コンフォートゾーンとは、
自分にとって快適な領域です。
仕事や日常生活で、
何度も訪れた場所や慣れている行動は、
自分にとって快適な領域で、まさに
コンフォートゾーンということになります。
快適な環境・行動だけで
仕事や日常生活を送っていると
きっと不便がないのでしょうが、
しかし常に快適でいられるとも
限らないのが人生です。
不測の事態や
変わりゆく状況に対応するためには、
コンフォートゾーンを抜け出し、
自分を成長させることが必要不可欠なのです。
本記事では、
コンフォートゾーンについて、
そしてコンフォートゾーンから
抜け出すためにできることを
10個ご紹介します。
目次
1. コンフォートゾーンとは?
まずは、コンフォートゾーンとは何かを確認してみましょう。
1-1.コンフォートゾーンの定義
コンフォートゾーンとは、その人が安心・安全に過ごせる領域のことです。
環境や行動範囲といった実際の空間に加えて、行動内容や人間関係といった目に見えない概念にもコンフォートゾーンが存在します。
具体例には、自宅や職場といった普段多くの時間を過ごす場所や仕事におけるルーティンワーク、気心の知れた友人関係などがコンフォートゾーンに含まれます。
その他には、下記のような内容が含まれます。
環境や行動範囲
- お気に入りのカフェ
- 自宅に一番近いスーパー
- 毎日の散歩コース
行動内容や人間関係
- 毎日やっているような、慣れた仕事
- 学生時代からの友達
- 毎朝のルーティンワーク
1-2.ラーニングゾーン・パニックゾーンとの違い
ミシガン大学ビジネススクール教授でリーダーシップ論を専門としているノエル・M・ティシー氏は、人間が成長するときに身を置く環境を3段階に分類しています。
その1つが「コンフォートゾーン」です。
そして、残りの2つは「ラーニングゾーン」と「パニックゾーン」です。
ラーニングゾーンやパニックゾーンは、コンフォートゾーンと何が違うのでしょうか。
具体例と共にご紹介いたします。
ラーニングゾーン
ラーニングゾーンはコンフォートゾーンの一つ外にある領域です。
自分の能力や慣れた範囲の少し外に当たり、チャレンジを伴うため、ストレスや不安、緊張などを覚える場合があります。
ただし、全く自分の力や慣れ親しんできたことが通じないわけではなく、この領域でこれまでの経験を活用しながら挑戦することで、自分を成長させることができます。
【ラーニングゾーンの例】
- 新しい取引先
- 同じ部署の先輩が担当している業務
- 今保有している資格の1つ上のグレード
パニックゾーン
パニックゾーンは、ラーニングゾーンのもう一つ外にある領域です。
この領域では、自分の経験や能力が全く通用せず、ストレスや不安が過度にかかりすぎるため、能力を伸ばす前に心身に問題が生じてしまう場合があります。
また、同じ内容でも失敗が許されなかったり、助けてくれる人が周りにいないなどといった厳しい環境の場合にも、ラーニングゾーンを超えてパニックゾーンに陥ってしまいます。
一般的に成長するためには、パニックゾーンに入るべきでなく、ラーニングゾーンの範囲で挑戦を行うべきとされています。
【パニックゾーンの例】
- 職種も働き方も以前と全く異なる転職先
- 絶対に失敗が許されない環境
- 予備知識のない状況での起業
以上の内容を踏まえると、コンフォートゾーンから一歩外へ出て、ラーニングゾーンへ足を踏み入れること、
そしてパニックゾーンにはみ出さないことが、成長するために必要なことなのです。
2.コンフォートゾーンを抜け出すメリット
コンフォートゾーンへとどまることは心地よいですが、
1章でもご紹介の通り、成長するためにはコンフォートゾーンを抜け出し、ラーニングゾーンへ進むことがよいとされます。
では、コンフォートゾーンを抜け出すと、具体的にどのようないいことがあるのでしょうか。
2章では、コンフォートゾーンを抜け出すメリットをご紹介いたします。
2-1.柔軟に対応できるようになる
コンフォートゾーンを抜け出す経験をしておくと、未知の状況でも柔軟に対応できるようになります。
