用語集：ラポール - NLP-JAPAN ラーニング・センター 東京・名古屋・大阪・福岡

「ラポール」とは、相手との信頼関係を表す心理学用語です。

語源はフランス語の「rapport：橋をかける」で、
この言葉は、相手と自分の間に橋がかかっている状態、
すなわち、相手と心が通じ合っている、
お互いが信頼しあっている、という状態を表します。

ラポールはもともと、カウンセリングなどの、臨床心理の世界で使われていた言葉でした。
しかしビジネスやマネジメント、コーチング、その他のコミュニケーションといった、
人と人との関わり合いの中で、欠かせないものであったため、広く知られるようになりました。

ラポールの効果｜
なぜラポールは必要なのか？

なぜラポールは、人と人との関わり合いの中で欠かせないのか。

それは、ラポールを形成することは、
相手があなたの話を受け入れられる状態を作り出すからです。

この状態が作れていないと、相手は心のどこかで不信感を抱いたまま、
あなたの話を聞くことになるので、いくら話しても、相手にあなたの「言葉」は響きません。

あなたがコミュニケーションで、どのような結果を出せるのかは、
早い段階でラポールを形成できるかどうかに懸かっているのです。

世の中には、「相手を説得するテクニック」や、
「人を動かすためのスキル」というものが多数存在します。

しかし、それらは全て、
相手があなたの話を聞く準備ができていることが前提の話。

相手とラポールを、信頼関係を形成できていなければ、
それらのテクニックは十分な効果を発揮することはできないのです。

ラポール形成のテクニック

ラポールを形成するには、相手が話しやすい雰囲気や空気をつくり、
相手にとって自分が信頼できる人間だと思ってもらうことが、最も大切です。

人間の基本原理として、
人は自分に似ている人間に安心感や親近感を持つ「類似性の法則」というのものがあります。

今回はこの原理に基づいたテクニックや、
コミュニケーションの中で活用できる心理学NLPのテクニックをご紹介します。

【１】ミラーリング｜相手のしぐさに合わせる

ミラーリングとは
相手のしぐさや姿勢、表情などを鏡のように真似することです。

まさに「人は自分に似ている人間に安心感や親近感を持つ」という原則に従って、
相手に合わせていくテクニックの一つが、このミラーリングです。

ミラーリングは、多くのカウンセラーやセラピストも取り入れているテクニックで、
行うことにより相手に安心感や親近感を感じさせることができ、
お互いに話しやすい雰囲気や状況を作ることができます。

ミラーリングを行うときの注意点は、不自然なまでに、
相手の仕草をそのまま真似しないということです。

不自然なミラーリングや、過度なミラーリングはかえって、
相手に不信感をいだかせてしまうので、場合によっては
「相手が髪を触ったら自分も顔に手を添える」などさりげなく、
似た動きをすることをおすすめします。

【２】ペーシング｜相手のペースに合わせる

ペーシングとは、
相手の話すスピードや声の大きさなどに自分のペースを合わせることです。

ミラーリング同様に、話すスピードや、
声の大きさやトーンを相手に合わせることで、安心感と親近感を与えることができます。

あなたが今まで、初めて会ったにも関わらず、安心感を感じながらコミュニケーションを取れた人を思い浮かべて見てください。おそらく、その人は、あなたと話すスピード、声の大きさや、トーンなどが似ていたはずです。

反対に、相手とペースを合わせないと、信頼関係を築くところか、相手に苦手意識を抱かれてしまう可能性もあります。

例えば、早口の営業マンが、普段ゆっくり話すクライアントに商品を紹介したらいかがでしょうか。

クライアントは営業マンの話が理解できず、「わかりずらい人だな」と感じてしまうでしょう。

一方で、早口の営業マンは、クライアントからゆっくり話されると、
イライラしてしまう傾向があります。

私たちには本来、自分のペースというものがあるので、意識的に相手に合わせようとしなければ、
相手のペースに合わせることは難しいです。

だからこそ、相手のペースに合わせるペーシングは、ラポールを形成することに役立つのです。

【３】バックトラッキング｜相手の言葉を活用する

バックトラッキングとは相手が話した内容をくり返すことです。

このバックトラッキングによって、相手は「自分の話を聞いてもらえている」と
感じることができるので、安心感を感じることができ、積極的に話してくれるようになります。

そして、バックトラッキングのポイントは以下の３点です。

• 相手が話した「事実」をくり返す
• 相手が話した「感情」をくり返す
• ときおり、相手が話した内容を要約して返す

バックトラッキングは優れたセールスマンやコミュニケーターほど、
自然と行っているテクニックの一つです。

【４】キャリブレーション｜観察から相手を把握する

キャリブレーションとは、相手に合わせようとする「ミラーリング」や、
「ペーシング」の前提となるスキルで、相手をよく観察することです。

人のしぐさやペースというものは、「相手をよく観察しよう」と意識しなければ、
なかなか気づくことができません。

そのため「ミラーリング」や、「ペーシング」を行うためにも、
キャリブレーションは必須のテクニックなのです。

また、わたしたちはコミュニケーションの中で、相手の話や言葉に注目してしまいますが、
人間の心理状態は、言葉以外にも、表情や姿勢、呼吸など様々な箇所に現れます。

キャリブレーションを行うことによって、言葉以外の情報から、
相手の心理状態やメッセージを読み取ることもできるのです。

人はうれしい、楽しい話をしていれば、表情が明るくなったり、姿勢が前のめりになったりします。
それに対して、口では「大丈夫です！問題ありません！」と言っている場合でも、
不安なことや困ったことがあったら、血色が悪くなったり、視線や表情に変化が現れます。

このようにキャリブレーションは、
「ミラーリング」、「マッチング」のヒントをあなたに与えてくれるだけではなく、
相手の些細な変化や、相手の心理状態を明らかにしてくれます。

ぜひ、キャリブレーションを駆使して、
相手のしぐさや、ペース、心理状態を把握し、安心感、親近感、好感を感じてもらえるような
コミュニケーションを心がけてみましょう。

信頼関係は全ての人間関係のカギ

「相手との信頼関係」を表すラポール。

ラポールを形成することによって、相手があなたの話を受け入れられる状態を作ることができます。
反対にラポールが形成されなければ、相手があなたの話を受け入れることは難しいでしょう。

つまり相手があなたに対して信頼を寄せてなければ、どんなテクニックやスキル、
言葉を使っても、相手に影響を与えることは難しいのです。

それほど、ラポールは人間関係において、重要な役割を担っているのです。

どんな相手とでも、ラポールを形成できるようになれば、
あなたのビジネス、恋愛関係、人間関係は大きく変わってくるでしょう。

心理学NLPには、コミュニケションを円滑にするスキルのほかに、
「相手の目標達成を助けるコーチングのアプローチ」や「トラウマを改善させるセラピーの手法」、
「無意識を変化させるテクニック」など様々なスキルが存在します。

どのスキルも、このラポールを相手と築くことで、
効果を充分に発揮できるようになりますのでまずは今回ご紹介した、
ラポール形成のためのテクニックを活用して、相手と信頼関係を築くことから始めていきましょう。

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