味といったコンテクストを特定します。
2.次のように質問をしていきます。(例:仕事)
「仕事で大切にしたいことは何か?」
→ 成長
「成長のほかに、仕事で大切にしたいことは何か?」
→ 自由
「自由のほかに、仕事で大切にしたいことは何か?」
→ 人とのつながり
このように自分の中から答えがなくなるまで、出尽くすまで、短い言葉で、できれば名詞で答えていくようにします。
3.優先順位をつける
次に出た答えの優先順位を決めます。ポイントは理論的に、整然と頭で考えるのではなく、直感的に大切だと思った順に並び替えていきます。
例:自由/人とのつながり/成長
4.声に出してチェックする
次のようなセリフを参考に声に出して順番に読み上げ、違和感がないか、一致感が自分の中に生まれるまで、順番を整理します。
「私が仕事で大切にしていることは
一番が自由で、その次が人とのつながりで、そして最後が成長です。」
5.日常の中でその価値観に結びつく行動を増やしていきます。
とてもシンプルですが、日々の充実感や満足感を得られる方法です。
これはスタンフォード大学の実験ですが、学生に日記を書くことを指示し、Aグループはその日に起こった良いことを書く。Bグループは大切な価値観を書き出し、その価値観に結びつくどんな行動をしたのか、その内容を書くように指示が与えられました。
結果は価値観を書き出していたBグループの方が、「健全な状態を感じていた」というものです。
参考文献「図解 モチベーション大百科」
実験がなくても理解できると思います。
大切な人と大切なことを体験する時間と、どうでもいい人とどうでもいいことをする時間とでは、その充実感や満足感の濃さはもちろん、やる気やモチベーションも異なってくるのは想像できると思います。
仕事、プライベート、そのほかの分野を特定し、「自分にとって大切なことは何か?」というような質問を問いかけ、優先順位をつくり、それに基づく行動を体験していってください。
停滞しているとき、この価値観の見直しで、やる気やモチベーションを高めることが可能になります。
7.脳科学をベースにした3つの方法
ここでは行動や振る舞いに伴う生理的反応やミラーニューロンといった脳科学をベースにしたアプローチを3つご紹介します。
7-1.パワーポーズでやる気を出す
このやり方はとてもシンプルです。
両手を上にあげたり、両手を頭に組み足をデスクにあげるといったパワーポーズと呼ばれるポーズでやる気のホルモンを放出し、心の状態をポジティブにしたり、自信を高めるやり方です。
パワーポーズとは、ハーバード・ビジネススクール教授のエイミー・カディ氏が提唱するもので、そのポーズを2分間とることで意欲的な状態を生み出す方法です。
ポーズには以下のようなものがあります。
ほとんどと言って良いほど、人が停滞したり、落ち込んでいるときは、背筋が曲がり下を見ています。逆にポジティブな時というのは、背筋が伸びていたり、少し顎が上がった状態になります。
トランポリンやスキップをしながら落ち込むことができないように、私たちの心の状態は姿勢や振る舞いによって変えられる可能性を持っています。
たった2分間でできるパワーポーズ、おすすめです。
参考文献〈パワーポーズ〉が最高の自分を創る
参考サイト エイミー・カディ 「ボディランゲージが人を作る」
7-2.理想の人をモデリングすることでモチベーションを高める
モデリングとは、あなたの理想とする人や憧れの人、つまりお手本となるモデルの行動や姿勢や仕草を真似ることです。
そのモデル(お手本)をよく観察し、同様の姿勢や仕草を実際に体を動かしながら体験することによって、そのモデルの視点や世界観、また大切にしている価値観といった情報をあなたの中に取り入れるスキルです。
やる手順は、
- モデル(お手本)の姿勢や仕草、また呼吸を動画や実際に会って、よく観察する
- そのモデルが自分の置かれた境遇にいたら、どのように対応しているか、想像してみる
- その想像したモデルの姿と同じように自分が動いているところを想像する
- 違和感がなければ、実際にその通りに自分の体を使って、その想像通りに動いてみる
繰り返しになりますが、この方法は実際に体を動かしてみることがポイントです。
頭の中で想像するだけでなく、体を動かして、心の状態の違いを体験してみてください。
7-3.アンカリングでやる気やモチベ―ションを高め維持する方法
アンカリングとは、刺激と反応をリンクさせ、必要な時にスイッチのように心の状態を適切な状態にしていく技法です。
「パブロフの犬」の話は既にご存知の方も多いと思います。「餌を与える前にベルを鳴らし、このことを何度も繰り返していくと、ベルの音を聞いただけでよだれが出る」というもので、条件づけの代名詞的な話です。