例えば、コンフォートゾーンの範囲内の手慣れた仕事のみ進めていると、その外にある自分にとって未知の状況が発生したときに、対処する方法が全く分からなくなります。
一方で、コンフォートゾーンから抜け出す経験があれば、未知のできごとが起こったときに考えて、対処をするという小さな挑戦ができるようになるのです。
2-2.行動のスピードが上がる
コンフォートゾーンから抜け出すことは、行動のスピードを上げることにも繋がります。慣れた仕事を続けていると、ある程度のスピード感を持って進めることができますが、ずっと同じ仕事だと退屈に感じてしまいますよね。
一方で、いつもより無駄なく進める、いつもより高めの目標を設定するというように、
コンフォートゾーンを抜け出して仕事をしていると適度に緊張感があるので、集中して仕事に取り組もうとします。
集中力が上がった結果として、コンフォートゾーンの仕事よりも、コンフォートゾーンから抜け出した仕事のほうが早く終わることがあります。
また、コンフォートゾーンにあたる慣れた仕事でも、スピードを上げて取り組んでみるだけでコンフォートゾーンから抜け出すことにつながります。
このような仕組みで、コンフォートゾーンから抜け出すと作業スピードを上げることができるのです。
2-3.トップを狙うことができる
コンフォートゾーンにとどまっていると、成長が見込めないため、いつか周りの人に実力で追い抜かされるときが訪れます。
一方で、コンフォートゾーンを抜け出していると、適度なストレスと緊張感の中、成長し続けることができます。
その成長は少しかもしれませんが、コツコツ積み重ねていくと、いずれその分野で一番を取ることも夢ではありません。
スティーブ・ジョブズ氏がMacの開発でとどまらずにiPodやiPhoneの開発を成功させたように、
一流の成功者は常に同じステージにとどまることがなく、大きな成功を遂げてもさらなる成長を求めて挑戦を続けています。
すぐに大きな成功をおさめられなくても、部署一、社内一などと、一定の範囲でトップになることを続けると、お金も人も集まってきてより大きな挑戦をすることが可能になります。
2-4.自己肯定感が上がる
コンフォートゾーンから抜け出し、成功体験ができると、それぞれの経験に対し「私は〇〇できる」という自信につながります。
そして、その自信が積み重なると、
- 私は新しいことに挑戦できる
- 私ならうまくいく
- 目標を達成できる
と無意識に思えるようになり、自信のさらに根底にある自己肯定感を高めることにつながります。
自己肯定感が高まると、コンフォートゾーンから抜け出すことに対するハードルが下がり、また1つ成長できて、さらに自己肯定感が高まるという、好循環を作ることができます。
2-5.コンフォートゾーンを広げることができる
コンフォートゾーンの外にある内容を何度も経験をしていると、同じ経験がいずれ、自分にとって慣れたものになり、コンフォートゾーンの一部へ変わります。
こうして徐々に自分のコンフォートゾーンを広げていると、最初はパニックゾーンにあたっていた大きな目標がラーニングゾーンになっているかもしれません。
大きな目標、人生をかけた夢がある方こそ、コンフォートゾーンを抜け出す経験を積み、コンフォートゾーンを広げる必要があるといえます。
以上、コンフォートゾーンを抜け出すメリットをご紹介いたしました。
とはいえ、「コンフォートゾーンを抜け出したほうがいいのはわかっているけど、抜け出せない...」とお考えの方もいらっしゃるでしょう。
次の章では、コンフォートゾーンを抜け出せない理由をご紹介します。
3.コンフォートゾーンを抜け出せない理由
コンフォートゾーンを抜け出したくても、抜け出せない理由とは一体何なのでしょうか。
ここでは、意識だけではなかなか変えることのできない、「無意識」で起こっていることを心理学の観点から解説します。
3-1.ホメオスタシス(恒常性)
ホメオスタシスとは、状態を一定に維持しようとする体のしくみです。
脳は、生命を維持するために、あらゆることを一定に保とうとします。
例えば、体温を一定に保つために寒い時には鳥肌が立ち、暑い時には血管を広げて熱を逃しやすくします。
