部下のやる気に「スイッチを入れる」NLPの価値基準とは?
NLP-JAPANラーニング・センター事務局です。
こんにちは。
あなたは、こんな経験はありませんか?
「部下のやる気を高めたい」と考え、
自分なりに部下の心に響く言葉を投げかけたつもりが、
● まったく伝わっていない
● 心に響いていない
● 逆にモチベーションを下げてしまった
など
一例を上げると、上司から部下に対して、
やる気が高まることを目的として、下記のようなメッセージを投げかけたとします。
「今期の目標売上を達成できたら、年収の20%近いボーナスがでるぞ」
「数値としては、高い目標だけど、ボーナス獲得のために頑張ろう」
すると部下より、下記のような反応が返ってくる。というケース。
● まったく興味のなさそうな表情と反応をする
●「ボーナスよりも、定時に会社を出て、"自分のための時間を持つ" ほうが良いのですが・・・」と答える。
このやりとりは、まったく噛み合っていないことだけは分かります。
上司は、自分自身がお金でモチベーションが上がるため、
誰もが、「お金 = モチベーションを引き出すもの」だと考えています。
その一方で部下が大切にしていることは、
「自分のための時間が持てる」ことであり、お金ではなかったため、
ボーナスに対して、心動くものではなかったのです。
一体、何が起きているのでしょうか?
ここでNLPを使って紐解くと、
重要なポイントが存在していることが見えてきます。
それが「価値基準」の違いだったのです。
部下(他者)を動機づける時、
価値基準を満たすコミュニケーションを取れるかどうかで、
伝わり方が大きく変わります。
そこで、この記事では価値基準を使って、
部下のやる気に「スイッチを入れる」方法をご紹介します。
1、NLPの価値基準とは?
価値基準とは、人の思考と行動、判断、モチベーションに影響を与えるものです。
さらに、ものごとの良い・悪い、正しい・間違っているの判断なども。
そして、人の心の深い部分にある「強い欲求」に紐付いているため、プラスに働けばパフォーマンスを高め、マイナスに働けば、成果を妨げる原因にもなりかねません。
冒頭の例では、部下は「自分の時間を持つ」ことを大切にしています。しかし目標達成のために、毎日残業があり、自分のための時間をとることができなくなれば、不満が募ります。
しかし、部下が大切にしている価値基準が「お金」だった場合、ボーナスのためなら残業もいとわず、意欲的に目標達成に向け、仕事を進めます。
ではポイントは何か?ということですが、それは部下の価値基準を知り、それを満たせるように仕事環境を整えつつ、価値基準に働きかけるメッセージを投げかけることです。
補足: 価値基準の例
※価値基準を表す言葉の例を以下にご紹介します。
● 効率
● お金
● やりがい
● 笑顔
● 貢献
● バランス
● 充実感
など
2、価値基準の見つけ方
価値基準は、ある特定の質問を使うことで、明確にしやすくなります。
そのため部下との面談、日常的なコミュニケーションの機会に、下記のような質問をしてみましょう。
「仕事において、大切なことは何ですか?」
この質問を繰り返し、10個くらい価値基準を出していきましょう。
その後、優先順位をつけてもらいます。
例えば、「この中で1番に大切なことは何ですか?」と質問をして、順番を決めていきます。
この時のポイントは、頭で考えるのではなく、直感で決めてもらうようにしましょう。
この時の注意点は下記2点になります。
● 部下が口にした価値基準を表す言葉をそのままで聞き取る
● 部下から出てきた価値基準を否定しない
否定しないという点を補足するとこうなります。
例えば、あなたの価値基準が、大切な順から、
・1位「昇進」、2位「お金」、3位「達成」だとしましょう。
そして部下の価値基準が、
・1位「休暇」、2位「趣味の時間」、3位「楽しむ」だっととします。
ここでやりがちなのが、価値基準の押し付けです。ついつい部下に向かって、
「仕事ってのはふつう・・・」と言いたくなってしまうかもしれません。
ですが、あなたと部下の価値基準は違っていて当然です。
出てきたものは、全て肯定し、受け入れましょう。
重要なことは、価値基準を表す言葉は、
部下のやる気のスイッチを押す「キーワード」になることです。
もしも質問する機会を持てない場合は、部下が繰り返し行っている言葉に注目してみましょう。価値基準を表す言葉が出ている瞬間を掴めるはずです。
補足:テーマ(コンテクスト)により、価値基準は変わる
NLPでは価値基準を明確にする時、コンテクストをしっかりと確認します。
実は価値基準は、仕事、お金、健康、人生、恋愛など、テーマや状況により変わるためです。
さらに人生経験を重ねたり、環境が変わることで、価値基準が変化することがあります。そのため定期的に価値基準の見直しをすることをお薦めしています。
3、価値基準の活用方法
部下から出てきた価値基準の上位3つを満たすように、コミュニケーションを取りましょう。
上位3つの価値基準は、部下にとってやる気のスイッチとなる「キーワード」と言えます。
例えば例に上げた部下の価値基準は、1位「休暇」、2位「趣味の時間」、3位「楽しむ」でした。この場合は、以下のようにコミュニケーションを取ります。
「休暇や趣味の時間をしっかりとるために、この仕事は●日までに終わらせよう」
「自分の時間をしっかりとるために、売り上げを達成しよう」
「仕事を楽しむするためにはどうすればよい?」
など
慣れないうちは、「価値基準を満たすためにどうしたらいいか?」という問を上司が持ち続けたり、部下に問いかけることがポイントになります。
4、まとめ
部下の価値基準を知っているかどうかは、仕事において大きな違いになります。
ぜひ、周囲や部下の価値基準を知り、一緒に大切にしながら、満たしてあげましょう。
補足:部下の価値基準を知ったら
以下の問いかけを行うことも、部下の価値基準を一緒に大切にするためのポイントとなります。
● どうして、その価値基準が大切なのですか?
● どんなきっかけで、その価値基準が大切になったのですか?
など