「アンカリング効果」とは、
「最初に得た情報が、
物事の判断に影響を及ぼす」
という心理効果です。
例えば買い物の際に、
普段より安くなってる商品を見て、
「前より安くなっているから
買ってしまおう!」
とつい購入してしまった経験が、
もしかしたら一度はあるかもしれません。
これこそが、アンカリング効果です。
アンカリング効果は、
上手く使うことができれば
マーケティングなどの分野で、
他社を圧倒することができますが、
使い方を注意しなければ、
法に触れてしまう可能性もあります。
この記事では、
アンカリング効果について、
マーケティングなどにおける活用例と、
注意点についてご紹介していきます。
目次
1.アンカリング効果とは
1-1.アンカリング効果の意味
アンカリング効果とは、「最初に得た情報が基準となって、その後の思考・判断に影響を及ぼす」
という効果です。
簡単に言えば、「最初の情報が第一印象となり、その後の印象に影響する」ということ。
例えば、AとBの価格があった場合、あなたはどちらが安く感じるでしょうか。
A:割引で5万円の商品
B:通常価格10万円から、50%割り引かれた5万円の商品
恐らく、Bの方が安いと感じられたことと思います。
Bの価格は、通常価格である「10万円」が最初に提示されたことで、割引後の価格「5万円」が安く感じるのです。
このように最初に得た情報が基準となって、後に提示される値段を安く感じるようになるのがアンカリング効果です。
1-2.アンカリング効果と似た効果
またアンカリング効果と似たものとして、「フレーミング効果」や「プライミング効果」というものが有名です。
それぞれ効果が異なりますので、違いをご紹介していきます。
まずフレーミング効果は、
「表現の方法を変えることで、
印象を変える」という心理効果です。
例えば水が半分入ったコップがある場合、次のように表現を変えることができます。
A:「半分も水が入ってる」
B:「半分しか水が入っていない」
どちらも事実としては、コップに水が半分入っている状態ですが、Aの表現では、まだたくさんあるような印象を与えられます。
その一方で、Bは残り少ない印象を与えることになります。
このように同じ内容でも、表現を変えることで印象が変わるのがフレーミング効果です。
次にプライミング効果は、
「無意識のうちに受けた刺激が、
思考に影響する」という心理効果です。
例えば次のような場合が代表的です。
- カレーの匂いをかいだら、カレーが食べたくなってきた
- 10回クイズでピザと10回唱えた後、「ひじ」を「ひざ」と言い間違えた
こういったシチュエーションは、誰もが一度は経験があるのではないでしょうか。
このように人の無意識に影響を与えるのが、プライミング効果です。
以上のようにアンカリング効果と似ているといわれる心理効果は、それぞれ意味や効果が異なっております。
フレーミング効果は言葉の表現、プライミング効果は無意識を刺激することです。
そしてアンカリング効果は最初に与える情報に注目しているといった違いがあります。
2.アンカリング効果の活用方法
ここからはアンカリング効果の活用例をご紹介していきます。
特に多く使われているのはマーケティングで、商品の価格などの「数字を使った広告」です。
ショッピングサイトやチラシ、SNS広告などで、もしかしたらあなたもご覧になったことがあるかもしません。
よくあるのは、通常の商品価格と割引後の価格を表示する広告や、他の商品との違いを数値を用いて表現する広告などです。
数字を使って比較させることで、顧客に与える印象を変えられます。
また数字だけでなく、「写真を使った広告」でもアンカリング効果が使われています。
例えば、ダイエットに関する広告で、ダイエットをする前の姿を先に紹介します。
その後にダイエットした後の姿を紹介しているものもあります。
このように前後を見せることで、変化した後の姿が、より鮮烈に印象に残り、消費者の購買意欲を高めることができるのです。
しかしどんな商品にも、この効果が使えるわけではありません。
例えば100円均一の商品や、お菓子・飲み物など、通常価格が多くの人に知られてる物は、注意が必要です。
安い価格に設定したとしても、インパクトが足りなかったり、
「もっと安い値段で売っている時がある」というように、消費者の購買意欲が高まらない場合があります。
価格相場が広く知られていない物や、価格が高いから普段は購入にあまり踏み込めない物などに、アンカリング効果を用いることで、高い効果が見込めます。
3.アンカリング効果を使う際の3つの注意点
伝え方を少し変えるだけで、印象を変えられるアンカリング効果ですが、使い方を誤れば法に触れてしまう可能性がございます。
ここからは、アンカリング効果を使う際の注意点をご紹介していきます。
3-1.二重価格表示に注意
二重価格表示とは、通常の販売価格よりも安い価格に設定して、安さを強調させる表示方法のことです。
アンカリング効果は、まさに二重価格表示を用いる方法です。
しかし、二重価格表示は、国の定める景品表示法によって、不当な価格表示として違反になる場合があります。
例えば、以下のように価格を表示しようとする場合は、不当な価格表示のため違反となります。
①通常の販売価格を引き上げて、割引後の価格を安く見せようとする場合
②競合他社の商品価格と比較して販売する際に、他社製品の正確な価格を提示しない場合
もしも法律違反となった場合、課徴金と呼ばれる違反金を課される可能性があります。
なかには、意図せず違反となってしまう場合もあるようです。
消費者との信頼関係にも影響する部分なので、注意しておくと安心です。
3-2.高い価格設定に注意
通常価格を高く設定し、割引価格を安くしすぎると、金額によっては、消費者に不信感を与えてしまうこともあります。
例えば、通常価格10万円の商品を3万円で販売するとなった場合、
「安いけど大丈夫なのか?何か不具合や品質に問題があるのでは?」といった不信感を与える恐れもあります。
安すぎず高すぎない、ちょうどいいラインの価格に設定することで、消費者の購買意欲を掻き立てることができるでしょう。
3-3.安く売り続けることに注意
アンカリング効果を使って、安く売り続けることも、消費者へのインパクトがなくなるため注意が必要です。
例えば、通常価格よりも安く販売し続ければ、その安い価格が消費者の中で新しい基準となり、通常価格では買ってもらえなくなる恐れがあります。
「今は高いから、安い値段になるまで買うのを待とう」というように消費者の購買意欲を減らしてしまう可能性があります。
常に安く売るのではなく、ここで売り出したい、という時に限定してアンカリング効果を使うことで、より高い購買意欲を消費者に与えられます。
4.アンカリング効果を最大限、活用するために大切なこと
ここまでアンカリング効果の活用例や注意点をご紹介してきました。
そしてアンカリング効果を最大限に活用するためには、「消費者や世間の立場に立って考える」ということが大切です。
例えば、あなたが消費者の立場だったら、「どんな商品が欲しいか」「いくらになったら買いやすくなるか」といったことを考えてみることです。
また世間の立場に立つと、
- 商品や価格は、法律に違反していないか
- 誰かを悲しませることはないか
といったことも考えられるようになります。
このように自分以外の視点に立って物事を見ることで、より消費者の購買意欲を掻き立てられるようになるのではないでしょうか。
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