著:ニック・レフォース
今この世界で迷子になるのが難しくなったのは、迷子になれる機会が減ったからでしょうか。
それとも、空に浮かぶ目が、私たちの行き先をどこまでも追いかけるようになったからでしょうか。
私たちは、自らの方向感覚や星々の光、方位磁石や自分の手で広げる地図を使って、目的地にたどり着く能力を失いつつあるのでしょうか。
計画し尽くされたこの世界で、私たちは時計の文字盤と共に1日を始め、カレンダーという目から日々の指示を受け、
タスクに沿って道を刻み、連発するインスタントメッセージとリマインダーによって、すでに多忙な心をさらに忙しくさせています。
そして、あのもうひとつの人生、私たちが自分から隠しているもうひとつの人生を、私たちは夕日の中に沈めようとしています。
朝日がさらなる何かを私たちに訴えかけても、道を誤っていると風が警告していても、暗い夜が私たちの浜辺に打ち寄せ、愛という名の海で泳ぎたいと切望するその時でさえ...
デジタル世界の導きにほぼ完全に依存している今、私たちに本来の道を示してくれるはずの自然の兆しや、内なる深い自己からの声を読み取る神聖な力を失うリスクに直面しています。
日常会話では、迷子になった声たちが聞こえます。
何かが欠けている感覚が不満の声として現れ、デジタル世界からの通知に即座に、そして目的もなく反応し、
ここではないどこかに行きたいという強い願望が、この地球上での自分の居場所に対する絶え間ない疑念となって現れています。
技術革命と画面越しの生活は、常に私たちの注意を逸らし、関心を要求してきまるが、それ以前の時代と比べて、迷子になりにくくなったわけではありません。
実際には、迷子になりやすくなっています。
ただ、迷子になっていることに気づきにくくなったのです。
迷子になること、迷子になっていると認識することが、自分の心の国(ハートランド)へと続く道の、最初の大切な一歩なのです。
「人生の旅路の半ばで、私は暗い森にいることに気づいた。まっすぐに進む道は失われている。
ああ、それがどれほど荒れた、険しく、手強い森であるかを語るのは、なんと難しいことか。思い返すだけで恐怖が蘇る。」
―ダンテ・アリギエーリ『神曲』
「現実世界」では、自然の中でも街中でも、自分が道を見失ったと気づくのは簡単です。
方向がわからなくなって、迷子になってしまった時のことを思い出してください。
自分が迷子になったことをどのようにして知りましたか?
それはどのような気持ちでしたか?
どのように正しい道を見つけましたか?
さらに難しい質問があります。
それは、「人生で道を失っていることを、あなたはどのようにして知りますか?」
この2つの違いは、人生における慣れ親しんだ道には、時々、「轍」が存在するため、かえって道を踏み外す原因となることがあるという点です。
さらに物事を難しくしているのが、私たちの気を逸らし、方向性を指示してくる数多くのデジタルツールの存在です。
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NLPトレーナー ニック・レフォース(Nick LeForce)プロフィール
著者より許可をいただき掲載しています。
https://nick-leforce.squarespace.com/blog/2019/8/4/the-beauty-of-being-lost
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