つまりこの条件付けは、【ベル】がスイッチになり、【よだれ】がその反応になります。
アンカリングとは、この条件付けを意図的に引き起こすために、刺激となるポーズを決め、やる気、自信、勇気、確信、調和といった欲しい感情を特定してリンクさせることです。
具体的には、以下の手順で行います。
- 欲しい感情とスイッチ(ポーズ)を決める
- 欲しい感情が「やる気」の場合、過去の体験の中で、強烈にやる気が出ていた体験を特定します。(例:転職先の初出社時の状態)
- その時の状態を思い出し、あたかも今体験している状態をつくります。
その時に何が見えていたのか、何が聞こえていたのか、体の感覚はどんなものだったか、五感で十分に体験します。 - その感覚に入ったら、トリガーとなるスイッチ(ポーズ)を取ります。そしてそのまましばらく体験し、ピーク時にそのスイッチを外します。(ポーズを解きます)
- 気分転換のため、少し他のことを考えます。(例:朝食に何を食べたか思い出す)
- 先ほどのスイッチ(ポーズ)をとり、やる気の状態が出てくるかテストします。
- うまく出てくるようであれば、成功です。その状態が感じられなければ、3から6を繰り返し行います。
このアンカリングは、やる気やモチベーションを高めたい時だけでなく、以下のような状況でも活用できます。
- 失敗への恐れや不安を解消したい時
- 集中力が必要な時
- ストレスや緊張状態を緩和したい時
- パワフルな自信が必要な時
- 物事への冷静で柔軟な対処が必要な時
8.「巻き込み型」人の力を借りる3つの方法
これまでは自分一人で取り組む方法をご紹介してきました。ここでは他の人に協力してもらいながら、やる気やモチベーションを高め、維持する方法を3つご紹介します。
8-1.【オートクライン】を活用する
オートクラインとは、自分の気持ちや取り組むことを、人に話したり、書き出したりと、アウトプットして、自分の中を浄化していくことです。
ご経験があるかと思いますが、解決方法が見つからなくて停滞し、やる気が出ないときやモヤモヤしている時に、今の状況を人にただ聞いてもらうだけで、情報が整理されて、やることが明確になったり、やる決意が生まれたりすることがあります。
こういったことを意図的にやることで、前進する力がわいてきます。
8-2.人から長所や強みを聞く
自分への自信が失われたり、やる気が出ないときには、自分に対するネガティブな偏見や思い込みが生まれていたりします。
ここでご紹介するのは、そんな時には友人にお願いして、あなたの強みを聞いてみる、というやり方です。例えば、「私が気づいていない長所や強み、魅力を教えて」と聞いてみるのです。
そうすることで意外な答えやこうでありたいという自分の認識と同じ答えが来たとしたら、自分への自信を取り戻す大切な情報になります。
心が許せる人なら、「5つ教えて」とか「なくてもいいから10個教えて」と少し図々しく聞いてみるのもいいと思います。
その答えの内容より、あなたのことをきちんと見てくれている相手の態度が、最も励みになるスイッチになる方も多いです。
ぜひ試してみてください。
8-3.他の人と一緒に取り組む
何かをやることにめげているのであれば、他の人と一緒に取り組んでみることをおすすめします。
例えば、ダイエットであれば一緒にジムに通うとか、資格試験の準備であれば一緒に勉強するといったことです。
一人で何かに取り組むと、そこで諦めても誰にも迷惑が掛からないと考える方もいます。ところが他の人と一緒に取り組むことで、良い意味での責任感や連帯感を生み出し、チームワークとして、そのことを成し遂げる可能性が高くなります。
一人でやって難しいのであれば、他の人の力を借りながら、共にやりながら進めていくのもあなたの選択肢の一つにしてみてください。
9.最後に
モチベーションって何? モチベーションをもっと上げたい。
こうした方のために、心理学NLPを駆使した、 本格的なモチベーションアップの方法9つを厳選しました。
特に6章の「価値観」は、 私たちの人生の充実度にも関わる大事なことで、まさにモチベーションの源泉です。 ぜひ一度時間をとって、取り組んでいただくことをオススメします。
今回ご紹介したNLPは、別名『脳と心の取扱説明書』とも言われることから、 私たちの思考、感情、モチベーションなどのパターンを把握し、それをコントロールしていくための優れた方法がたくさんあります。
あなたの脳と心の動きや、好み、傾向などを知って活かすことで、さらに高いパフォーマンスを発揮できるようにもなるでしょう。
人間関係、仕事など、あらゆるシーンにおいて言えることです。
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