{{findPostsInfo.date}} {{findPostsInfo.category}}

{{findPostsInfo.title}}

メイン画像

ロバート・ディルツ著

1.肯定的意図の原則

変化を管理するための最も重要で、有用な原則の一つが「肯定的意図」という概念です。

この原則は、抵抗や異論に対処しなければならないときに特に役立つ、価値ある考え方となります。

基本的にこの原則では、すべての行動は、

何らかのレベルで肯定的な目的を満たすことを意図していた、または、肯定的な目的に基づいて起こされたと考えます。

つまり抵抗や異論というのは、その根底にある何らかの肯定的意図や目的を満たすために発せられるということです。

例えば、「成功することは望ましくない」と誰かが異論を唱えたとして、その背後にある肯定的な目的は、

成功が飽和してしまう状態を避けること、あるいは自らを失敗から守ることにあるのかもしれません。

また、「変化するなんて不可能だ」などの抵抗の背後にある肯定的意図は、

ぬか喜びによる失望や報われない努力を避けるためかもしれません。

抵抗や制限になるビリーフを変容するには、その根底にある懸念や、

肯定的な目的が何らかの方法で承認され、対処されなければならないということをこの原則は示しています。

抵抗や制限になるビリーフの背後にある肯定的意図は、直接対処することも可能ですし、

状況に対するその人のマップを広げて、抵抗や妨害以外の反応で肯定的意図が満たせるような選択肢を見つけることもできます。

実際、肯定的意図が作り出す抵抗は、他の制限的な(そして本人が認識していない)前提から生じることが多くあります。

例えば「成功」を脅威と感じるのは、もし自分が成功しても、それによる社会面での影響に対処できるスキルや支援が自分にはないと感じている場合があります。

このような懸念には、必要なリソースを作り出すための適切なコーチングや指導を受けることで対処することができます。

他にも対処する方法として、必要な能力はすでにその人の中にあると伝え、同時に、支援を受けることは可能だと理解できるように導くことができます。

また、特定の抵抗や制限になるビリーフの背後にある肯定的意図や目的について、直接尋ねてみることも、時には重要となります。

肯定的意図の原則の由来は、

人は自分の世界モデルにおいて、その時の自分にアクセス可能であると認識した選択肢や能力の中から、最善の選択をしているという深い前提からきています。

リフレーミングのようなNLPプロセスは、状況に対する人のマップを広げ、他の選択肢やオプションが認識できるように助ける方法の1つです。

よって、異論や抵抗に対処するときは、まず、肯定的意図を承認してからより広い範囲での知覚や思考へと導くことが有用だということです。

これに加えて重要なのが、人のアイデンティティと肯定的意図は、その人の行動から切り離すことです。

干渉に対処する際は、まずその人自身とその人の肯定的意図を承認してから、その人とは別のものとして問題や課題に対応することが有効な方法です。

ここで気づくべき重要なことは、相手の考え方に同意しなくても相手そのものを承認することができるということです。

「あなたの考え方が理解できました」と言うのと、「あなたに賛同します」と言うのとでは違います。

「お気遣いありがとうございます」や、「それは重要な質問ですね」と言うことで、

その人の世界マップが必ずしも正しいわけではないことを示唆しながらも、相手の意図を承認することができます

要約すると、肯定的意図の原則によれば、変化することへの抵抗に対応する際には、次のことが重要かつ有用となります。

  • 1)すべての行動(抵抗や制限になるビリーフを含む)には、肯定的な意図があると仮定する。
  • 2)その行動の否定的な側面を、その背後にある肯定的意図から切り離す。
  • 3)抵抗する人、問題のある人の肯定的意図を特定し、それに対応する。
  • 4)同じ肯定的意図を満たすことができる他の行動の選択肢を提供する。

著作権 © 1995 ロバート・B・ディルツ

2.シックス・ステップ・リフレーミング

1.問題のある行動を特定する。

「あなたが変えたいと思う行動や症状は何ですか?」

2.その行動を起こしている自分のパートとのコミュニケーションを確立する。

「自分の内面に意識を向け、この行動を起こしているパートに尋ねましょう。

『私とコミュニケーションをとってもよいなら、合図をください』

 そのパートからの合図かもしれない内なる言葉、映像、感情に注意を向けましょう」

2.1.

明確な合図が得られない場合は、合図を誇張するようにそのパートに頼んでください。

また、「答えが『はい』であるなら、症状を強くすることで合図をください」などと伝えることで、

症状そのものをコミュニケーションに活用することもできます。

2.2.

パートがコミュニケーションをとろうとしない場合は、次のように尋ねましょう。

「私とコミュニケーションをとろうとしない肯定的な目的は何ですか?」

[それでもパートとのコミュニケーションを確立するのが難しい場合は、別のチェンジプロセスを試すこともできます]

3.パートの肯定的意図と問題行動を切り離す

「再び自分の内面に意識を向け、コミュニケーションをとってくれたことに対してパートに感謝します。

 そして次のように尋ねましょう。

『この行動によって、あなたは私のためにどのような良いことをしようとしてくれているのか、または私に何を伝えようとしているのですか?』」

3.1.

パートの意図がネガティブなものであるなら、次のように尋ねます。

『そして、それは私にどのような良いことをもたらしてくれますか? あなたの肯定的な目的は何ですか?』

4.パートの肯定的意図を満たしながらも、症状や問題行動などのネガティブな結果をもたらさない選択肢を、他にも3つ見つける

「自分の中の創造的なパートに尋ねましょう。

『問題行動の肯定的意図を満たす別の方法を、少なくとも3つ作り出してください。』」

5.症状や問題行動を生み出しているパートに、新しい選択肢を実行することに同意してもらう

「自分の内面に意識を向け、問題行動を引き起こしているパートに尋ねましょう。

『代わりの選択肢を受け入れるのであれば、私に合図を送ってください。』」

5.1.

どの選択肢も受け入れられない、または何も合図がなかった場合は、

手順4に戻り、さらに選択肢を追加したり、今の選択肢を修正したりします。

6.エコロジーチェック:新しい選択肢に反対する他のパートの存在を確認する

「内面に意識を向け、尋ねましょう。『これらの新しい選択肢に反対するパートはいますか?』」

6.1.

反対するパートがいる場合、まずはそのパートを特定し、

そのパートに対して手順2からプロセスを繰り返します。

ロバート・ディルツ氏より許可をいただき掲載しています。

The NLP Pattern of the Month: Reframing
This page, and all contents, are Copyright © 1998 by Robert Dilts., Santa Cruz, CA.

ロバート・ディルツ氏から日本で直接学べる講座はこちら
NLPトレーナー ロバート・ディルツ(Robert Dilts)プロフィール