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2024.07.08 NLP世界権威

ビリーフの変化にはサイクルがある?ビリーフを意識して変えづらい理由

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著:ロバート・ディルツ

人はよく、ビリーフを変えるのは困難であり努力を要するものだと考えます。

その一方で、
人は一生のうちに、何百回とは言わないまでも、何十回も自然かつ自発的にビリーフを変えているのも事実です。

難しいと感じるのは、私たちが意識的にビリーフを変えようとするとき、ビリーフが変化する自然なサイクルを尊重しない方法を取ってしまうからなのかもしれません。

私たちはビリーフを抑圧したりビリーフと戦ったりすることで、ビリーフを変えようとします。

自己組織化理論によると、既存のビリーフをそこに固定しているその人のシステムの一部が不安定になるという自然なサイクルを通して、ビリーフは変化します。

ビリーフとは、システムが組織化する際の中心点となる、高次元のアトラクターの一種であると考えることができます。

システムが不安定化すると、葛藤や強制が無くても新しいビリーフが持ち込まれることもあります。

するとシステムは、新たなバランスポイントやホメオスタシス(恒常性)を中心に再安定化されたりします。

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有機的なシステムは、大抵の場合、サイクルという形のプロセスを通して変化します。

サイクルによってその内容はさまざまに異なりますが、深層構造は常に一定です。

システム理論の観点から、セラピー的手法とは「ランドスケープ(風景、様相)」に既存するパターンに再アクセスし、新しい洞察や視点を取り入れることによってそのパターンを「不安定化」させるという構造が含まれています。

この不安定になった状態に、新たな理解やリソースという形で新しいアトラクターが導入されると、システムは「連想修正」によって、安定した新しいパターンへと自らを自然に、自発的に再組織します。

この自然な変化のサイクルは、季節の移り変わりに例えられるかもしれません。

新しいビリーフは、春に植えられる種のようなものです。

種は夏に向かって成長し、そこで成熟して強くなり、根を張ります。

秋になるとビリーフは古くなって枯れ始め、その役目を終えます。

しかし、ビリーフの果実(ビリーフの背後にある肯定的な意図や目的)は保持され、あるいは「収穫」され、必要のなくなった部分から切り離されます。

最後に、冬になると、必要のなくなった一部のビリーフは手放されて消えていき、そうすることで再びサイクルが始められるようになります。

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例えば、人生やキャリアにおいて次のステージに上がろうとするとき、私たちはそれを臨機応変に上手く管理できると「信じたい」はずです。

次のステージに上がって管理するために必要な教訓を学ぶにつれて、実際に、自分には臨機応変に上手く対応できる能力があるのかもしれないと
「信じることをオープンに受け入れる」ようになります。

能力があることが確認できるにつれて、
私たちは自分が臨機応変に上手く対応できること、そして、今やっていることは自分にとって正しいという「ビリーフ」に自信を持つようになります。

人生や仕事のそのステージを過ぎ始めると、そのステージに紐付く成功や活動が、本当に自分にとって最も重要か、最優先か、または「真実」なのか、

「疑問を抱くことをオープンに受け入れ」
始めます。

そしてそのステージが通り過ぎてしまうと、かつて自分にとって重要で真実だったことが、もはやそうではないことを振り返って見ることができます。 自分とはこういう人間で、特定のことが重要だと「以前は信じていた」のだと気づくようになります。

現在のステージに役立つビリーフや能力をそのまま持ち続けることはできますが、今では価値観や優先順位、ビリーフが異なっていることに気づくのです。

こうしたサイクルの例を見つけたいのであれば、自分の幼少期、青年期、そして大人になってからのいくつかのステージで経てきた変化のサイクルを振り返ってみればよいのです。

さまざまな人間関係、仕事、友人関係、恋愛関係などが始まり、終わっていく中で、私たちは自分の役に立つビリーフや価値観を築いては、人生の新たな道へと移行するときにそれを再び手放してきました。

自己組織化理論の観点から言えば、このサイクルは次の図のような「ランドスケープ」としてまとめることができます。

自然なビリーフチェンジサイクルのランドスケープ

私たちが「信じたい」もの、「現在信じている」もの、そして「以前は信じていた」ものは、「ランドスケープ」の中の3つの「くぼ地」のように考えることができます。

私たちの人生を構成する経験や思考は、知覚されたものであれ、想像されたものであれ、これらのくぼ地の底に集まり、滞留しています。

特定の経験や思考を、ランドスケープの上を転がっていくことができるボールや小石のように想像した場合、何かを信じたい状態から実際に信じている状態に移動するには、

まず、ランドスケープの「信じることをオープンに受け入れる」部分を乗り越えなければなりません。

ランドスケープにおける新しい何かを「信じることをオープンに受け入れる」部分は、 その両側のくぼ地の底の部分よりも不安定です。

そして、ランドスケープのこの部分に移動するためには、努力を要することがあります。

「現在信じている」のくぼ地が他のくぼ地よりも深く描かれている理由は、

一般的に、実際に今信じていることは、「信じたい」あるいは「以前信じていた」よりも強く、安定して信じられているからです。

また、現在信じている何かを、「疑問を抱くことをオープンに受け入れる」ことができる、安定性の低い部分に移すには、より多くの努力が必要なことも示しています。

いったんその移行ができると、「現在信じている」のくぼ地に転がり戻るビリーフの一部もあるかもしれませんが、

残りの部分は、「以前は信じていた」が今はもう信じていないと自覚しているビリーフを溜めておくくぼ地に収まっていきます。

深層構造のひとつのレベルで何かが変化したり不安定になったりしているときには、次に高いレベルで安定性を確立しておくことが役に立ちます。

例えば、行動を変える代わりに、新しい精神的スキルや能力を学ぼうとする場合、

そのスキルに対する安定したビリーフや価値観を持っていることが役に立ちます。

言い換えれば、たとえ新しいスキルの実践に確信が持てなくても、最終的にそのスキルが習得できること、そしてそれは価値あるものだという確信を持つことが役に立つということです。

同様に、ビリーフを変え、新しいビリーフを確立しなければならない状況にあるときは、安定したアイデンティティの感覚を持っていれば、それが容易になります。

何を信じればいいのかわからなくなったとしても、自分が何者なのかという感覚をしっかりと持っていることができるのです。

同様に、アイデンティティが変化しつつある、または不安定な状態にある場合、その人が属する大きなシステムにおける自分のポジションという意味でのスピリチュアル・レベルで、安定している点を見つけることが重要となります。

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自分のビリーフを超えた何かを信頼すること、あるいは自分よりも大きなシステムを信頼することは、ビリーフチェンジのプロセスをよりスムーズに、快適に、エコロジカルに進める助けとなります。

ビリーフを変えるプロセスを通して人々を導く際には、自分のビリーフを超えた何かを信じるための余裕や余地を作り出してもらうことが重要です。

これが、プロセスを進める上でのメタポジションのような役割を果たしてくれるからです。

著者より許可をいただき掲載しています。

http://www.nlpu.com/Articles/article3.htm
This page, and all contents, are Copyright © 1996 by Robert Dilts., Santa Cruz, CA.

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