近年、1on1という言葉を
耳にするようになりました。
この1on1とは、
部下と1対1でコミュニケーションをとる
というマネジメント手法の1つです。
しかし、ただ部下と話すだけなのに
スキルは必要なのか?
なぜ最近になって
注目を集めているのか?
と思う方も
いらっしゃるかもしれませんし、
既に職場で1on1を取り入れている方も
いらっしゃるかもしれません。
ここでは1on1について、
そして、国際コーチ連盟(ICF)に
認可されたコーチング講座
『NLPプロフェッショナルコーチ
認定コース』を提供している私たちから
NLPコーチングのスキルをベースとした
1on1のやり方、
うまくいかない原因などを
お伝えしていきます。
目次
1.1on1とは
1on1とは、上司が部下と1対1で対話をして、部下の悩みを改善したり、成長を促すためのマネジメント手法の1つです。
従来の評価面談との違いは、上司から部下に一方的に何かを伝えたり、仕事における今後の方向性を示唆するのではなく、
部下と相互にコミュニケーションを取りながら対話をするという点です。
近年では、
- テレワークによる上司と部下のコミュニケーションの機会減少
- キャリア、仕事に対する価値観の多様化
- 離職率の上昇
という背景もあり、この1on1を取り入れる企業も増えてきているのです。
2.1on1を実施するメリット
1on1は部下の成長を促すという目的のもと行われますが、実際には様々なメリットが存在します。
ここでは3つピックアップしてご紹介します。
2-1.部下の成長促進、モチベーションアップ
1on1のメリットとして一つ目に、部下のモチベーションアップが挙げられます。
私たちは一人一人個性があるように、仕事への取り組み方や得意な考え方にも違いがあり、モチベーションが上がる言葉も一人一人異なります。
例えば、仕事を習得するときに、仕事の全体像を把握することが得意なタイプもいれば、
仕事を一つずつ詳細に把握することが得意なタイプもいます。
他にも、個人で仕事を進めることが得意な人もいればチームで仕事をすることが得意な人もいます。
このような特徴を理解し、その人がモチベーションが上がるような言葉をコミュニケーションで使うことにより、
ただ話すのと比べて、部下のモチベーションは上がりやすくなります。
実践心理学NLPでは、相手が普段使う言葉から、相手の行動・思考傾向を明らかにしたり、
それぞれの傾向のある人のモチベーションを上げるには、どのような言葉がけをすればいいのかを体系化したLABプロファイル(影響言語)というスキルが存在します。
実際に、1on1で高い結果を出している人達は、このように相手の特徴に合わせた話し方や、
言葉がけをして部下のモチベーションアップに努めていることが多いともいわれています。
実践心理学NLPとは、1970年代にアメリカで誕生した心理学で、別名「脳と心の取扱説明書」とも呼ばれています。
コミュニケーション能力の向上や、目標達成、チームマネジメントなど、様々な状況で効果を発揮します。
また、大統領やスポーツ選手、経営者や会社員など幅広い人々に学ばれており、オバマ元大統領、クリントン元大統領がスピーチでNLPを活用していたことは有名なお話です。
2-2.離職防止
仕事、キャリアに対する価値観は変化してきており、自分たちが「若手」と呼ばれていた頃とは異なっています。
近年は特に新卒の離職率の高さが目立ちますが、その原因は「仕事が合わないと思ったから」というものが半数ほどです。
会社としても採用にコストをかけたのに戦力になる前に、社員が退職してしまうのは損失でしかありません。
1on1で定期的に部下とコミュニケーションをとり、部下の仕事に対する価値観や悩みを把握しておくことで、上司としての立ち回りも変わり、部下の離職を防げるようになるでしょう。
2-3.信頼関係の構築
3つ目に挙げるのが、信頼関係の構築です。
信頼関係とはチームで仕事をする上では必要不可欠なものですが、それ以前に円滑なコミュニケーションを行うための前提であるものでもあります。
当たり前のことですが、私たちはあまり話したことがない相手に信頼を寄せることはないですよね。
そのため1on1で、お互いコミュニケーションをとることが信頼関係の構築に役立つのです。
特に上司から自己開示することによって、部下は話しやすくなるものなので、まずは自分のことを話してみましょう。
3.1on1のやり方
1on1のやり方は様々ありますが、ここではコーチングモデルの一つである「GROWモデル」をベースにした方法をお伝えします。
①アイスブレイク
まず、本題に入る前にアイスブレイクから始めましょう。
1on1は評価面談などと異なり、上司が一方的に話すのではなく、部下と対話をしていくものなので、アイスブレイクを行って、部下が話しやすい環境を整えます。
②ゴールを探す
アイスブレイクである程度相手の緊張がほぐれてきたら、本題に入ります。
ここではフランクに話しながらも、部下が求めているゴールを一緒に明らかにしていきます。
例えば
- 部下の解決したい悩み
- 今度どうしたいか
- 今求めているものは
と言ったように、ゴールと言っても人によって様々です。
ここで大切なことは、ひたすら部下の話を傾聴すること。
悩みやゴールが顕在化していない部下であっても、傾聴することで意外と本人の口から抱えている課題や、本当に達成したい目標が出てくることが多いのです。
③現在の状態を明らかにする
部下の目標や求めているもの、解決したい悩みなどが見えてきたら、それに対して現在の状態を明らかにしていきましょう。
