著:ロバート・ディルツ
次に紹介するジェネラティブ NLPプロセスを最初に開発したのはロバート・ディルツでした (GTC, London, 1998)。
その後、「グループ・マインド、チームスピリット」セミナーに向けて、ロバート・ディルツとロバート・マクドナルドによってさらなる改良が加えられました。
このプロセスの目的は、異なる知覚位置から探究することで、
リソースフルなステート(自分の持っている資源や能力を最大限に発揮している状態)の体験を共有し、強化することです。
このプロセスでは、他の3つの知覚位置に入ることで明示的に導き出される同一性のフェルトセンスをメンバー間で共同創造することによって、第4ポジションの体験を生み出します。
このプロセスには、空間ソーティング、サイコジオグラフィー、ソマティック・シンタックスの原理が組み込まれています。
最初は二人1組で行います。
- それぞれが、最近のリソースフルな体験を特定します。
- 二人で向かい合い、自分の第1ポジションに入ったまま、互いの動きを交代でデモンストレーションして見せます。
- 次に、立っている場所を交代します。
- 次にオブザーバーポジション(第3ポジション)に移動し、パートナーの動きやリソースと、自分の動きやリソースの類似点と相違点を感じ取ります。
- それぞれが自分の第1ポジションの場所に戻ります。
- 他の二人組と一緒になり、四人で同じプロセスを繰り返します。今回は、最初の二人組で作り出した動きを使います。
その状況の中にいる自分の第1ポジション(状況を自分の目を通して見て、自分の感情を感じて、自分の耳で周囲の音を聞く)に入り、
リソースフルであると感じている時の感情や体験に紐付く動作や動きを探究します。
お互いの動きを見た後、自分の第1ポジションに入ったままで、パートナーの動きを身体で真似をします。
お互いにパートナーの立場に立ち(第2ポジションに入り)、自分が相手であるかのように、その動きをします。
先ほどとはどのように異なる体験として感じられるかに気づきましょう。
互いに身体の向きを少し変えて、二人が肩を並べて立つようにします。
最初のリソースフルな動きをもう一度始めます。
同時に、もう一人も自分の動きを始めます。
二人で一緒に、動きに少しずつ調整を入れていきながら、お互いのリソース・ステートと動きを融合させた共通の動きを見つけていきます。
その動きが二人の統合を表す第4ポジション、つまり「Weフィールド」となります。
同じように、次は四人組同士で組んで同じことを繰り返し、グループ全体に共通する動きを見つけていきます。
このプロセスのもう1つのバリエーションは、グループ(例えば7人)全員で、まずは一人ずつ、自分のリソースフル・ステートの動きをして見せます。
一人がその動きをしている間、残りのメンバーはその人の第2ポジションに入り、自分でも同じ動きをします。
全員が自分の動きをデモンストレーションしたら、今度は全員で同時に自分の動きを取り始め、
少しずつ変化を加えていきながらグループ・リソースの動きへと融合させていきます。
このプロセスは、知覚位置(特に第4ポジション)のジェネラティブな側面を示すものであり、
ベイトソンの性格的形容詞の概念と、複数の他者との相互作用によって創造される「より大きなマインド」の考え方を維持しています。
その例として、ベイトソンは犬とテナガザルが一緒に遊んでいると、やがて犬特有でもなく、テナガザル特有でもない、「テナガザル犬」の行動が現れてくると言います。
この第4の「テナガザル犬」のポジションが、彼らの相互作用によって自然に創発されるのです。
したがって、このような第4ポジションは、何らかの超越的な意識ではなく、犬とテナガザルの相互作用に内在するものであるとベイトソンは説明しています。
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NLPトレーナー ロバート・ディルツ(Robert Dilts)プロフィール
著者より許可をいただき掲載しています。
http://www.nlpu.com/Patterns/patt21.htm
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