用語集:バックトラッキング - NLP-JAPAN ラーニング・センター 東京・名古屋・大阪・福岡

NLP用語集

バックトラッキング

バックトラッキングとは
心理学NLPの『ラポールスキル』の1つです。

相手の言ったことを「反復、繰り返す」ことで
コミュニケーションを円滑にし、
深い信頼関係を築きやすくしていきます。

バックトラッキングには、
やり方が大きく分けて3種類存在します。

  1. 事実を反復する
  2. 感情を反復する
  3. 要約する

コミュニケーション能力が高いと言われるような人は、
このバックトラッキングのスキルを使うことに長けており、
仕事もミスなく、周囲からも信頼されているケースが多くあります。

バックトラッキングのやり方は3種類

先述の通り、バックトラッキングには大きく3種類のやり方があります。

バックトラッキングは日常の会話だけでなく、
文章でのやり取りにも活かすことができます。
それぞれ使い所と押さえるべきポイントをご紹介していきます。

相手の話した事実を反復する

1つ目は相手の話した事実を反復することです。

会話の例を出すと、このような流れになります。

友人:
「昨日、友達と横浜に行ったんだ」

私 :
横浜に行ったんだね」

友人:
「中華街ですごく美味しい肉まんを食べたよ」

私 :
肉まんを食べたんだね」

ここでのポイントは事実を反復するということです。

例の中で赤く示した部分は疑いようのない事実です。

そして相手は、自分が話した事実を反復されることになるので、
頭の中には「そうそう、その通り」という、「YES」の反応が生まれます。

注意点としては、反復する事実として選ぶ内容は、
相手が話している中で特に伝えたいであろう事実を反復する
ということです。

例えば、

友人:
「昨日、友達と横浜に行ったんだ」

私 :
「昨日行ったんだね」

こちらの会話も事実を反復している会話ではあります。

しかしながら、話し手の気持ちを想像すると

「うん、そうなんだけど・・・」
(伝えたいのは横浜に行ったことなんだよな)

このように、すっきりしない反応を引き出してしまうのです。

相手の話した感情を反復する

2つ目は相手の話した感情を反復することです。

会話の例を出しますと、このような流れになります。

友人:
「昨日、友達と横浜に行って楽しかったんだ」

私 :
楽しかったんだね」

友人:
「うん、しかもたまたま有名人に会えて嬉しかったな」

私 :
「へぇー、それは嬉しいね」

このような流れで、バックトラッキングを行います。
こちらも、1-1と同様に、非常にシンプルな方法です。

感情のバックトラッキングでの注意点は、
マイナスな感情へのバックトラッキングです。

例えば、

友人:
「僕なんて全然ダメダメだから・・・」

私 :
「そっか、ダメダメなんだね」

友人:
「うん、そう、僕はダメダメなんだ・・・」

このようにマイナスな感情をバックトラッキングしてしまうと、
相手の心に傷を与えてしまうことにもなりかねません。

相手の話した・書いた話を適宜、要約する

3つ目は相手の話した(書いた)内容を適宜、要約することです。

ここでは、仕事の場面における上司と部下の会話を例にお伝えします。

上司:

三日後に仕上げて欲しいとお願いしていたAの件、
部長から急ぎで完成させて欲しいと通達があったんだ。
だから、優先度を上げて、今日中に仕上げてもらうことはできるかな。

それと、私から3点、
資料について気になったところをコメントしておいたから、
対応と修正を忘れずにね。」

部下:

はい、かしこまりました。Aの件を本日中に仕上げることと、
資料について3点の修正を行うことですね。承知いたしました。」

上司:

ありがとう。では、よろしくね。」

このように、相手の話の重要なポイントを適宜、
要約することで、「話が伝わっている」ということが相手に伝わり、
コミュニケーションをより円滑に進めることができます。

さらにバックトラッキングのメリットは、
相手の認識と自分の認識のすり合わせができることです。

もし誤った理解をしていたとしても、バックトラッキングをした時点で、
相手が正してくれるため、ミスコミュニケーションが確実に減ります

日常でも、相手の話を適宜、要約することで、
「この人は私の話を分かってくれている」という感覚を与えることに繋がり、
信頼関係をより深めていくことに役立つでしょう。

バックトラッキングの効果とは

なぜバックトラッキングが信頼関係の構築において強力だと言われているのか。
ここからは、その理由を解説していきます。

相手からYESの反応だけを引き出すことができる

バックトラッキングを使用した場合、相手からの反応は100%、YESの反応になります。

友人:
「昨日、友達と横浜に行ったんだ」

私 :
「横浜に行ったんだね」(相手「YES」)

友人:
「中華街ですごく美味しい肉まんを食べたよ」

私 :
「肉まんを食べたんだね」(相手「YES」)

相手が言ったことを反復しているに過ぎないのですが、
こうして「YES」を引き出すことは、コミュニケーションにおいて
実はとても大切な要素です。

これは「YESセット話法」とも呼ばれ、
優秀なセールスパーソンやプレゼンターは、
共通してこの要素を満たしています。

一方で、NOの反応を相手から引き出してしまうと、

「この人は自分の話を聞いてくれていないなあ」
「この人とは気が合わないなあ」

このような小さな不信感や警戒のタネを撒いてしまうことになり、
それが積み重なれば、いずれ反発を生み出してしまう恐れもあります。

しかし、バックトラッキングを使うと「NO」の反応を起こすことがありません。
必ず相手から「YES」を引き出すことができるでしょう。

簡単な手法ですが、その効果は非常に大きいものです。

「この人は自分のことを分かってくれている」という実感を与える

バックトラッキングをすることで「YES」の反応が続くと、
相手の心境にはどのように変化するか。

それは、相手の言ったことを反復しているだけで、

「この人は自分のことを分かってくれている」
「なんて良き理解者だろう」

という感覚を、相手が自ずと持つようになります。

すると、

「この人に私の話をもっと聞いて欲しい」
「そうなの!それでね!!...」

このように、相手が話す割合がどんどん増え、
時間が経つにつれて相手からの信頼が深まっていきます。

この効果こそが、ラポールスキルにおいて、
バックトラッキングの手法が効果絶大だと言われている理由でもあります。

相手の再理解を促す

バックトラッキングの「要約をする」手法は、
あらゆるコミュニケーションの場面において、
「相手の再理解を促す」という効果があります。

バックトラッキングをされた側は、自分が言語化した内容を、
バックトラッキングを通して、もう一度聞くことになります。

それまでの会話の認識があっているかどうかを確認したり、
バックトラッキングをしてもらうことで、自分の考え、
思考を言語化してまとめる助けにもなります。

コーチングやカウンセリング、
1on1ミーティングなどの場面でも、必須のスキルだと言えるでしょう。

最後に

今回ご紹介したバックトラッキングは、
NLPの基礎的なスキルの1つで、すぐに実践することができる上、
効果を実感しやすい手法です。日常の会話でぜひ活かしてみてください。

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