もしかすると会社の仕組みが、それを止めているだけではなく、部下の意識の中で、ゴールに向かうことを止めているものがあるかもしれません。
ここでも傾聴を心がけながら、会話の中で部下の現在の状態を明らかにしていきます。
④目的に向けてプランを練る
部下にとってのゴールや、現在の状態が明らかになったら、課題を解決し、目標を達成できるような方法を2人で考えていきます。
それは、部下自身の普段の行動を変えることかもしれませんし、上司のあなたが周りに働きかけられることかもしれません。
ここでのポイントは、上司から今後の行動を指示したり、アクションを提案するのではなく、部下自身が対話の中で答えを見つけられるようにすることです。
ここではコーチングモデルの「GROWモデル」をベースに1on1のやり方をお伝えしました。
1on1は、コミュニケーションを通して、部下の成長を促すマネジメントです。
そのため、やり方にとらわれたり、部下を誘導するのではなく、コミュニケーションの一環として、部下の成長を促すということを忘れないでくださいね。
4.1on1が上手くいかない原因
実際に1on1をすでに行ったことがある方も入れば、これから行うという方もいらっしゃるかもしれません。
ここでは、1on1が上手くいかない原因についてお伝えしていきます。
4-1. 上司の価値観を押し付ける
1on1でやってしまいがちなのが、上司の価値観や考えを部下に押し付けてしまうことです。
上司が部下を導くために、一方的に新たなゴールを決めたり、行動プランを考えても、それは部下の成長や悩み解決の根本的な解決になりません。
なぜならそれは部下本人が、心の底から納得していない可能性があるからです。
仮にその場での部下のリアクションが良かったとしても、1週間後、2週間後には部下の動きやモチベーションが元に戻ってしまっていることがほとんどです。
1on1で大切なことは、傾聴して相手の中から答え、今後の方向性を引き出すこと。
上司として、先輩として、色々と助言や指導を行いたくなる時もあるかと思います。
しかし、そこで自分の価値観を押し付けるのではなく、まずは傾聴して、部下の考え方や価値観を聞き出し、2人で目標に向け行動プランを考えていきましょう。
4-2. 信頼関係の欠如
1on1がうまくいかない原因として、信頼関係の欠如ということが挙げられます。
1on1のメリットとして、信頼関係を築くことができるとあります。
ですが、ただ話しをしているだけでは、良い信頼関係を築くことはできません。
また、1on1は部下が心の内を話すことによって、真の効果を発揮します。
一方で、信頼関係が築けてなければ、ただ当たり障りのない会話をして終わってしまいます。
場合によっては部下から「実施しないでほしい」と言われることもあります。
そうならないためにも、信頼関係を築いておくことは、とても重要なのです。
しかし、一般的に信頼関係とは、一朝一夕で築ける物ではなく、時間がかかります。
多くの経営者、社会人が学んでいる実験心理学NLPには、いち早く信頼関係を構築するための心理学を駆使したスキルも存在します。
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そしてこの信頼関係構築のスキルは1on1ミーティングだけではなく、普段のコミュニケーションにも活用いただけるので、ぜひ試してみてください。
4-3. 一回の1on1で効果を出そうとする
1on1は、たった一回行っただけでは効果はほとんど出ません。
継続的に行うことで効果を発揮します。
しかし多くの方が、このことをご存知ないので、一回の1on1で効果が出ないとそこでやめてしまいます。
コーチングの世界でもクライアントとセッションを何度も繰り返すことによって、変化が現れてくるものです。
そのため、一回の1on1で効果が出なかったとしても焦らず、部下と対話を続けてみてください。
最初は効果を感じられないかもしれませんが、繰り返しコミュニケーションをとることで、信頼関係が築け、部下がより本音で話せるようになってくるでしょう。
5.全ての答えは相手の中にある
1on1は部下の成長を促すためマネジメントの方法ですが、実施するにあたって大切なことは、
「全ての答えは相手の中にある」
という考えを持つこと。
そのためにも、今回ご紹介したように傾聴して、相手の中にある答えを引き出し、ゴールへと導くコーチングのスキルを1on1に導入することも一つの手段です。
また、深層心理学の世界では、私たちの行動や思考のほとんどは無意識という、
普段自分では気づくことができない心の深層によってコントロールされていると言われています。
だからこそ、相手の中に答え(今後どうしていきたいのか、本当にやりたいこととは、本当に自分が不安に思っていること)があったとしても、
本人自身がその答えに気づいていない場合も少なくないのです。
実践心理学NLPには、相手のモチベーションを上げやすくするLABプロファイルや、信頼関係を築きやすくするスキルのほかに、
相手の無意識にある行動パターンや思考パターンを把握して、クライアントが望む未来へ導くテクニックも存在します。
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実際にNLPコーチングを1on1に取り入れることで、部下自身も気づいていない無意識にまでアプローチすることができるので、さらなる成長促進に繋るでしょう。
最後になりましたが、
「全ての答えは相手の中にある」
この考えを持つことによって、1on1、コミュニケーションも大きく変わってくるはずです。
ぜひ相手に合わせ、相手のペースで1on1に臨んでみてください