このような生命維持に直接関わる機能はもちろんですが、精神的な部分にも脳は干渉してきます。
知らないこと、わからないことに対する不安も、その一つです。
知らないこと、わからないことには命に関わることも含まれるかもしれません。
人間の脳は、「不安」という気持ちにさせることで、無駄な変化を起こさず、平穏で安全に生命を維持しようとするのです。
3-2.思い込み(ビリーフ)
もう一つ、コンフォートゾーンから抜け出せなくなる理由として思い込みが挙げられます。
思い込みとは「私には価値がない」「私は成功に値する」といった、その人が無意識のうちに持つ信念や価値観のことで、実践心理学NLPの世界ではビリーフと呼んでいます。
※実践心理学NLPとは・・・別名「脳と心の取り扱い説明書」。
3人の卓越したセラピストと同じ結果を誰もが出せるようにするために研究された心理学。
このビリーフがいい方向に働けば問題ないのですが、人は何かしら大人になっていく段階でマイナスの影響をもたらすビリーフを作り出してしまいます。
例えば、過去に人前で話すことに失敗して恥をかく経験をしたとします。
その経験は、いつしか「私は人前で話すのが苦手だ」というビリーフを形成します。
このビリーフが社会人になって、人前でプレゼンテーションを行うときに悪い方向へ力を発揮します。
「私は人前で話すのが苦手だ」と思っているので顔が赤くなったり、話の内容が飛んでしまったりしてプレゼンテーションが失敗してしまいます。
そして、「私は人前で話すのが苦手だ」というビリーフをより強固なものにする、という悪循環が発生するのです。
以上、コンフォートゾーンから抜け出せなくなる理由を心理学的に解説しました。
この抜け出せなくなる理由を解消しながら、コンフォートゾーンから抜け出す方法を次の章でご紹介します。
4.コンフォートゾーンを抜け出す方法
コンフォートゾーンから抜け出せない理由はありますが、その理由を対策することで、コンフォートゾーンを抜け出すことができます。
コンフォートゾーンから抜け出すための方法を、すぐできるものからご紹介します。
4-1.自分の立ち位置を把握する
まずは、自分が今コンフォートゾーンにいるのか、あるいはラーニングゾーンやパニックゾーンにいるのかを把握します。
基準は、ストレスや緊張感をどれほど感じているかです。
例えば仕事の場面で、常に落ち着いた状態で慣れたタスクをこなしているのであれば、コンフォートゾーンにいると判断できます。
一方で、新しい仕事を任されて取り組んだり、緊張感を感じる場合には、コンフォートゾーンから抜け出して仕事をしていると言ってよいでしょう。
普段の自分の仕事のやり方を客観的に見つめながら自分の立ち位置を把握してみましょう。
そして、コンフォートゾーンにとどまっている状態だと感じたら、次からご紹介する内容に取り組んでみると良いかもしれません。
4-2.目標を1つ決めて、コツコツ達成する
コンフォートゾーンから抜け出す一番明確でわかりやすい方法は、
コンフォートゾーンの外に目標を決めて、その達成に向けて行動することです。
例えば、
- 外回りの件数を増やしてみる、
- いつも1時間かけて行うタスクを40分で終えることを目指す
などです。
例にすると小さな事かもしれませんが、ストレスや緊張感といった、
負荷が自分にいつもより少しかかるような目標から取り組むと、自分の立ち位置も把握しやすくなるでしょう。
また、もし現状でパニックゾーンにあたるような大きな目標を設定している場合は、
コンフォートゾーンとラーニングゾーンにかけて小さな目標をいくつか作っておくと、コンフォートゾーンを広げながら目標に近づくことができます。
4-3.成功したときの自分の姿をイメージする
脳の仕組みは不思議なもので、明確にイメージしたことは脳が実現したと錯覚してくれます。
それを利用して、自分がコンフォートゾーンを抜け出して大きな目標を達成する姿を想像してみるのです。
イメージを具体的にするには、自分に下記のような質問を投げかけるとより効果的です。
- 今どこにいるか?周りに何が見えているか?
- どんな音が聞こえるか?自分の心の声は?
- 体のどこにどんな感覚があるか?
「成功をイメージをする」
一見些細なことかもしれませんが、実行するかしないかで大きな違いを生む行動になります。
4-4.「できない」という思い込みを外す
コンフォートゾーンを抜け出すにあたって、妨げとなる思い込みがある場合には、その思い込みを外してあげることが重要です。
例えば、「私は人前で話すのが苦手だ」と思っている場合、まずはその思い込みがかつてどのように役立っていたのかを考えます。
恥をかくことからあなたを守っていたのかもしれませんし、安心・安全を作ろうとしていたのかもしれません。
しかし、「私は人前で話すのが苦手だ」という思い込みがあることでコンフォートゾーンを抜け出せずに苦労しているはずです。
そこで、代わりに欲しい思い込みを探します。
「私は人前でも自分らしく振る舞える」や「私にはどんな場所でも自信がある」など、
自分が欲しい、口に出してしっくりくる思い込みを作ります。
自分が欲しい思い込みができたら、何度も口に出してみたり好きなポーズをとりながら言ってみたりして、欲しい思い込みを心からそう思える思い込みに変えていきましょう。
4-5.自分より能力が高い人と過ごす時間を増やす
コンフォートゾーンから抜け出す時、自分ひとりの力だけで達成が難しいと感じる場合には、周りの人の力を借りることも1つの手立てです。
自分より能力の高い上司や先輩が近くにいらっしゃれば、その人と過ごす時間を増やしてみましょう。
そして、その人の行動を観察します。
一緒に過ごして観察していると、自然と能力が高い人の考え方や行動パターンを掴めて自分がコンフォートゾーンを抜け出すヒントになるでしょう。
4-6.同じ目標に取り組む仲間を作る
能力が高い人でなくても、同じ目標に向かって取り組んでいる仲間を作ることも自分がコンフォートゾーンを抜け出すヒントになります。
一人の力ではパニックゾーンにあたるような難しいことでも、何人かで協力すればちょうど良い負荷で進められることになるかもしれません。
そして、助けてもらった時には、自分もその仲間のコンフォートゾーンを広げるお手伝いができると、よりいい関係を築くことができるでしょう。
4-7.失敗を恐れない
失敗を恐れないことは、コンフォートゾーンを抜け出して、行動するために大きく重要な要素です。
慣れていないことをしているので、失敗を伴うことは当たり前です。
その失敗を失敗として捉えるのか経験値が増えたと捉えるのかで、今後の考え方が変わってくるのではないでしょうか。
また、実践心理学NLPを学んでいると、このような言葉と出会います。
「失敗はない。フィードバックがあるだけ。」
失敗ではなくフィードバックだと捉えられると、少し心が軽くなりませんか?
失敗から得たフィードバック・学びを自分の糧にして行動し続ければ、コンフォートゾーンを抜け出すことができます。
4-8.他者からフィードバックをもらう機会を増やす
こちらも他の人の力を借りる方法です。
客観的な目線で見てみると、自分には見えていない課題が見つかることがあります。
ただし、課題となる点は、先輩や仲間から。自動的に教えてもらえるものではありません。
自分からフィードバックをもらいにいく機会を増やさないと、なかなか得られない場合が多いでしょう。
時にはフィードバックをもらって落ち込んでしまうこともありますが、自分そのものを悪く思うのではなく、
「自分の○○という行動が悪かった」というように、行動レベルでフィードバック内容を解釈すると、前向きに捉えられるようになります。
よかったら試してみてください。
4-9.モチベーションを保つ仕組みを作る
特に、大きな目標を持っている人は、目標到達までの道のりが長くモチベーションを保つことに苦労するかもしれません。
そのような時には、モチベーションを保つ仕組みを作ります。
例えば、
- 目標の途中にご褒美を作る
- 疲れる前に適度な休憩を取る
- 目標までの到達度を目で見える形にする
など、やり方はたくさんあります。
自分が今までどのようにモチベーションを保ってきたかを思い出しながら、自分にあった仕組みを確立してみましょう。
4-10.自分の成長に役立つ本を読む
成長するためには、知識を入れて勉強することがわかりやすい方法です。
特に、本を読むことは最も手軽で始めやすい勉強かと思います。
自分の仕事や伸ばしたい能力に直接関わる本でもいいですし、尊敬する人、真似したい人が書いた本を読むこともいいでしょう。
本を読んで、学んだ内容を実践することを繰り返していればコンフォートゾーンを抜け出し、広げていくことに必ずつながります。
コンフォートゾーンを抜け出すための方法を10個ご紹介しました。何か2〜3個だけでもいいので取り入れてみると、きっと変化を実感していただけるでしょう。
5.心理学を使ってコンフォートゾーンを抜け出す
本記事では、コンフォートゾーンとは何かと、抜け出すべき理由や抜け出す方法についてご紹介いたしました。
ここまでお読みいただいて、コンフォートゾーンを抜け出すヒントを得ていただけたら幸いです。
そして、人の心理をもっと理解できれば、よりコンフォートゾーンから抜け出しやすくなるかもしれません。
このメディアサイトを運営している、NLP-JAPANラーニング・センターでは、心理学NLPを学べるスクール運営も行っています。
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